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アガンペン 「顔のない国」
稲垣吾郎が1人10役以上を演じ分けたという
2022年のテレビドラマ「きれいのくに」を
ご存じだろうか?
なぜ 稲垣が1人10役もできたのだろうか?
ほとんどの大人たちが
美容整形で同じ顔
(男は稲垣、女は加藤ローサ)の顔に
近づいてしまった
というデジタルな世界「きれいのくに」
の大人に
唯一 批判的な「アナログ」で多様な子どもたち
という構図が
ドラマ 「きれいのくに」 🤭
おすすめ🙋
このまま行くと近未来像はそうなるだろう
美容大国、韓国の「ミスコリア」顔といえばすぐに思い浮かぶ筈だ
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整形するとなぜ
みんな「同じ顔」になるんだろうという
素朴な疑問を調べてみた。
肉体を部分で分身=変えていくと
なぜか「われら」に到達する。
部分=全体 全体主義の世界 笑
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皆が皆を
他者が他者に
求められているものを
ケインズが「美人投票」の例で分析したように
鏡像反映=憑かれるから 似てくるのは当たり前
江戸時代でも分かっていたことだ
歌川国芳 上記 浮世絵
顔を部分アップして見ていただくと
パーツが人で出来ているのが分かる
そして こう書いてある
「人さまのおかげで
ようやく 人らしい顔になりました」
要するに
ドゥルーズ
「千のプラトー 資本主義と分裂症」
ドゥルーズ+ガタリ
「アンチ・オイディプス 資本主義と分裂症」
浅田彰
「逃走論―スキゾ・キッズの冒険 」
にあるような
「分裂性」を持ち
そして
焔に飛び込む蛾と同じく
求めるものに「放心」
=動物的合一してしまう
人間の動物化を描いたハイデガーやアガンペン
(アガンペン 「開かれ」)
の議論通り
人間が 動物化しているのだ
東浩紀は「動物化するポストモダン」 で それを
早くも着眼している
しかし 先駆者には先駆者が…
江戸時代の 浮世絵師 歌川国芳 は
ディープな心理学者だ
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要するに
放心=共鳴し合う合一化=動物化
スキゾ(分裂症的) 資本主義社会とは
「みんな一緒」
例えば これ
昔 学生の卒論指導で
なぜか 私が買った
「ギャルブロガーBOOK」
もう 誰が 誰だか???
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そして これ 笑笑
ガングロ女子の相似と
浮世絵女子の相似
なんか 違いある?
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ガングロ女子も
似てましたねぇ
みんな 白のルーズソックス+底高ヒール履いて
私なんて あんなん 塗らなくても
すっぴんで あんなだからいいけど
当時 聞いてみたら
クレンジング大変だって言ってた
顔荒れる🫨って💦
でも当時は あれが スタイル😎
だったんですね
みんな一緒でした
そして
浮世絵女子というのも
当時
髪型、衣装、スタイルなどで「らしさ」を表現した
情報媒体=浮世絵
だから「顔」=マネキンは統一的 「らしさ」
流行=みんな同じ顔の理由だそうで。
しかし 流行だけでもない
戦争や戦いもなく
平和で愛溢れる時代には
夫婦似てくるのに同じで
愛し合い=相似が生まれやすい
最近の 草食男子が
女子並みに
ネイルサロン エステ通い をしているように
この浮世絵 両方 男子
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平和な江戸時代の
男ー男関係👨
三島由紀夫曰く
徳川幕府の政権が安定したあとでは、たちまち日本の男性の女性化が始まっていた。18世紀の鈴木春信の浮世絵を見ればわかるが、縁先に梅の花をながめながら寄りそってすわっている男女は、髪型といひ、どこからどう見ても、どちらが男で、どちらが女か見分けがつかない
ちなみに
これは
1人が男子で
1人が女子
どっちがどっちでしょう?
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愛し合うと
みんな 似てくる
歌川国芳 恐るべし
浮世絵って ほんと 先駆的
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レヴィナスは
ひとは
「顔」を憎み、
「顔」を愛し
「顔を出せ!」という言葉にあるように
「顔」は応答責任を要求する
そして また
他者の「顔」はけっして理解されたり
所有されたりすることができない
他者性=倫理を要求している
(レヴィナス「全体性と無限」)
と 言ってたけれど
みんな同じ顔になったら
倫理はどうなるのだろう
顔にマスクをし
「顔のない国」 = “un pays sans visage”
となっただけで
イタリアの哲学者
アガンペンが どれほど怒り狂っていたか?
を 我々は コロナ禍に見た が…
みんな
男は稲垣吾郎
女は加藤ローサ
のような顔の「きれいのくに」
では
どう 倫理が要求されようか?
最近は
ひとと喧嘩 も
透明に わからないように 裏で
ヴァーチャルに…
そして
what is worse,
表向きの顔=仮面 は似てくる
となると
救いようのない世の中
捕えようがない
マルブランシュの言葉を借りると…
それは、
人でしかない人より、
また
虎でしかない虎よりも、
その人をはるかに畏怖すべきものとする。
「皮」を被った「人」=「動物」だからだ
ドブリツホファーが、アビポン族に尋ねた。
「君たちは毎日、
野で恐れもせずに虎を殺しているのに、
町の中でにせものの虎の前に立ったときの
あの臆病な怖がり方はどういうのだ」
それに対してアビポン族の一人は
笑いながら答えてくれた。
「貴方がた神父様には、これはお解りになりません。
私どもは野にいる虎なんか恐れていません。
そしてそれを殺します。何故ならば、
私どもはその虎ならば見ることができますから。
しかし、拵え物の虎となると怖いのです。
見えもしなければ、殺すこともできないですから。」
「未開社会の思惟」 Chap. 2-4
最近
犯罪の高齢化が叫ばれている
失うものもない老人の犯罪は怖しいそうだ
老いる=「死」が近づき
身体が消えゆく=透明化していくにつれ
動物性の割合は増し
毛皮を被り
「死」の直前の欲望剥き出しの動物は
人間を離れていくとともに
顔も動物に似てくる
女性美容誌 プレシャスが
カバ、ブルドッグ、サル顔などに類型しているが
老化につれ 相似してくる顔
「死」 と 動物化
癌で痩せていく患者さんたちが 似てくるのに
同じで
老化とは動物化=相似化
そして また
抵抗し
美容整形重ねた顔も また 相似
資本主義と「死の欲動」
止められない
マルクス +
ヨーゼフ・シュンペーター が
in「資本主義、社会主義、民主主義」
資本主義 突き詰めたら
社会主義に自ずと通ずと
言ったように
顔も 群衆化=動物化=匿名化=透明化
してくる
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以下
女性ファッション誌 プレシャス より
老化と顔の動物化の記事をどうぞ❣️
最期まで
人間らしく
私らしく
顔への責任を持って
顔向けできないようなことはせずに
生きていきたいものだ
以下
参考まで
江戸時代のジェンダーレス男子「若衆」
“A Third Gender”
東京大学 藤岡俊博先生の
「顔のない時代に顔を考える」
そして 同じ着眼点 理系の視点よりの論文
これも 東大 久保友香先生
上記 「ポップティーン」は「盛りの誕生」より
プライスレス❣️