平野啓一郎 映画「本心」を見て〜ホメロス「イリアス」とゲーテ「ファウスト」のアバター世界
平野啓一郎原作映画「本心」
それは それは驚いた
それは
「声の世界」だった
不在の神々の「声に従う」 聴覚中心の
ホメロス「イリアス」の世界
アキレウスも 神の声には絶対だった
イヤホンを通じて命令を下す
身体を欠損した神=貨幣は 「娼婦」のように
どこにもいて どこにもいない透明な神
(Shakespeare アテネのタイモン)
リアル・アバターたる朔也を
内から乗っ取り、翻弄し続ける
「神」の姿は見えない
依頼主に同化=全面的に従わなければ
評価を下げられ解雇となる⤵️
つまり
アバターになると言うことは
身体は神=依頼主のもの
上述のとおり、アバターのオリジンは古い
森羅万象の統治能力を失った
神の
「身体の喪失」=処刑の「代行」としての
「身体の喪失」が アバター=「生贄」
(フレイザー 「金枝篇」)
神は気づいた
メフィストフェレスが
取持役=アバター・プロデューサーとして
娼婦アバター=
ヘレナ (グレートヘン/マルガレーテ) の身体を介し
ファウストを誘惑したように
神の身体の欠損は
人間を通して補填される
こんな「アバター感覚」が
映画「本心」で幅を利かせていた
つまり
アバターとなるということは「疎外」され
を味わう宿命
平野氏「本心」 メイン登場人物は みな
自己の身体を一部もしくは全部 欠損している
① 朔也 依頼主の要求に従うリアル・アバター
② 三好 セックス・ワーカー
③イフィ= “IF I…” もし私が… 身体に障害をもつ
アバター・プロデューサー
④ VF 母
これは
元 娼婦アバター 三好ではなく
同じく娼婦アバターとして
ゲーテが描いたヘレナの気持ち
平野啓一郎氏「本心」は
ゲーテ「ファウスト」現代版なのです
身体を持たない神の代行は
身体の喪失に終わる
これが「アバター」
の
過去であり 未来
平野氏の「本心」は
最も古典的であり
同時に
未来を見通す先駆的な「ファウスト」
貨幣という透明な神々の時代…
イヤホンを装着した「聴覚的」で
顔の見えない
非ー視覚的 透明な神々に乗っ取られる
ドゥルーズ=ガタリ
「アンチ・オィディプス 資本主義と分裂症」
の世界は
ホメロス「イリアス」のような
神々の声を聞く過去に回帰する未来
上記 ルーベンスによる絵画
「パリスの審判」は
決して過去の物語ではない❣️
それはアバターの未来
最も美しい女神は誰か=黄金の林檎🍎の
所有者決定戦は
ケインズの美人投票の例に同じで
他者 (パリスとヘレナ)
を媒介しなければならなかった
「身体」を欠如する女神 アフロディーテ が
自身の 「身体」の代行=
「取持女」= アバター (娼婦役) として
ギリシャ王👑メネラオスの妻 ヘレナ を
トロイの王子🤴パリスに 媒介し
美の称号を巡る闘いに見事 🏆勝利🏆
( ヘラ vs アテナ vs アフロディーテ)
有名な 「パリスの審判」❣️
アフロディーテが
愛と美の女神となれたはいいけど
勃発💣したのは トロイ戦争 笑
ギリシャ王👑の妻でありながら
トロイの王子🤴パリスの娼婦 とされた
アフロディーテの代行=アバター=ヘレナの心は
ギリシャとトロイ
パリスとメネラオス
過去と現在に引き裂かれ
夫 メネラオスの心を
愛と憎しみに引き裂き
ヘレナは死刑=生贄
しかし
平野版ファウストも神に抗いを見せる
神の媒介=三位一体の「三」で「好」かった
「三好」は
朔=24時間=「今」を生きようと苦悩する朔也
に出会い
媒介を卒業
朔也も母のVFのスイッチを切り
「自分らしく」生きようとする
人間的で あまりに人間的な
現代版「ファウスト」
「カッコいい」❣️
この一言以外に選べようか?
(ゲーテの3や24 etc 数字に込めた意図🌿
上記マルクス引用でも24 出てきます)
最後に ちょっと雑談🤭
ジョン・ミルトン「失楽園」には
ゲーテ「ファウスト」の比にならないくらいの
孤高に神に戦いを挑む悪魔🦹♀️が出てきます
ほんまに格好良いのに🆗誰も分かってくれない🥹
もちろん
平野氏は違う👏
下記「カッコいいとは何か」で
ミルトンの悪魔「カッコいい」
って言ってはります♡
是非❣️