見出し画像

力なく悲しき時は小さごと特に励め

前回こんな記事を書きました。


不安な時は小さいことに励む。
めんどくさいと思ってやらないと不安になっていく。
小さなことでも心を込める。

家のことって自分の家のことだから、やっても誰も褒めてくれないし、やるべきことも期限がないから、先延ばしにもしてしまえる。でも、そうすると、誰より自分自身がイヤになってきます。

2020年初め、世界がコロナ禍というものに入った時、私の次女が入っていた幼児生活団というところの父母会で、指導者がこう言いました、

「とにかく生活してください。
経験したことないことが起こって不安かもしれないけど、
子どもは毎日の生活リズムが整っていると安心します。

そう言われたO先生は、東北の震災の時に、立ち直れる人と立ち直れない人との違いを聞かれたとか。
それは、毎日同じ時間に同じことをしている人だったそうです。

その言葉が印象に残って、とにかく毎日を今まで通り過ごすことが大切なんだということが胸に落ちました。


冒頭のことを教えてくれたNさんや、コロナ禍での心持ちを教えてくれたO先生の言葉は、これまた日本初の女性ジャーナリスト羽仁もと子の著作集「友への手紙」の「私の家庭観」にある言葉に基づくものでもあると知りました。

ある時は望みにかがやきに励まされ、ある時は悲哀の中をたどりつつ、思いに悩むいろいろの時がある。「力なく哀しき時は小さ事(ちいさごと)とくに励めとみ霊(みたま)いう」それはある時、ほんとうに自然にふと口に出た私の思いであった。
(中略)
己れに克(か)って日々の目立たない生活を油断なくしてゆくことが、すべてのことに絶え間なく助けを祈る祈りそのものであるのだと私は思っている。

羽仁もと子著作集 第19巻「友への手紙」ー「私の家庭観」より

またこうあります。

しかしながら人の仕事に生活に、家庭生活ほど家族生活ほど真実な正直なものはない。この中で本気に注意深く生きることができれば、それが何より神を知り社会を知るところの有力な生活になる。
(中略)
われらはことに足場を家庭生活に求めよう、家庭は低いところ平凡なとことどうでも自分たちの好き勝手にしてもよい気楽なところではない。

羽仁もと子著作集 第19巻「友への手紙」ー「私の家庭観」より


今は時代の過渡期にいて、社会全体が不安な時。
不安な気持ちに覆われてしまう時もあります。

そんな時こそ、この言葉を思い出します。

力なく悲しき時は小さごと特に励め


不安で何も手がつかなかったら、身の周りの小さいことをしてみてはどうでしょうか。あなただったら、何をしますか。

いいなと思ったら応援しよう!