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失敗しないことを目標にするな

「すぐやる力」のベクトルを決める

①潜在意識の目標は、よりよく生きること

潜在意識の本質は、私は「よりよく生きるための力」だと考えています。
よりよく生きるためのパワーや武器、プログラムが無限に存在する場所が
潜在意識
です。

ただし、潜在意識は、共鳴する夢や目標がなければ動きません。
パワーやプログラムが向かう「ベクトル」が必要なのです。

子どもたちは「よりよく生きる」という本能に忠実です。
どうしたらよりよく生きられるか探しているから、
好奇心にあふれています。

だから、プロ野球選手やサッカー選手の活躍を見て、
「かっこいい!僕もなりたい」と思い、それが「夢」になります。
その気持ちが、潜在意識にポンと入ってきてしまう。
具体的な夢ができると、それを現実するための小さな目標が見えてきます。
たとえば、「グローブを買って」「キャッチボールの相手になって」
「野球チームに入りたい」「甲子園に出るぞ」などと
明確な目標がどんどん出てきて、努力しやすくなる。
夢中になって練習するわけです。

夢につながる目標に向かって、自分から積極的に行動できる。
これこそ、潜在意識が動いて、
しかも「すぐやる力」が発揮されている理想的な状態なのです。

②意識過剰になると潜在意識は逆方向に動く

ところが、大人になると、
なかなかそういうわけにはいきません。
子どものころの夢は、いつか実現すればいい。
しかし、プロスポーツやビジネスの現場では、
必ず「結果」が求められます。

「夢」よりも現実的な「目標」を揚げて、
その達成のために努力しなければならないのです。
これが「すぐやれない」現象の大きな原因でもあります。

しかも、目標が明確になったとたん、別の問題が出てきます。
「達成するぞ」という目標のほかに、
「失敗してはいけない」という気持ちが現われ、
心にブレーキがかかってしまうのです。

やっかいなことに、
意識と潜在意識は磁石のS極とN極のように相反する関係です。
目標達成を意識してしまうと、潜在意識ミスのほう、
つまり目標を達成しない方向をとらえがちになります。

目標を持った瞬間、
「できるだろうか。失敗したらどうしよう…」と
不安に襲われた経験はありませんか?

それは、潜在意識が目標達成とは逆の方向に働いているからです。
意識が達成するほうに向かっているので、
潜在意識は達成しないほうへ向かわざるを得ない。
だから、不安を与えて失敗させようとします。
私たちが成功を意識すればするほど、
潜在意識は目標達成とは逆の方向へ向かっていきます。
文字通り「意識過剰」なんですね。

目標を明確にしたら、潜在意識にちゃんと落としこまなければ
目標達成はむずかしい。
潜在意識はあまのじゃくなのだと覚えておきましょう。

③目標と今をつなぐストーリーをつくる

潜在意識が目標をとらえる
ーーーそのためにはどうしたらいいか。

目標を設定したら、
逆算して「今できること」を考えて(意識して)ください。

目標からずっと戻って、今、確実に達成できる第一歩を設定して、
現在の意識をそちらへ向けましょう。
なるべく簡単で、
すぐ取り組めるところまで持ってくるのがコツです。

目標から逆算して途中の目標を設けながら、
目標達成のストーリーをつくってください。
最終的には、どんどん小分けにして、
取りかかりやすい簡単な仕事を手前に待ってくる。

そうすれば「すぐやれる」し、
「失敗したらどうしよう」という不安も起こらないわけです。

④目標を入れて忘れると、潜在意識が動き出す

意識を今やるべき目標に集中させて、
潜在意識にはメインの目標をしっかり入れる。
これが大事なんです。

最初はとにかく「簡単にすぐできる」ことでなければいけない。

通常の仕事に取り組む時も、このテクニックは使えます。
敷居が低いほど「すぐやれる」から悩まない。

・目標を決める
   ⇓
・逆算してストーリーをつくる
   ⇓
・今すぐできる作業にまで落とし込む

このプロセスが潜在意識を確実に動かしていくポイントです。

⑤目標倒れに終わる原因は潜在意識にあった

ところが、ほとんどの人は目標を揚げるだけで、
そこに至るまでのストーリーがありません。

意識と潜在意識の役割が逆転していないうえに、
漠然とした目標のままだから、
「新年の抱負」のように三日坊主になったり、
目標倒れに終わったりしてしまいます。

また、目標を立てたこと自体に満足すると、
潜在意識は「これで十分なんだな」と感じて、
目標を達成したと認識してしまいます。

「満足する」という状態もよくありません。
潜在能力のわずか数パーセントしか使っていないのに、
「これで十分だ」と判断すると、
それが自分のキャパになってしまいます。

自分で限界をつくると、潜在意識は逆に縮こまっていく。
力を発揮しないまま、失敗していく結果におちいってしまいます。

⑥目標達成までは、山あり谷あり

さて、意識と潜在意識の関係をチェンジするために、
ストーリーをつくりました。

しかし、このストーリー自体が意識でつくったものです。
「今これをしよう」と意識することで、
結果的に3年後の目標が潜在意識に入りやすくなります。

つまり、潜在意識をごまかすテクニックとも言えます。

ところが、潜在意識はストーリーなんて全然、理解できません。
ここにまた、大きな問題が出てきます。
私たちはストーリー通りに進行しないと気持ちが悪い。
失敗やトラブルが起こると、嫌気が差してしまうわけです。

ところが、潜在意識は、本気で目標を達成させるシナリオをつくっていますから、トラブルやミスを起こして、挫折を経験させる場合もあります。

これは、当然のことです。
たとえば、素人がいきなり「エベレストに登りたい」
という目標を持つのは無謀です。

潜在意識は3年後の目標に向けて、
問題提起を盛り込んだシナリオをつくります。
未熟な部分や足りない知識に気づかせて、
今、やっておくべきことを知らせようとする。

しかし、ストーリーのほうはトントン拍子に進むはずの展開ですから、
意識のほうは途中の失敗や挫折に我慢できないし、許せない。
素直に受け入れられないんですね。

このように、本当は諸般の事情で、
ストーリーは変わると思っていたほうがいいのです。

つまり、意識でつくったストーリーは、
順調にステップを重ねていく「階段」スタイルですが、
潜在意識がつくったシナリオは、
曲がりくねった「山道」のようなものです。

⑦失敗しないことを目標にするな

本人はめげてしまいますが、失敗やミスは避けては通れません。
むしろ、失敗することによって経験を積み、多くのことを学ぶのです。

しかし、「マニュアル世代」と言われるように、
「失敗しないための教育」を受けています。
挫折を経験させないように、順調にレールの上を歩いて行けるように、
親や周囲がつまずく原因を前もって取り除いてしまう。

けれども、そのマニュアルが通用しない事態に直面すると、
どうしてよいかわからずパニックに陥ってしまいます。

現実を受け入れて修正しながら、
自分なりの新たなマニュアルを再構築する必要があります。
つまり、失敗は目標を達成するためのプロセスと考えるのです。

潜在意識には本来、「失敗」という言葉はありません。

成功の手前の「アクシデント」に過ぎないんです。
にもかかわらず、そこでやめてしまうから、
本当の失敗になってしまう。
「失敗しないこと」を目標にしないで、
失敗はプロセスの1つと受け止めてください。

⑧上方修正、下方修正しながら潜在意識を動かす

目標の設定で大事なのが、上方修正、下方修正というテクニックです。

「プロジェクトを3年後に成功させる」
ーーーーこれがそもそもの目標でした。

しかし、それが無理だとわかった段階で、
ほとんどの人はあきらめてしまいます。
途中まで進んでいたのに、3年で達成できないと思うと、
そこでやめてしまう。
これは非常にもったいないことです。

むしろ、3年は無理でも5年でやり遂げようと
目標を下方修正したほうがいい。

期間が延びた分だけ、潜在意識も目標をクリアするために、
もう一度、動き出します。

すると、半年間、足踏み状態だったものが予想外に進んで、
当初の目標に近づいたりする。
それなら今度はまた、3年で達成するよう、上方修正する。

この上方修正、下方修正を活用していくことで、
潜在意識はどんどん動いていきます。

⑨自分のコンディションにあわせて調整しよう

上方修正、下方修正をうまくやるコツは、
自分のコンディションにあわせることです。

調子がイマイチな時は、確実に達成できるように小さい下方修正を重ねて、
調子がいいと思ったら、自分でプレッシャーをかけるぐらいの上方修正をしていく。

当初の目標は3年。下方修正で5年、上方修正でまた3年に戻す
というふうに随時調整する。

人間には上下動する波のようなバイオリズムがあり、
いつも一本調子ではありません。
エネルギーをためる時期とエネルギーを発散する時期を
繰り返しているのです。

だから、同じペースで進もうとするほうが不自然で、
上り調子の時はどんどんやる、
調子が下り坂の時は抑えるというのが、
本来のあり方です。

体調と同じく、潜在意識のリズムにも「山と谷」があります。
いい時と悪い時を必ず繰り返しながら、
いい時は上方修正、悪い時は下方修正するのが自然です。

進歩状況を見ながら、
自分のバイオリズムを見極め、こまめに調整していく。
これも潜在意識を味方につける上で、非常に大事なポイントです。

⑩バイオリズムにあった目標設定は結果が出やすい

谷の時期にがんばっても結果は出ないし、
リズムが狂うだけですから、無理しないほうがいい。
その代わり、別の役割で貢献しよう。

⑪自分のリズムを知る カレンダー記録法

自分のバイオリズムを知っておくといいと思います。

谷の時期はブレーキを踏む。
山の時期にはもっとできるとプレッシャーをかけていく。
自分自身が自分のメンタルトレーナーになってコントロールしてください。

カレンダーに〇✖を書き込む簡単な方法をお知らせしましょう。
1日を振り返って、
「仕事が結構はかどったな、体調も良かった」という日は〇。
「今日は疲れた。なにをやってもうまくいかなかった」という日は✖です。

あまり厳密に考えないで、今日1日を自分の感覚で判断してみる。
2,3か月、カレンダーに〇と✖で記録してみてください。

すると、なんとなくですが、
〇が続く時期、✖が集中している時期がわかると思います。
大まかな山・谷が2週間サイクルだなという傾向がわかったら、
そこにあわせた予定表をつくってみてください。

たとえば、今週から谷の2週間がはじまるとしたら、
大事な仕事は入れない。
谷の時期はエネルギーを蓄積する時期ですから、
なるべく疲れないように準備して、体調管理にあてたほうが効果的です。

その代わり、山の時期にあたる次の2週間は残業もどんどんやって、
大事な商談なども精力的にこなしていく。

自分の大まかな波にスケジュールをあわせていくと、
バイオリズムがより明確になっていきます。

数週間実践しながら、修正していく。
それでうまくいけば、やはり自分は2週間サイクルだなとわかるし、
リズム自体が安定して、潜在意識を味方につけやすくなります。

自分のリズムがわかって安定していると、まわりがはっきり見える。
ですが、残念ながら、現代人はリズムが安定していない人がほとんどです。
だから、周囲が見えないし、振り回されて、
自分のリズムを崩してしまうという繰り返しです。

そういう意味でも自分のリズムを安定させることは大事です。

まず、〇✖式カレンダー記録法に一度トライしてみてはどうでしょう。

⑫夢があれば、潜在意識は更に活性化する

ここで、「目標」と「夢」の違いを整理しておきましょう。

目標は1%でも実現可能な領域に存在し、
夢は達成不可能な領域に存在する。
本来、目標はクリアしていくもので、
夢は追い続けるものです。
潜在意識にとって目標は薪やガソリン、
夢は原子力レベルのエネルギーを持っていると言えるでしょう。

ところが、大人になると、夢と目標を混合してしまいます。
というより、夢を目標クラスに下げてしまう。
自分で限界をつくるからエネルギー不足になって潜在意識も働かない。
すると自信が持てないから、
より低いレベルの目標しか持てなくなってしまう
という悪循環におちいってしまいます。

これでは、無限の可能性を持っているはずの潜在意識も、
眠ったままになってしまいます。

夢を持つことは、
潜在意識に大きなエネルギーを与え続けてくれます。
好きなこと、興味があることを目標にしたほうが、
エネルギーのレベルが大きい。

つまり、夢や目標自体が
「よりよく生きる」というベクトルを持っているのです。

もちろん、仕事では受け入れにくい職務を命じられたり、
義務感で仕方なく取り組む場合もあるでしょう。

しかし、渋々やっていてはエネルギーレベルが低くなるばかりです。

できるビジネスパーソンほど、
仕事を自分の可能性を追求するものとして
楽しんでいる人が多いものです。

夢や目標があれば潜在意識は活性化していく。
この事実をぜひ知ってください。
生活や仕事の中に目標や夢を見つけようにしていけば、
今までより楽しい毎日が待っています。


~30代女性のための心と体の健康アドバイザー~



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