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蓄える冬の過ごし方-温考知身の二十四節気養生-
はじめに
暦の上で「大雪」を迎えると、冬の寒さが本格化し、自然界も静けさを増していきます。雪が降り積もり、作物も収穫が終わり、寒さをしのぐために体も心も「蓄える」ことが大切な時期です。東洋医学では冬は「閉蔵(へいぞう)」の季節とされ、エネルギーを外へ使わず、内に蓄えることで春への準備を整える期間とされています。
今回は、大雪の時期におすすめの「蓄える」をテーマとした冬の養生法を、東洋医学の視点からご紹介!
東洋医学で考える「冬」と蓄えること
東洋医学では、冬は五行の「水」に属し、腎(じん)の働きと深く関係するとされています。腎は、体の根本的な生命力や成長・老化に関わる「精」を蓄える場であり、冬はこの腎を養い、精を温存する時期とされています。
冬にエネルギーを外へ散らさず、内側に蓄えることで、春の活動に向けた準備が整います。逆に冬に無理をしてエネルギーを使い果たしてしまうと、春になって疲れが残り、体調を崩しやすくなると考えられています。
大雪の養生:蓄える冬の過ごし方
1.食べすぎない・無理をしない
冬の間、体は自然とエネルギー消費を抑え、外気に耐えられるよう調整しています。しかし、暴飲暴食や無理な活動は、この自然な流れに逆らい、体に大きな負担をかけてしまいます。
まずは、適量の食事を心がけることが大切です。食べ過ぎは消化器に負担をかけ、余分なエネルギー消耗につながります。冬は少し控えめの食事で、胃腸を休めるくらいの気持ちが良いでしょう。また、寒いからといって室内で怠けすぎるのも逆効果。過度な運動は避けつつも、軽い動きで体をリフレッシュさせると、体内の巡りが整います。
一方で、心も無理をしないことが大切です。冬は自然界が静まるように、心も休息を求めています。忙しいスケジュールや余計な心配事を減らし、少しでも穏やかな時間を持つよう心がけましょう。
2.静かな時間を大切にする
冬は自然が静まり返る季節です。私たちもそのリズムに合わせ、体と心を落ち着かせる「静」の時間を意識しましょう。この静けさこそが、エネルギーを内側に蓄える大切な要素です。
寒い冬の夜は、家の中で温かい飲み物を片手にゆったりと過ごす時間を設けるのがおすすめ。
たとえば、好きな本を読んだり、静かな音楽を聴いたりすることは、心に落ち着きをもたらし、体の緊張も和らげます。温かい部屋で本を読むのって冬って感じがしてよいですよね〜
このような心を穏やかにする習慣は、ストレスを軽減し、自律神経を整える効果も期待できます。この機会にスマホやPCの使用を控え、デジタルデトックスを取り入れるのも効果的ですよ。
3.冷えない環境を作る
冬の寒さは、体内の巡りを停滞させる大きな要因です。
寒さで肩が凝ってきた。そう感じたら要注意です。
「冷えは万病のもと」という東洋医学の教えを心に留め、冷えから体を守る工夫を取り入れましょう。
まず、衣服で体を温めることが基本です。特に首、手首、足首の「三首」は冷えやすい部位のため、マフラーやレッグウォーマー、腹巻きなどを活用して保温を徹底しましょう!腹巻きはダサいと感じますがかなり効果的です!
これらの部位を温めるだけで、全身の血流が改善され、冷えを予防できます。
また、寒さを防ぐだけでなく、体を動かして内側から熱を生み出すことも重要です。激しい運動ではなく、ヨガやストレッチ、15分程度の散歩など軽い活動を取り入れてください。適度な動きが血流を促進し、冷えた体を温めてくれます。汗をかいてしまうと冷えるのでゆっくりとした運動がおすすめ!
さらに、足湯やお灸など部分的に体を温める習慣もおすすめです。足湯は、40℃前後のお湯に足を10分ほど浸けるだけで全身がポカポカと温まります。お灸では、腎のエリアである「腎兪(じんゆ)」や「三陰交(さんいんこう)」「太渓(たいけい)」といったツボを温めると、冷えの改善に効果的です。
まとめ
大雪の時期は、外気の寒さに耐えるだけでなく、心と体を整え、次の季節への準備をする「蓄える」期間です。無理をせず、食べすぎず、静かで穏やかな時間を意識して過ごすことで、心身の疲れが癒され、春からの活動に向けたエネルギーがしっかりと蓄えられます。
師走で忙しい時期ですが、「静」と「温」を大切にした生活を送り、自然のリズムに沿った冬の時間を楽しんでみてください!
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