【邦画】「千利休 本覺坊遺文」
1989(昭和64)年の、熊井啓監督の作品「千利休 本覺坊遺文」。YouTubeにて。
井上靖の小説が原作。製作は西友。
主演の千利休の弟子が奥田瑛二、千利休が三船敏郎、千利休に茶道を学んだ織田長益が萬屋錦之介(最後の映画出演)、他にも、加藤剛、東野英治郎、芦田伸介、上條恒彦、内藤武敏と、女人が一切出てこない重鎮の昭和の男優ばかりの作品だ。
有名な安土桃山時代の茶人・千利休の、謎の晩年を、一番弟子の本覺坊が、関連人物の話を聞きつつ解き明かしていくというスゲ〜地味な展開。井上靖の解釈だろう。
千利休って、太閤秀吉の怒りを買って、その命によって切腹したのだね。初めて知った。
弟子が、師匠の死の真相を明らかにしたいと願うのだが、夢で見た師匠と太閤秀吉との茶会の光景などを織り交ぜつつ、師匠の最期の心境に共感したいと思ったのだね。
描かれる寺や茶室、四季の自然の風景は深い趣きがあって良いけど、千利休と本覺坊をはじめ、登場する人物の、精神性を重んじる内省的な思いを描いているので、興味がある人以外は、つまらないといえばつまらないかも。
織田長益が病に倒れて危篤となって、千利休の最期のように、朦朧とした意識の中で切腹する仕草をやって死んで行くところは、演じる萬屋錦之介の凄みを感じるけどね。
命を投げ出しても茶人としてのプライドは守るという態度はわからないこともない。
珈琲などと同様、単なる嗜好品である(と思う)お茶に対して、道とか作法とか真髄とか場とか、流派の裏千家とか表千家とか、失礼だけど、なんか滑稽な感じがするよ。なんでも極めればそうなのかもしれないけど。
千利休がいうには、茶の道は、“侘数寄、常住、茶之湯、肝要"だって。「無では何もなくならない。死ではなくなる」だってさ。
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