「寅次郎恋やつれ」
今日のBSの寅さんのマドンナは吉永小百合さん演じる歌子さん。
シリーズで複数回、マドンナを演じたのは浅丘るり子(最多)、栗原小巻、大原麗子、松坂慶子、竹下景子、ちょっと意味が違うが後藤久美子、そして吉永小百合さんかな。
平成に入って3回目の出演も打診したが、渥美清が体調を崩したこともあって叶わなかったという。とにかく渥美清もサユリストだったって。
今回は寅さんが一方的に惚れるんじゃなく、歌子の幸せを願う父親みたいな役になってる。厳密に言えば、寅さんはいつもの如く失恋したのではないことになる。歌子に惚れることと、歌子の幸せを願うことの間で揺れている寅さんの複雑な心情が読み取れる。いつもよりも寅さんが頑固で理不尽なことを言い、涙ぐむシーンが多い。
「いくら心の中で思っていても、それが相手に伝わらなかったら、それは愛情と言えるかしら」と歌子。
男女の恋愛を通り越せば、性を超越して人間として尊敬することになるのかも。しかし、男は下世話な男女の恋愛のままでいたいと思うものだ。
それで歌子の父親は一見、娘とも距離を保つ冷たい小説家だけど、モデルは川端康成かも。
それにしても、小百合さんがふと見せるあどけない表情がメッチャ良い。
映画の内容は、小百合さんの晩年の活動に通じるものがある。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。