【洋画】「π」
1998年の、ダーレン・アロノフスキー監督のデビュー作「π(Pi, パイ)」(1998年)。Amazonプライムにて。
低予算の全編モノクロだけど、部屋に閉じこもる天才数学者が、世界を構成する法則を解明し、敵も作って狂気に陥るという、なんだか痛くてムズいアーティスティックな映画だった。
「数学は万物の言語。全ての事象は数字に置き換え理解できる。数式化すれば一定の法則が顕れる。ゆえに全ての事象は法則を持つ。我々が螺旋から創られたとしたら、我々が従事するもの全て螺旋で満たされている」という主人公のマックス・コーエン。
昔から数学は大の苦手だったけど、ある数式に取り憑かれて日常を送るのさえ危うくなる程の狂気に陥ってしまうのは理解はできる。
高いIQを持つが故に、日々、自作のスーパー・コンピュータにより株式市場の予測を行っていても、コンピュータが叩き出す数字の羅列に、一定の法則を見つけてしまうのだろう。
その法則に、216桁の円周率πが隠されていることに辿り着くのだ。実はマックスの師匠も同様で、彼は危ないとマックスを止めるが、マックスは世界の法則を叩き出す魅力に抗えなかった。
そのために、企業マフィアとユダヤの秘密結社から狙われることになるのだ。ユダヤ教のカバラ数秘術がその法則に当てはまってるということで、陰謀論が好きな連中はハマるかも。
コレぞ、まさに、体験を重要視するか、もしくはコンピュータ上の数字で世界を捉えるか、だな。
そういや、デヴィッド・リンチ監督の傑作「イレイザーヘッド」みたいだ。世界に絶対的な法則って本当にあるのだろうか?
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