【古典邦画】「蟹工船」
やっぱ前に観たなぁ、小林多喜二の代表作「蟹工船」の映画(1953年)。
俳優の山村聰が初めて監督を務めた、初めての映像化作品。
そもそもプロレタリアート文学って、固くて暗くて悲惨で、クソつまらねぇものばかりだが、原作もそうだけど、この映画はもっと輪を掛けてそうだった。
どいつもこいつも田舎の方弁で口角泡を飛ばして叫んでばかりで理解不能なところが多いし、当時の労働者(漁夫)の置かれた悲惨な状況を表すために、こういう過剰な演技をしているのだろうけど、山村聰監督の演出はちょっと俺には合わないなぁ。
伊福部昭の暗く迫って来るような音楽はイイ。日本独特の、薄汚れた、狂気に迫る厳しさと情熱は感じるけど。
戦前の、蟹缶詰の製造を目的とする工船は、給料は一般の労働者の10倍以上であるが、毎日、20時間もの過酷な労働を強いられて、“地獄船”といわれた。労働基準法なんてない“海のタコ部屋”と呼ばれたところで、不当な暴力や脅しで、非人間的な労働に従事させられたのだ。
耐えかねた労働者たちはついに反乱を起こすが、海の上で、船長や監督などは抑えることができても、軍国主義下の海軍や官憲に徹底的に圧殺されてしまうのであった。原作者の小林多喜二も同じ運命だった。
同じ船員の反乱を描いたものでも、サイレント映画「戦艦ポチョムキン」の方が数倍もイイね。映画そのものにも多大な影響を残しているし。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。