【洋画】「ダゲール街の人々」

“ヌーヴェルヴァーグの祖母”ことアニエス・ヴェルダ監督の、1975年のドキュメンタリー作品「ダゲール街の人々(Daguerreotypes)」(仏・西独)。Amazonプライムにて。

ドキュメンタリーといっても、当時、ヴェルダ監督自身が50年以上も住んでいたフランス・パリ14区のモンパルナスの一角にある“ダゲール通り”に暮らす人々の日常を、ただ追っただけの作品。

狭い一角にある雑貨・香水屋を営む老夫婦から、パン屋、肉屋、美容室、カフェ及びカフェで開かれるマジック・ショーまで、次から次へと撮る対象が変わっていく。まるで映像を見てる側がこの通りを歩いて散策しているかのように。

店側と客の会話でこの通りの変わらない日常が伝わってくる。

この下町とそこに暮らす人々をそのまま記録するという観察眼とともに、ヴェルダ監督の愛ある優しい温かい視点を感じた。

雑貨・香水屋の、店主のお爺さんに付いて店に来て、接客するわけでもなく、ただ店に佇み、1日を過ごすお婆さんが気になった。

いわば退屈なフィルムだが、何故か目が離せなかった。


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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。

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