生きる力を取り戻し、人生を変えてくれた漫画の話(ぬらりひょんの孫)
今回は、私の生きる力を取り戻し、人生を変えてくれた漫画の話をしたいと思います。
私は、十数年前、過重労働によりメンタルを病み、会社に出社できなくなりました。
当時は、毎日終電まで仕事をして、休日出社もあたりまえの生活をして、読書どころかテレビで30分のアニメを見る時間すらありませんでした。
うつ病と診断され、休職することになりました。
最初の頃は薬が合わず、朝も昼も夜も、ずっと寝ていました。
起き上がることができるようになると、テレビの電源を入れるところから始めました。
そこでちょうど「ぬらりひょんの孫」のアニメのエンドカードが流れたのです。
切れ長の紅い瞳に、長い髪のとんでもない色気を放つ男。
それこそが、奴良リクオその人なのですが、その時の私の中には、アニメのタイトルが「ぬらりひょんの孫」という情報しかありません。
このイケメンが、主人公で間違いない?
このイケメンのおじいちゃんが、ぬらりひょんなのか?
ということはつまり、これって妖怪の話なのか?
と、ここまで考えてから。
「ああ、一目惚れとはこういうことなのか」と思い至り、ネットで検索しました。
買うしかない。
何て言ったって、一目惚れだ。
アニメのエンドカードしか見てないから、内容や設定なんてタイトルから想像することくらいしかできないけど、買うしかない。
そして本屋さんに走り、平積みされていた漫画を片っ端から買い物かごに入れ、レジへ一直線。
大人買いというやつです。
ふつう、うつ病は気力が著しく低下するらしいのですが、私は実はうつ病ではなく双極性障害(躁うつ病)だったので、本当の意味でそう状態だったのだと思います。
とにかく買ってきた漫画を読み始めました。
面白い!とんでもなく面白い!!
主人公・奴良リクオは人間であり、妖怪でもある。
昼と夜で姿は変わるけれど、胸に秘めた信念は同じ。
でも、言葉や行動の表現の仕方が違うから、そのギャップにとんでもなく惹かれ、夢中になりました。
そして、彼を未来永劫守ると誓い、ともに戦うヒロイン・雪女の氷麗(つらら)の健気ないじらしさ。
私の大好きな、健気で、一途で、一生懸命で、可愛い(そして髪の長い)女の子。
ドハマり確定です。
(去年11月に、15周年記念PVが発表されましたが、これがまたかっこいい!!)
「ぬらりひょんの孫」は、バトル要素のある少年漫画です。
それでも、私はつららの恋を応援したくて仕方なくなってしまいました。
生まれた時からお世話をしている主に、恋をしてしまう。
禁断極まれりです。
年の差や主従といったハードルもあるのに、さらに奴良家の男は妖怪とは子をなせない呪いをかけられているのです。
つららは雪女、妖怪です。
もし恋が実っても、愛するひとの子どもを抱くことができない。
しかも、リクオは奴良組三代目総大将となる男。
後継者が必要な立場です。
「ぬらりひょんの孫」にはヒロインが3人います。
一人目は、私の推しの、雪女のつらら。リクオのお世話係兼側近で、お弁当製作係。
二人目は、幼馴染の家長カナちゃん。怖がりの美少女。
三人目は、陰陽師の花開院ゆらちゃん。TKGが好物の戦える女の子。
つららの恋はどうなるのか!?
そして、リクオの気持ちは…!?
リクオのつららを見る視線は、凄く優しいなぁと感じます。
でも、他のヒロインともそれぞれフラグを立てているようにも見える。
これからどうなるんだろうと、ネットで考察を検索し始めた時、たまたま二次創作という概念を知りました。
当時、ブログやサイトを作って小説やイラストを投稿しているファンが多く、「リクつら(リクオ×つらら)」というカップリングが好きな同志が沢山いることが分かりました。
次第に、自分も書いてみたいと思うようになりました。
それは、原作に不満があったわけでも、ダメ出ししたかったわけでもなく、「こうなったらいいな」という妄想をカタチにして、同じ趣向のファンと共有したいという想いから湧き出た衝動だったのです。
結果的に、これまでwebとオフ本合わせて100万字くらい、二次創作のリクつら小説を書きました。
でも、どんなに書いても、書くのが楽しくても、心は満たされませんでした。
どんなに妄想を広げて二次創作をしたとしても、真の満足は、原作でしか味わえないのです。
それを象徴する出来事として、「ぬらりひょんの孫」の最終巻である25巻の「おまけのおまけ」という番外編で、リクオがつららにキス未遂する、という大事件が発生しました。
それまで感情を表に出さず、のらりくらりとしていたリクオが、自ら起こした行動は、とんでもなく衝撃的でした。
生きていて良かった。
心からそう思いました。
この瞬間のために、私は生きのびた、と。
今は元気に働いていますが、10年以上経っても、双極性障害で通院しており、薬も服用中です。
ファン心理とは強欲なもので、生きる気力が少しでもあって、ちょっぴり燃料を与えられると、浅ましくも、もっと欲しくなります。
現在、作者の椎橋寛先生は、ウルトラジャンプで「岩元先輩ノ推薦」を絶賛連載中です。
去年、「岩元先輩ノ推薦」の連載を中断して「ぬらりひょんの孫~陰~」を短期連載すると発表された時、「岩元先輩ノ推薦」の休載の寂しさと「ぬらりひょんの孫」との再会の嬉しさの間で、葛藤しました。
「岩元先輩ノ推薦」も大好きなので、先生が2人に分裂すればいいのに、と本気で考えました。
「ぬらりひょんの孫~陰~」では、リクオとつららに特筆すべき進展は描かれなかったのですが、つららがリクオの着替えをデフォルトで用意していたりしているのを見ると、相変わらず仲いいんだな…とほっこりしました。
その2つの想いが、今の私の生きる活力になっています。
蛇足かもしれませんが、「ぬらりひょんの孫」アニメは、音楽も素敵です。
OP曲、ED曲、どれもいいのですが、キャラソンもとっても素晴らしいのです。
私はつらら推しなので、「雪女」のキャラソン目当てでCDを購入しました。
つららのキャラソン「いつもそばで」は、とっても可愛くて素晴らしかった!
カップリング曲の「3つの翼」の三羽鴉も、凄くかっこいいんです。
たまにオフ会などでカラオケに挑戦しては、難しくて撃沈しています(泣)
このCDに収録されているミニドラマもテンポがいいし面白くて、お絵かきする時などによく聞きます。
原作で、つららと三羽鴉の絡みがもっとあったら良かったな…と思ってしまいます。
漫画やアニメ、ゲームや映画の画像を貼って、そのシーンの紹介や感想を書かれている記事をちらほらと見かけました。
その方が分かりやすい記事になるだろうけれど、無断転載になるのではないかと思うので、私はできません。
リクオとつららのエピソードを、言葉で上手く説明できなくて、凄くもどかしいのですが…。
あるいは、noteでは許されているのか?とも思いましたが、そんなわけはないですよね…。
まだ、noteの作法をあまりよく分かっていませんが、原作者や出版社の権利を侵害しないように、気を付けたいと思っています。
なにかやらかしていたら、こっそり教えていただけると嬉しいです。
次回は、今回と同じ椎橋寛先生の「岩元先輩ノ推薦」について語りたいと思います。