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最近読んだマンガ

マンガを読む、となるともっぱら最近はKindleで読んでいます。

もともとあまりマンガを読む方ではなかったのですが、周囲にマンガに詳しい方がいらっしゃったり、おすすめのマンガを教えてくれたり。あとは、いつも立ち寄る本屋の文庫エリアに置かれている、講談社まんが学術文庫を手にとってみたりと、マンガを読む機会が増えました。

そんな中で最近(?)といってもここ2年位で読んだマンガを何作かご紹介したいと思います。

(ちなみに、下記のリンクはすべてアソシエイトリンクにしているので、気になる方はご自分で検索してください。)


1.ゾンビ×SF×群衆心理=『アイアムアヒーロー』

一番最近読んだマンガです。読み始めたら止まらなくこと間違いナシ。

教えてくれた友人には、「第一巻はつまらないのだけど、第二巻になったら面白くなるよ!」というふうに教わり、どうかなーと思いながら第二巻まで読むと、もう止まらなくなって4日くらいで全て読み終えてしまうくらいでした。

「ゾンビもの」のマンガです。冴えない漫画家を目指す主人公が、ゆっくりつ崩れていく日常に気づかず暮らす中、ある日突然ゾンビ化した人に溢れる世界に気づき、投げ出される。そこから主人公の冒険が始まります。

しかし、このアイアムアヒーロー、ただのゾンビものじゃありません。この作品は読んでいるうちに人間、特に共同体をつくりあげる人間の思考の働きを表現したSF作品だなぁ、と感じた作品です。

この世を早くして去ったSF作家、伊藤計劃の「ハーモニー」がコンピュータによる人々の思考の統一であるとするならば、アイアムアヒーローはゾンビ化するウィルスによる人々の思考の統一、というふうに読み替えられるのではないでしょうか。

おっと、書きすぎるとネタバレになってしまうのでこのくらいに。併せてぜひ伊藤計劃のハーモニーを読んで頂けたらさらに楽しめると思います。

SNSが流行る現代だからこそ、群集心理をトピックにしたSFも生まれるんでしょうね。

2.小難しい本でも、マンガだったら怖くない『講談社まんが学術文庫』

本屋では、古くから現代まで遺された名著、「古典」が文庫本になって売られています。

「岩波文庫 青(哲学・科学)」
「岩波文庫 白(経済学・社会学)」
「岩波文庫 黄(日本の古典文学)」
「岩波文庫 緑(日本の近代文学)」
「岩波文庫 赤(海外文学)」
「講談社学術文庫」
「ちくま学芸文庫」
「中公文庫」

また、最近ではハードカバーになった最新の科学を紹介する本を文庫にしたものが、ハヤカワ・ノンフィクション文庫や、草思社文庫などになることもあり、難しい内容に関しても簡単に手にとることができるようになりました。

そして、講談社学術文庫で出版されているもの、特に広く知られている名著が「まんが」になったものが、「講談社まんが学術文庫」です。

マンガでちゃちゃっと4000年

がキャッチフレーズです。もちろん、このまんがを読んだだけで知ったつもりになったり、引用したりすることは危険なことですが、自分の専門でないものを知る機会として大変役立つ上に面白いまんがです。

特に、おすすめは、

ベンサムの『最大多数の最大幸福』

マルクスの『資本論』

ルソーの『エミール』

ル・ボンの『群集心理』


以上の四冊です。有名であるものの、なかなか手にとって読み進めることができなかったものの数々。概要を知ることのできる講談社まんが学術文庫に感謝しています。。

特にエミールに関しては、「多くの教育者が持っている本だが上中下全てを持っている人は数少ない」と言われるほど最後まで読むためには大変な苦労を要するものです。

3.小説版の連載も始まった手塚治虫のSF大作『火の鳥』

言うまでもなく、手塚治虫先生のマンガの中でも名作中の名作、『火の鳥』

様々な時代の様々人間。過去も未来も現在も、万物は流転し円環の中にあるという壮大なストーリーが描かれています。

火の鳥のすごいところは過去だけでなく『ロボットが人間化する』世界が描かれていること。

ここで取り上げられるのは『ロボットが人間だと主張するが、「死なない」ことによって人間とは認められない』という問題です。

平安時代を生きる人間、現代を生きる人間、未来を生きる人間。

火の鳥は「人間とはなにか」という問いを人々を見守りながらも人間に問い続けるのです。


読んだマンガはこれだけではないのですが、特に印象に残った3つをご紹介しました。ぜひみなさんも読んでみてください。

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