【生きるための学びを!】「世界はひとつの教室(サルマン・カーン著)」を再度読んで
こんにちは!
最近は、サッカーの記事ばかり書いていました。久しぶりに教育の記事を書いてみようと思います。
カーン・アカデミーの創設者サルマン・カーン氏の「世界はひとつの教室」を読み返してみました。
再度読むことで新たな発見と言うべきか、紹介したい考えがあったので、共有したいと思います。
そもそもカーン・アカデミーご存知でしょうか?
親戚の子のために数学を教える動画を作成し、それを契機に体系化していったサービスです。
マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏も熱心なファンで、資金提供を行っています。
私は自身の英語と数学の学びに英語版のカーン・アカデミーを利用しました。
日本語版でも提供がありますが、英語版の方がコンテンツが充実しています。
では、書籍の印象に残った内容を紹介します。
「学び」とは何か(P.53)
「自分の意志で学ぶ」。素晴らしい言葉です。やらせる学びは結局、人のための学びであり、自身の学びとは言えません。
教育の産業化に伴い、いつからか学びが「自分のための学び」から遠ざかってしまっていると感じます。
「生きるための学びを!」と掲げていますが、夢中になれる学びの経験を子供たちだけでなく、大人も体験できると大いに成長に繋がっていきます。
慣習を疑う(P.68)
現在の学校のシステムは1800年代後半のプロイセンのモデルをもとに発展しているそうです。日本には明治維新後に欧米の発展をもとに輸入されてきました。
6-3-3制が定着して長いこと経ちますが、高校への進学率が99%近い現在、果たしてその制度の継続の意味は何でしょうか?
現在の日本の教育システムもアメリカ人の著者が書いている内容と同様に巨大な産業に支えられ、依存していると言えます。
学歴ならぬ「塾歴」(おおたとしまささん)という状態を生み出している現在の状況が子供たちの「本当の学び」を阻害していると懸念しています。
ただし、ここまで巨大な産業化した現在、社会の仕組みを変えることは現実的には難しいです。できるのは各家庭レベルでのアプローチになりそうです。
創造性に貼られるレッテル(P.101)
著者(カーン氏)はテスト自体を否定しているわけでもなく、慎重にデザインされたテストであれば、有効であると主張する一方で、「ふるいにかける手段としてのテスト」の弊害を主張しています。
日本の入試もまさに「ふるいにかける手段としてのテスト」となっています。AO入試が増えている一方で、既存の入試方式は根強く残っています。
今後、こうした方式がどう変わっていくかは分かりませんが、本当の学びのために、変化していくことを切に願います。
夏休みを見直す(P.204)
日本の著名人の中にも、夏休みの弊害を説いている方がいました。
何も一斉に休みを取る必要もないですし、夏休みを狭めて、平日の授業時間を減らすということもできそうです。空調も以前に比べれば普及していますし、プールなどもほとんど使っていなければもったいないと言えます。
※空調が完備されていないとさすがに夏休み廃止は現実的ではないと言えます。
現在の教育システムへの批判をつらつらと書いてしまいましたが、子供たちの可能性を最大限に広げたいという思いもあり、当書籍を紹介しました。
示唆に富んだ著書となっていますので、これからの学びを考える際に興味深い一冊です!
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