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カオスな祭り、精霊祭り

青年海外協力隊として住んでいたラオスでは、ラオス北西部のサイニャブーリ―県の県都サイニャブーリー郡に住んでいた。

この県は、特に観光地も無いので、観光客はもちろんのこと、住んでいる外国人もビジネスで来ている中国人・タイ人・ベトナム人くらいだった。

しかし、このサイニャブリー県の県都では、ラオスでもここにしかない、不思議なお祭りが存在している。観光ガイドにも、ネットにも、記載されているのを見たことがない、まさに「知られざる」祭りである。

「ピーコーン祭り」

日本語に訳すと「精霊祭り」

タイに詳しい人は類似した「ピーターコーン祭り」というのを思い浮かべるかもしれない。


オバケみたいで奇妙な精霊のお面をかぶって、パレードをするお祭りである。
タイのお祭りとあるが、実はラオスのサイニャブーリー県の中南部でも、この「ピーターコーン祭り」は開催されている。

しかし、この名前の類似する「ピーコーン祭り」
こんなかわいらしいお祭りではない。

まずは、この写真を。

「ピーターコーン」と比較すると「ピーコーン」は、精霊というより鬼…。
この精霊は、パレードをするわけでは無い。
※音量注意

お寺の敷地内で、子どもたちが精霊を挑発(?)して、子どもたちに精霊が襲いかかってくるというのを1時間くらい繰り返す、超カオスなお祭りである。

混み合ってる中、子どもたちが転倒したり普通に危険なので、日本だと規制かかりそうなレベル。

このカオスなお祭り「ピーコーン祭り」にも、ちゃんと物語がある。

そもそも、ラオスは仏教国でありながら、ラオス人は精霊信仰でもある。
このお祭りが行われる1、2月は、稲狩りが終わった後のタイミングで、次の年の豊作を願い、山から精霊がお寺にやってきて、お寺でお祈りを捧げてくれるのである。お祈りは3日間連続で行う。
山から降りてお寺でお祈りし、山へ帰るという流れを2日間行い、最終日の3日目は山へ帰らず、川を下ってそのまま姿を消すというストーリーになっている。

お寺で祈りを捧げる2体の精霊

そんな山からわざわざ下りて、豊作を祈りにきた精霊たちに対して、お寺の敷地内で子どもたちが騒ぎ立てるのである。
実は、一番の見どころともいえる子どもたちが騒ぎ立てること自体はただのエンターテイメントらしい。

最後に、肝心のいつこの祭りが開催されるのか、ということについて。

なんとも商売っけのないラオスらしいと思うのだが、毎年、1月中〜2月中のどこか3日間で、日程が決まるのが、なんと12月くらいという、普通の観光客では、狙って見にいくのが不可能なスケジュール感。

ラオスのローカルに住んでいたからこそ、見にいけた奇祭。ほんとうに良い経験だったと思う。また、いつかこのヤバいお祭りを見に行きたい。

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