目の前のことをどう感じたかが大切なんだよ


最近、仕事仲間の先輩からのひとことが、引っかかってしまう。

まるで、指先のささくれが、髪をかき上げるたびにちくっとするような感覚…。

「もうあの人とは距離を置いて付き合おう。」
そう思っては、また小さく傷つく。

そんなことがあったモヤモヤしていた夜に、友だちからの電話。
お互いの近況報告のあと、ついポロッと愚痴がこぼれてしまった。

彼女は、いつものように明るい声でこう言った。

「先輩の言葉は一旦置いといて、あなたがその時、どう感じたかということだけに、ちゃんと向き合ってみれば?」

相槌に困る私に、彼女はこう付け加える。

「何かしら引っかかることを言われて、もしあなたの心がざわついたら、それは真実ではないということね、本当のあなたはそうじゃないってこと。そして、それをあなた自身が認めてあげれば良いだけなの。」

そして、彼女は小さく笑いながら
「もし今度そんなことがあったら、試してみて。」
と電話を切った。

窓から月の光がテーブルを照らしていた。
モヤモヤはいつの間にか消えている。
『次の休みは、早起きをして美術館へ行こう。』
そんなことを考えながら、私は夢の中へ吸い込まれていった。



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