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手帳が好きすぎる人が理想の手帳を求めてオリジナルの手帳を作っちゃった話

「条件を全部満たす手帳がなかなか見つからないんだよね」

今から10年ほど前。
なじみの焼き鳥屋のカウンター席。

幼なじみとのいつものサシ飲みで、大好きな日本酒をすすりながら何気なくつぶやいた。

筋金入りの手帳好きの私は、7月になるといつもそわそわしはじめる。8月から次の年の手帳が店頭に並びはじめるからだ。

最初に持った手帳は『なかよし』の付録だった。キャラクターが描かれた薄ピンクのかわいい表紙。開くとほんのり良い香りがしたことを今でも覚えている。

それ以来、手帳を1冊も持たなかったという年は1度もなかったように思う。

高校生や大学生の時はヒマをいいことに、店頭に次の年の手帳が並び始めると、文房具売り場で何時間でも新しい手帳の見本をながめた。

……話を戻そう。

「作ればいいじゃん」

印刷所に勤める幼なじみは事もなげに言った。

「え、作れんの?」
「毎年、自分で作った手帳を製本しに来る人いるよ」

まじかい。
手帳って個人で作れるんだ。

でも、その時は(いや、しかしめんどくさいな……)と思って作らなかった。

私にとって手帳を作る壁は大きく2つだった。

  • デザインソフトが使えない、デザインスキルがない

  • 印刷コスト

なんせ、手帳を作るには結構たくさんのデータを正確に作る必要がある。
印刷に対する知識が乏しく、イラレもフォトショも使えない私が入稿データを作るのはあまりにも時間も気力も足りなかった。少部数となれば当然印刷代も高くなる。

その時は断念したものの

「いつか自分の手で手帳を作ってやる」

そんな野望を持つことになった。


Canvaという最強ツールとの出会い

Canva、お前がいなきゃできなかったよ

その会話から約10年。
わたしは夢中になってパソコンに向かっていた

「やば。何このソフト、天才では……」

デザイン作成ソフト『Canva』との出会いである。

『Canva』とは簡単な操作と、豊富な素材、テンプレートで、素人でもそれっぽいデザインが作れるスーパーソフトだ。

中央揃えや均等揃えもオートでガイドが出るからレイアウトも楽々。
とにかく「名刺やスライドやチラシを自分で作りたいけど、スキルが……」っていう人は一度使ってみてほしい。

最初は他の方が公開しているテンプレートをアレンジしてフォーマットを使っていたが、色々なものを自作しているうちに徐々に自分でいちからデータを作れるようになっていった。

え、ペーパーバックで手帳も作れるの?

解決策は思いもよらぬところに

以前、kindleを販売する際に登録画面で見かけて気になっていたこのチェック欄。

「コンテンツが少ない本 (日記、ノートブック、スケジュール帳など) 」

KDP出版登録画面

え、もしかしてkindleって手帳も出せるの?

そんな疑問を持っていたら、アッキーさんからkindleのペーパーバックでオリジナル手帳を作る方法を紹介していただく機会に恵まれた。

アッキーさんも大の手帳好き。私をさらに上回る5冊以上の手帳を使い分ける猛者だ。

調べてみると、日本だとまだ少数派だが、海外だとkindleでオリジナルのスケジュール帳やノートを出版している人は結構いることがわかった。

ペーパーバックなら一冊から印刷してもらえる。
以前、kindle本を出版したからアカウントはすでにある。
しかも、趣味でペーパーバックまで作っちゃったから、ペーパーバック作りのノウハウもある。

なんだか、頭のなかで「カチッ」とピースがはまった音がした気がした。

手帳好き、オリジナルの手帳を作る

作ると決めてからはとっても早かった。

もともとデザインソフトをいじるのは大好き。
欲しい手帳のデザインは頭の中で固まっている。

寝食を忘れて試作品を作り、サンプルを発注。

ポストに届いたサンプル入りの封筒を部屋まで持ち帰るのが待ちきれず、その場で開封した。

「自分が作った手帳が製本されてる……!」

なんでもないシンプルな表紙が、なんだか輝いて見えた。

かねてから抱いていた野望
「自分のオリジナル手帳を作る」
が叶った瞬間である。

エピローグ

「あー……名前をつけなくちゃいけないのか」

ずっと「自作手帳」と呼んできたが、登録にあたって名前をつける必要があるらしい。思いもよらず商品名をつけないといけなくなってしまった。

思いつきから10年の時を超えてできた自分で作ったオリジナルの手帳。

大げさな名前でちょっと恥ずかしいけれど、

「大好きなゲームのように楽しく、クエストをクリアするように夢を実現させたい」

という思いを込めて『Vision Quest Note(ビジョンクエストノート)』と名付けた。

あなたの毎日を夢を叶える冒険に。

この手帳があなたが豊かな人生を送る一助となったらうれしいです。

手帳のコンセプトや細かい仕様はこちらのページからご確認いただけます。
https://note.com/preview/n51d1b4eb427d?prev_access_key=eebc10bcf1b4f111532872e9137717d8

こんな本も書いてます。

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最後までお読みいただきありがとうございました。何かのお役に立てれば幸いです。