海外経験ほぼゼロのアラサーHSPがイタリア一人旅に挑戦してみた ②移動編
今回のテーマは「移動」。前回の記事とまとめる予定でしたが、ドラマが多すぎたので独立させました。
前半は「飛行機」、後半はベネチアでバスとして使われる「船」についてです。
🛫飛行機のルート
出発の朝、早起きできたことを褒めたたえながら、飛行機のルートを確認します。
日本ーベネチアの直行便はほとんどなく、わたしはミュンヘン(ドイツ)で乗り継ぎました。ミュンヘンまでは「ルフトハンザ航空」、ベネチアまでは「エアドロミティ航空」を利用。
このルートにしたのは、乗り継ぎが2時間弱と短かったからです。他は5〜10時間以上かかるものばかりでした。
帰りは大阪直行便がなく、東京経由となりました。
エコノミーシートで快適にすごすコツ
今回はこんな条件でした。
機内で快適に過ごすポイントのなかから、おすすめを4つお伝えします。
💡行きと帰りで、それぞれ一番気をつけたこと
行きは「体の疲れを最小限にすること」に気をつけました。せっかくの海外初日にヘトヘトだと台無しですからね。飛行機を降りた直後に、1時間の船移動が待っていたこともあります。
対策のおかげで筋肉の疲れはほとんどありませんでした!
帰りは、なによりも「時差ボケ対策」を大切にしました。といっても少し失敗しまして……
「行きは14時間かかった。で、帰りは次の日の朝に着くのか。じゃあこれくらいの時間に寝ればOKだろう」
しかし予想より早く機内が暗くなりました。あとから知りましたが、西から東へ移動するときは、偏西風の影響でフライト時間が短くなるのですね。
眠れはしたものの、2〜3時間おきに目覚めることに……。寝る時間を調整するため、あえて動画を見ており、目がさえていたんですね。皆さまもお気をつけください。
💡ゆるくて温かい服装
機内ではスウェットのようなゆるーい服にしたので、ゆったり過ごせました。ただ、冷房がかなり強く……ストールやブランケットを使ってもまだ寒かったです。帰りはヒートテックとインナーダウンもプラスし、快適でした!
足は着圧ソックスにしました。次にお伝えする「運動」の効果もあり、飛行機を降りたあとも足のむくみゼロでしたよ。
ビーチサンダルも使いましたが、指が分かれているタイプにしてしまい失敗。ソックスとの相性が悪すぎる……。(ホテルでスリッパとして使うときは裸足だったので、重宝しましたよ!)
💡なるべく動く、ほぐす
前回お伝えしたように、持っていったマッサージボールをこまめに使いました。まわりの迷惑にならない程度に腰、肩、足などをほぐしたのです。
2〜3時間おきにトイレへ行くようにもしました。行きたいかどうかは関係なく、それくらいの頻度で立つ、座るようにしたんですね。顔にオイルやクリームを塗ったり、歯磨きをしたり、わりとやることがあるので一石二鳥でしたね。
💡乾燥を防ぐ!
こちらも前回お伝えしたマスクが効果的でした。
実はブランケットを被って寝るのも試してみたのですね。イヤホン、マスク、アイマスク……となると耳元にものが多くなるからです。
しかしわたしは、のどを痛めてしまいました。行きも帰りも、機内の寒さや乾燥レベルは同じだったので、原因はマスクの有無かと。次はブランケット、マスクをあわせてみたいですね。
ちなみに、のどあめも良かったです。乾燥対策はもちろん、食べかすを気にせず小腹を満たせてよかったです。
余裕のなさと思い込みに気をつけよう
乗り継ぎの、ミュンヘンでの出来事です。
日本ーミュンヘンは、なんと遅れゼロ!また、14時間ほどのフライトとはいえ足腰は元気で、少し酔ったくらいでした。
ベネチアまではあと一歩です。乗り換えに使えるのは2時間ほどだったので、さっそくゲートへ向かいました。
お洒落なミュンヘン空港。わきたつミーハー心。
お土産屋さんやカフェをブラブラし、ゲートが閉まる15分前にようやく到着です。さわやかなドイツ人スタッフの入国審査をうけ、いざ、搭乗!
しかしそこに飛行機はありませんでした。
……???
!!!
ターミナル移動が!あるタイプ!!!
「ミュンヘン空港はそれなりに広くターミナル移動もあるから、ゲートの場所によっては時間がカツカツだよ!注意してね!」
なんて、ヨーロッパ1回目の人間にはレベルが高すぎました。
ターミナル移動の電車に乗ったときには、ゲートクローズの時間を5分過ぎていました。ターミナルへ着いた瞬間、1つ上のフロアにあるゲートへダッシュします。
1つ上のフロアに着いた!けど目的のゲートがないよ???
そう、「出発時間に間に合ってくれ~~~!」という願いはいつしか、「1つ上のフロアにいけば目の前にゲートがあるはずだ~~~!」というびっくりするほど都合のいい思い込みに変わっていたのです。
目的ゲートはものすごく遠かったのでした。もはや出発まで5分。ほかの乗客のみんな!!フライト遅延させたらごめん!!!!!
胃からのSOSを抱え、爆走。
……よし搭乗ゲートだ!無事に通過!その先には飛行機……ないんですけど~~~(泣)
それどころか道案内すらない、真っ白な建物に放り出されました。
しかたなく「道といえばこれしかないし……」と近くの階段を下ります。2階くらいから渡り廊下みたいなものを歩いて乗るイメージだったので、階段を降りるはずがないと思っていたのですね。
階段のむこうには、バスがありました。
チケットに書かれていたのは飛行機の出発時間ではなく、「飛行機の入口に移動するための、バスの時間」だったのです。日本でも広い空港だとありますよね。
わたしのあとにも、何人もの方がバスにのんびり乗ってきました。
乗り継ぎ時間はもう少し余裕をもつといいこと、時間がないと人は思い込みにとらわれることを学びました。
カタコト英語を恐れるな!勇気を出してまわりを頼ろう
今回の旅では、見知らぬ人にたくさん助けてもらいました。わたしのようにつたない英語だとしても、まわりを頼ってなんぼだと思います。
移動中に「まわりに頼ってよかったな〜!」と思うエピソードを4つご紹介します。
✨️クールビューティ道案内
行きのミュンヘン空港にて、「遅れる~~~~!!!」とターミナル移動のための電車へ走ったものの、目の前で発車。駆け込み乗車しようとした目の前の二人組はスタッフさんに怒られていました。すみません、わたしもやりかけました。
……イタリア目指してドイツに置いてきぼり……?
泣きそうな顔でスタッフさんに尋ねると「5分に1本くるから安心して。一駅乗って、一つ上の階へ登ればいいわ」と的確かつクールに教えてくれました。わたしが乗車後にもう一度「一駅乗って、一つ上の階よ」と念押ししてくれました。やさしい。
✨️ベテラン教師みたいな暖かさ
出発時間ぎりぎりに乗り換えゲートへたどり着き、スタッフさんにチケットを見せたときのこと。
「本当に本当にすみません間に合いますかね!!??」
「大丈夫よ!グレイト!!!」
チケットを見せただけで開口一番に褒めてくれ、その暖かさと力強さにほっとしました。実際には、グゥゥゥルゥェイト!というプロレス実況ばりの舌の巻き方だったので、「イタリアの航空会社に乗るんだなあ」とわくわくもしました。
✨️まぶしいスマイルと日本語
帰国後のお話です。羽田から大阪へ向かうため、わたしは手荷物検査所に来ていました。
どうしよう、水を捨てる場所がない。
帰りの機内でミネラルウォーターを配られたものの、飲んでいませんでした。このまま手荷物検査を受ければ、液体持ち込み制限にひっかかります。500mlを一気飲みする自信もありませんでした。
近くに外国人のスタッフさんを見つけます。ここ数日、カタコトとはいえ英語を使う機会のほうが多かったので、とっさに英語で「水、どうしよう??これじゃ乗れないよね??」と尋ねました。
ペラッペラの日本語と最高のスマイルで「大丈夫ですよ!」と返されました。
えっこの人本気で言ってる??と疑っていたもののゲートをあっさり通過。おのれの勘違いを思い知ります。
国内線は飲料を持ち込んで大丈夫なのですね。利用したANAはもちろん、JALにも似たようなことが書かれていました。
✨️となりのマダムとおしゃべり
配布されたイヤホンの使い方がわからず困っていた時に、となりの席のマダムが助けてくれました。
そこからいろいろと話しました。
バカンスのため夫婦で来日したこと、日本全国をまわったこと、すき焼きが大好きになったこと、これからドイツへ帰るのだということ。
わたしはカタコト英語だったので、マダムはゆっくりかつ簡単な単語で話してくれました。イタリアへ行くと伝えると「いいわね!イタリアはきっと温かいわ。ドイツは今は寒いのよね……」
なんてことない会話がとても楽しかったです!
ちなみにこの後ミュンヘンで、気温8℃を経験しました。
まさか!羽田乗り継ぎ事件
これは少しレアなケースかもしれません。
ようやく帰国し、羽田へ降り立ったわたし。
言葉も、人も、看板も……日本だ……!!!イタリアより10℃以上高い真夏日だということすら、うれしい。もう大丈夫!安心200%!
自宅がある関西へ向かうため、国内線へスーツケースを預けにいきます。
到着するやいなや「フライト◯分前を過ぎたため、こちらでは受付終了しています」ーー同じ便から降りてきたサラリーマンも全く同じ状況のようです。
時計を見ると、到着予定時間をずいぶんオーバーしていました。イタリアやドイツでの遅れの影響でした。
スタッフさんの指示通り、スーツケースの自動預け機へ向かい、チケットをかざします。それなのにチケット。なぜ君は全く反応しないのだ。
焦りまくるわたしに「大丈夫、フライト開始まであと10分ありますよ!」と落ち着かせてくれたスタッフさん。あなたが聖母に見えました。
なんとか荷物を預けターミナル移動バスに乗り込んだものの、
「停車ターミナルが2つある……?」
降りるターミナルがわからなかったのです。あわてすぎてスタッフさんの話をほとんど聞き流していたのですね。
ぐんぐん進むバス。焦るわたし。
1つ目のターミナルについた瞬間、勇気を出して尋ねました。
「あのっ、あなたは大阪行きに乗りますか?」
「??はい。……??」
「◯◯ターミナルで合っていますか?」
「は、はい」
先ほどのサラリーマンに問いただします。目を丸くしながらもきちんと答えるリーマン。
ふつう運転手さんに聞きますよね。おどろかせて本当にすみませんでした。10時間以上のフライト、時差ボケ、焦りで、疲労がピークだったのだと思います。
サラリーマンのおかげで無事に羽田を出発し、大阪へ到着!
教科書みたいな景色も見られ、たまには東京ー大阪を飛行機で移動するのもいいなと思ったのでした。
⚓️ベネチアでは船を使いこなしてなんぼ
ここからは、ベネチア市民の足である「船」のお話を。
ベネチアでは船を使うのが基本です。水路の発達と橋の多さゆえに、自転車やバイクすら全くありませんでした。車や電車が入れるのは島の入口の大きな広場までです。
船にまつわる失敗談や、準備して良かったことをお伝えします。
💡空港からホテルまでどう行くか
ベネチア・テッセラ空港(マルコ・ポーロ空港)からベネチア本島のホテルまでは、1時間ほど。行き方は「船」または「バス+船」の2択でした。
乗り換えで迷いそうだったので、今回は船にしました。
まずは、空港で船のチケットを買います。預け荷物受取の近くに自販機、空港出口あたりに窓口がありました。自販機は使い方がよくわからず、窓口へ向かいました。
もう20時近くなのに窓口が開いていてラッキ~!と思いきや、カードの読み取り不良でチケットが買えず。
なんとか解決しましたが、いざという時の参照資料を用意しておくほうがいいです。「空港でだまされた!?海外コワイ……」と、わたしのようにトンチンカンにならなくて済みます。
ちなみに船のチケットは船乗り場のすぐ近くにもありました。どの船に乗ればいいかもスタッフさんが教えてくれますよ。ただ、空港出口~船乗り場までは少し遠く、動く歩道を何本か歩いた先にあります。
💡乗り物酔い
ベネチアへ着く頃には人生でトップ3くらいに乗り物酔いしていました。ミュンヘンで全力疾走のあと、ベネチア着陸時に悪天候でかなり揺れたためです。
そして今から船に1時間乗るのかわたしは。
ベネチアに降り立った瞬間、思い出しました。子どもの頃からやたら車酔いをしたり、ブランコですら酔ったりしていたことを。
恐怖でしかなかったものの、車+船で乗り換えミスする恐さに比べたら……と船に乗り込みました。うわあ乗り込む時点でめちゃくちゃ揺れるじゃん????
海と風の気持ちよさ、観光気分の盛り上がりによるハイテンションでなんとか目的地へは到着できました。
💡船の乗り放題チケット
観光客向けの「船の乗り放題チケット」というのがあります。ベネチアも、ヨーロッパでよくある「時間制」チケット。24時間チケットなら、最初にチケットを使ってから24時間は有効です。日にちをまたいでいてもOKなのですね。
1回きりのチケットもありましたが、乗り放題を買ってよかったです。なぜなら、トラブルでルート変更しなければならないときすぐ対応できたから。それと、予定していなかった場所へ気軽に立ち寄れたからです。
ある島へ行くとき、A→B→Cと、B駅で乗り換えが必要だったのですね。しかしB駅につくと、「C駅への乗り場は工事中です」とのこと!
近くにある別の駅まで歩き、ルート変更して事なきを得ました。ユーロが本当に高かったので、ほんの少しのこととはいえよかったです。
また、島での観光を終えたあと、別の島へふらっと立ち寄ることもできました。電車で途中下車する感覚です。
💡昨日通れた改札が、今日は通れない
観光のため船に乗ろうとすると、改札を通れませんでした。
「ここは市民向けの改札なの。観光客はあっち」
と、近くのマダムがジェスチャーで教えてくれます。観光客がよくミスしちゃうのかな、マダム、真顔だったし……と思いつつも、グラッツェ!と伝えました。
ニコッと笑顔が返ってきました。
**
帰国の日。空港へ向かうべく、わたしはふたたび船乗り場にいました。今度はしっかり観光客向けの改札にチケットをかざします。
反応せえへんがな。
何度トライしてもだめ。飛行機の時間もあるので、それはもう焦ります。
すでに改札内にいるお客さんが助けてくれても、だめ。スタッフさんに聞いても、英語が聞き取れず。
もう一人のスタッフさんが現れ、ようやく改札を通れました。
どうしてこうなったのか?
チケットは改札の小さな画面にかざします。が、なんと、画面を切り替える必要があったのですね。
ベネチアの船の運営会社は大きく2つ。「ALILAGUNA(アリラグーナ)」と「ACTV」です。わたしが数日前に使ったのは「ACTV」、いま使おうとしていたのは「アリラグーナ」だったのです。
ACTVはかざすだけ、アリラグーナは画面切り替えが必要だったのです。乗り場にもよるようなのですが、ご注意ください。
わたしより後に来た人も、同じように困っていたので助けました。思いがけず、ペイフォワードできてうれしかったです。
***
移動だけでこんなにエピソードが生まれるとは……。旅って楽しいね。
次はいよいよ最終回、③観光編!お楽しみに!