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【世界放浪記】タイ編

 今回は、海外の料理に興味を持つきっかけになった国「タイ」のこと。10泊11日の旅で、行った街は、ハジャイ、バンコク、メーホンソンです。タイは海外旅としては2カ国目に訪れた国で、未知のグルメに大きな遺跡にと、とにかく衝撃を受けまくりました。そんな話をできればと思います。


ハジャイでのビリヤニのはなし

 話がいきなり脱線気味になるんですが、私が一番最初にビリヤニの作り方を教わったんが広島の地元のインド料理店やったんですけど、こういうものです↓

 私は「白ビリヤニ」って言うとるんですけど、このお店は私が当時のメモを元に復元したレシピをそのまま採用してくださっています。ご存知の方も多いかも知れませんが、ビリヤニって基本的には黄色とか、白と黄色と赤のまだらとかのものが多く、とにかく真っ白ってあんまりないんですよね。ただ当時の私はそんなことは全く知らんのんで、ビリヤニって白いものっ勝手に思い込んでました。ほいでタイのハジャイに行ったときに、市場でビリヤニって呼ばれとる料理を見つけたんですが…

タイのビリヤニ

それがこの一番手前の黄色いチキンライスです。その時、私はタイのビリヤニって黄色いんや!ってびっくりしたんですよね。なんといってもこれが人生で二番目に出会ったビリヤニだったので、私の中ではインドのビリヤニは白いというのは揺るがず、「タイのビリヤニは黄色かった!」という、驚きを伴ったメモが当時の日記に記されました。ちなみにビリヤニの右側のものはグリーンカレーなんですけど、とにかく甘い辛いしょっぱいで味が濃く、日本で食べられとるグリーンカレーとは味が全然違ってこれまたびっくり!でした。実はこの味付けは、タイの南部料理と言われるものの特徴やったんですが、ハジャイという街は南部の中心都市で、こてこての南部料理が味わえる街やったんですね。このビリヤニも実はタイ米で炊かれており、より細長いインド米を使うビリヤニとは作り方や使用する食材など様々な点で相違点があります。
 ちなみにビリヤニに関しては、私がその後バングラディッシュとインドを旅したり、日本でインド人やネパール人と一緒に仕事をしていろいろ知っていくなかで、実は白いタイプのビリヤニはインド全体で見たときにはあまり一般的ではなく、東インドとバングラディッシュに多いということが分かってきます。当時、私がインド料理屋さんでバイトしていたときは、インドのことはおろか日本のことも全くと言っていいほど知りませんでしたので、インド国内での”地方差”の存在は知る由もなかったんですね。なので当時のコックさんにもどこ出身なのかとか、そこはどういった地域なのかといった質問をしたこともなかったんです。インド人はインド人としか考えれませんでしたので。

ハジャイでの朝ごはん

ハジャイのグルメに関しては、もう一つ紹介したい料理があります。ハジャイに到着した翌日の朝ご飯です。ハジャイには中国人の大きなコミュニティもあって、中国系タイ料理みたいなものもあります。これもそのひとつで、温かいライスヌードルなんですけど、丼の右上に四角いものがのっていますね。これ、実は生レバーなんですよ。朝、賑わっている麺屋さんを市場で見つけたんで、お店に入っておばちゃんに「おすすめをください!」って言うたら任せなさいっていって出されたものがこれです。ひと目見て生レバーが乗っとる…!っていうのは分かりました。これは食あたり必須と思いながらも食べたんですが、結果として食あたりにも病気にもなりませんでしたし、問題のお味はと言うと、それが実はかなり美味しかったんです。このお店はハジャイ一の大きな市場の中にあったので、この生レバーも引きたてで鮮度抜群やったんやないかなと想像しています。*(追記)…とずっと長いこと思うておりましたが、これは生レバーではなく、血を固めたものということでした。コメント頂きありがとうございました!

ハジャイの市場はこんな感じで超活気あります

バンコクで食べたもの

屋台のパッタイ

かなり安くて美味しかったです。ここは原材料や形状が異なる麺が5種類あって、好きなものを選べるっていうん面白かったことです。パッタイっていうと平たい米の麺で作る事が多いですが、他の麺で作ることもありますし、春雨で作るパッタイ・ウンセンっていうものもあったりします。

定番のタイのチャーハン

タイ米ってうまいんやな~って思いました。日本米とインド米以外の種類のコメに初めてしっかり触れて味わったんもタイでした。

バンコクで印象に残った食事のひとつ

コメの上にソーセージとルーローハンの具の部分と卵焼きの千切りが乗せてあります。左のはココナッツともち米のちまきみたいなデザートですね。このときのこの茶色い米ですが、正体がまだよく分かっとらんのんですよ…。秋にタイにも行くんで、確かめてこようと思います。

メーホンソンでの体験

 バンコクを出た後はチェンマイへ。夜行列車で行ったら明け方に着いてしまい、時間を持て余すことに。目の前におった駅員さんにオススメの観光スポットを聞いてみたんですが、するとメーホンソンがオススメと。駅員さん曰く、メーホンソンへは駅前からバスが出てるし、もうすぐ最初のバスが出るので、それに乗れば昼には着くとのことでした。今みたいにWi-Fiとかスマホとかなかったんでその言葉をそのまま信じてバスに乗ったんですが、メーホンソンに着いたのは夕方でした。8時間以上かかったんですね(笑)。そのときは知らんかったんですが、メーホンソンって場所的にはもうほとんどミャンマーなんですよ。写真の様に、お寺もタイでよく見る形じゃなくてミャンマー風ですし、人々の話す言葉もタイ語ではありませんでした。

メーホンソンのお寺。文化的にはミャンマーに近いので形状がタイっぽくない

 それでもまあせっかく来たしということで、翌日にメーホンソンの主なアクティビティでもあるジャングルトレッキングに参加しました。

メーホンソンのジャングル

 序盤は田園風景の田舎道の散歩でしたが、途中から浅瀬を濡れながら歩き、川を船で渡り、倒木の下をくぐったり、這うようにして急斜面を登ったりと難易度の高いアクティビティでした。当時は今よりもかなり運動して鍛えよったんで筋力も体力も今の十倍以上ありましたけど、それでもかなりしんどかったです。途中、滑って落ちたら死ぬみたいなとこもありました(笑)

メーホンソンで食べたお昼ごはん

 このメーホンソンにはタイヤイ族っていうミャンマー系の山岳民族の人たちがおるんですけど、その人達がベジタリアンなんです。話す言葉もタイ語じゃく、宗教も仏教ではなくて自然信仰でした。私が参加したトレッキングツアーのガイドさんがそのタイヤイ族の方で、その日のお昼ごはんも完全にベジタリアン食でした。発酵させた筍、発酵させた青菜、ひよこ豆の豆腐、酸っぱい葉っぱなど私にとって未知の食材がふんだんに使われた未知の料理でした。ベジタリアンだったからか、タイとは文化が違ったからか、大量でまず思いつくナンプラーも全く使ってなかったようです。ちなみにお皿代わりの大きな葉っぱですが、持ってきたわけではなくお昼ご飯を食べる場所でたまたま横に生えとったものをむしったものです。そして食べる前にはガイドさんが「精霊にお供え物する」と言い出して、自分たちの食べる分から精霊にお供えするものを少しずつ取り分け別の葉っぱに乗せて横に置き、手を合わせてお祈りをしていました。
 タイというひとつの国の中で地域によって住んでいる民族が違い、言葉も違い、宗教も違い、食べるものも違う、食事の食べかたすらも違うというのは、当時の私にとっては衝撃的なことで、私の食に対する興味を俄然沸き立たせるものでした。このような体験を、旅に出て2カ国目でできたというのは今考えるとラッキーだったのか、それとも必然だったのか。

次回は、日本での旅のお話をする予定です。

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