見出し画像

ギグワークと社長さん

ギグワーク・プロローグ

去年の春から夏に差し掛かる頃、勤務先から「副業・ギグワークの解禁」というタイトルでメールが来た。ちょうどその頃、人生で初めてInstagramを始めていた、45歳から46歳になろうという年に。
見ることにばかり専念していたせいか、AIが見事に当時興味のあったビッグデータ、AI、データエコノミーといった類のWebinarやオンラインExpo開催、などの広告がインスタ上にアンミカさんとか滝沢カレンさんの投稿の合間、合間に出てきた。副業とかギグワークを検索ワードにしてググって、NewsPicksで関連記事を読んだせいもあってか、翌日になるとインスタ上でとある会社のページが出てきた。

ビザスク

何の略だろうか。確か当時はWebinarについての案内かスキマ時間でお仕事しませんか、といったキャッチフレーズだったと思う。
本業もビデオ会議だけで、得意先にも行けないような状況で単身赴任してたのでちょっと何か始めようかと思い、ポチっとした。

知見と、挑戦をつなぐ

来た。本気だぞ。すごいダイレクトだ。日本最大級のスポットコンサル、とあった。「コンサルタント」、思わず声に出たと同時にそれまでだらしない姿勢でMacBook Proを見ていたのだが、知らぬ間に足を組んでいた。

ここで、頭の中で一気に何かが咲いたというか閃いた。

スポットコンサル(勝手に解釈)
・みんなコロナで困っている筈だからデマンドはありそうだ。
・時給とかの概念ではなくて、知見・知識・経験で依頼者(依頼企業)とアドバイザー(僕自身)とで等価交換出来そうだ。(それこそ商いだ)
・コンサルを通じて稼ぐというよりも全く違う業界・業種の方々と交流をして自分の会社のブランディングになるのではないだろうか。

行動は早いほうなのであっという間に登録等を済ませた。経営者の端羽(はしば)さんもとても快活で好印象でしかない。個人的には特に理系脳というか技術職の方は是非一度相談されているテーマや内容を一読していただきたい。さて、ここからは少々時短になる。

これまでのコンサル実績
・環境・エシカルに関して
・ベーシックインカム制度に関して
・兼業・副業・ギグワークについて
・アフターコロナの旅行需要について
・老後の資産形成について
・WEB会議サービスについて
・スペシャリティコーヒーについて
・DocuSignについて
・業務可視化サービスについて
・海外在住について

率直な感想としては、みなさんきさくで、品格があった。この場を借りて御礼申し上げます。1日足りとも働いていて無駄などないと思った。そして何よりもすごく勉強になったし、楽しく接することが出来た。と同時にかなりプロフェッショナルな副業だと思った。1時間しかないので、依頼内容について時系列に自分のこれまでの経験に基づいてロジカルに伝えないとあっという間に終了する。満足してもらいたいし、自分のことと何よりも勤務先と本社である欧州の国について知ってもらいたかった。

ここからが本題

先月、東北地方の経営者の方から、年々の人口減に伴い、顧客の増やし方について非常に悩んでいるというコンサルを担当させていただいた。これまでの依頼者の方々は都心部の人ばかりだったので、いつも以上にリサーチと分析と、それ以上に来月で10年になる東日本大震災の事がシンクロした。気がつくと当日の朝10時だった。

ど、どうしよう。

ポイントは以下にて纏めてはいた。

ポイントというか戦略
・会社所在地から1時間以内の周辺都市や街における可能性
・既存HPを活用したデジタルマーケティング
・e-Stat(総務省統計局提供のオープンデータ)による人口と年齢別居住者の割り出しからの可能性
・PushとPull型の展開の可能性

どちらかというと聞き手型コンサルのほうがこれまで時間内にうまく纏まったので、冒頭のご挨拶からしばらく話していただくようにリードした。「震災の後に亡くなった方がたくさんいて、お年をみるみると召されたりして顧客の数が今は400人以上減って・・・どうしたら何とかこれからまず200人の方を取り込めそうでしょうか。」だめだ今回は、目頭が熱くなるしちゃんと言葉が出ないかもしれない。「はい」とか「ええ」と応えるのがやっとだった。何とか話は出来、いろいろと僕から状況とか自分の思いを伝えたりしていくうちになかなか厳しい状況であることにも気づいた。なぜなら、周辺地域はあまり検討したくないというのと、価格は下げて顧客を募りたくないということが序盤に判明したからだ。

話しながらの練り直し
・周囲30分圏内のお客さんにターゲットを絞りたい。
・競合他社と価格面での競争は避けたい。(品質至上主義)
・既存のHPのPVの分析から突破口を探る。
・顧客層、ペルソナの確定。
・既存顧客からの新規顧客層(若年層)へのリーチ可否。
・半日(週末)でいいので30分〜1時間の圏内の地域へこちらから出かけてのテストマーケティング。

が、今回のご相談の勝利の方程式なのかなと話しながら頭の中である程度イメージと整理が出来た。そんなこんなであと10分、クロージングとなった。ここからがダメだった。またこみ上げて来た。コロナでこれまでのような経済活動や業務がスムーズにいかないかもしれない、でも今はデジタルというツールがあります。同時にお客さんの属性を把握する必要があります、特に若い方、若い方といいながら(若い人をなんとかしないといけないのは今の日本のミッションだし、去年だけでも大学を中退したり、都心部から地方に帰っていった学生の方のことを思った)いろんな思いがこみ上げてきた。コロナじゃなかったら次の週末に、社長さんに会いにいきたいな。今にも泣きそうな気持ちを堪えて、最後の結論を何とか話しきった。

自分なりの結論
・HPのPVの分析と、顧客の属性を把握するためにLP(ランディングページ)でアンケートを実施して、潜在的な顧客を確立してコンタクトを得てリードからクロージングまで実行する
・20代前半から40代半ばをこれからの新しい顧客層として、Life Time Value(顧客の人生の中でどんな付加価値が提供できるのかを考えて)パートナーとして関係性とブランディングを構築する。
・近隣の地域との関係性と新たな顧客の構築がある程度見えてきたら、もう少し遠方までこちらから出向いて、サービス・コンテンツやパイロット的なサービス・キャンペーンを展開する。その際必ずコンタクトを得る。
・事業のポートフォリオを再定義、再構築する。既存の事業やサービスだけでなく、アンバサダーや顧客からのフィードバックを尊重して、新たなビジネスの領域を探る。

最後に、「まだまだ厳しい天候が続くかと思いますが、ご自愛くださいね。」と言った時がピークだった。なんだろう、このなんか寂しい気持ち。やりきった感とかではなく、何とかもっと貢献したい、とか、必ず増えますからといった応援したくてたまらない気持ち。
僕は以前にビザスクでこんなことをアンケートの中で答えた。「都市部だけではなくて、是非このサービスを地方にも展開していただきたい。これからもしかしたら地方への人の流入が増加するかもしれません。これだけの知見や知識はもしかしたら地方では都市部以上に刺激になるし、実行するスピードは都心部よりも早いのではないでしょうか。人が減少している事実もあるので大手企業というよりも中小企業においては人財の生産性と効率化は肝だと推察出来ますし、知見の流通・共有は企業だけでなく、自治体にも必要とされることだと思いますので、よろしくお願いします。」もしかして今回の依頼はそんな気持ちを反映した第1号なのかな。ただただ感謝したい、マッチングさせてもらったことと、自分の知見が試し、試されたことに。

それから

その日は深夜まで資料を纏めて、社長さんへ送った。しばらくチェックしていなかったが、さっきHPを拝見したらいい感じに変わっていた。社長さんのページもあって可視化できるようになっているのを見たとき、またこみ上げてきた。社長さん、大丈夫ですよ、とてもいい顔してるから。今年の春はちょっと違うと思いますよ。そして、必ず家族連れて行きます。魚が美味しそうだし、行ったことのないところだし。僭越ながら、このつたないnoteを読んでいただいている皆さんにも伝えたい。主語をI(わたし、僕)にして発信して欲しい。継続すれば必ずつながるから。そして、これまでの経験や知見・知識を求めている人は必ずいますから。今日もお読み頂いてありがとうございました。おやすみなさい。

いいなと思ったら応援しよう!