【日記】 「書店という居場所」
ふと思い立ち、早朝から新幹線に乗って兵庫県の伊丹へ向かった。
目的地は、以前から訪れたいと思っていた書店、ブックランドフレンズ。
店主の河田さんとは10年以上も前から知り合いではあったが、
お店に伺ったことはなかった。
以前お会いした時に伝えた「いつかお店に行きます」という言葉を社交辞令にはしたくないなと思っていたので、ようやく念願が叶い、少しだけほっとした。
入り口のドアを開けて中に入る。
噂にたがわぬ、素敵な書店だった。
本が好きな店主が、本を好きな人のために営む、
居場所のようなお店。
でも決して入りにくいことはなく、
ふらっと入ってきた人をも本好きにしてしまうような、
風通しの良さもある。
お店の常連さんも交えながら、たっぷりと本談義に花を咲かせ、
充実した時間が過ごせた満足感をお土産に、東京に戻った。
そして今日の伊丹弾丸ツアーを振り返り思うことがある。
これは「思いきって行動してよかったね」で終われる話ではないのだ。
僕の念願が叶ったのは、僕が行動したからではない。
河田さんが今日も変わらずに書店を続けてくれていたからだ。
お店がなくなってしまえば、いくら僕が行動したところで、
あの居心地の良い空間に己の感性を委ねることはできない。
河田さんに再会することだってなかったかもしれない。
だからこそ、
書店という場を開き続けてくれていることに、
みんなが集える居場所を必死で守り続けてくれていることに、
心からの感謝と敬意を捧げたいと思う。
photo 雨樹一期