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「ダメな日」のはなし。


あぁ、今日はなんかダメな日だ。

もう9月も半ばに差し掛かるというのに、秋なんて来ないんじゃないかと思う程暑い朝、目が覚めて1番に頭の中に出てきたのがこれ。

大抵は二度寝しようかなとか、今日も仕事だ嫌だなとか、そういった感情が出てくるのに、それよりも先に「ダメな日だ」が来てしまう日は、本当に文字通りダメな日になってしまうのだ。

私の場合、何ヶ月かに一回こういう日がやってくる。
たぶん、日頃我慢していることが多かったり、小さなストレスが発散しきれず積もりに積もってしまった時に「ダメな日」はやってくる。

こういう日は本当に何もしたくなくなる。
解決方法は、とにかく眠ること。
会社に休む連絡を入れ、すぐさま眠る。
泥のようにひたすらに眠り、たまに起きてはスマートフォンで漫画を読んだり、SNSを眺めてはまた眠る。

自分の感情が、まるで黒くてドロッとしている重たいスライムみたいなもので包み込まれているように、感情に蓋をされ、何故か何も感じなくなる。
いや、感じないようにしているのかもしれない。
きっと、普段から小さな事で感情が左右されやすいタイプだから、自動的に感情が動かないようにセーブされているような気がする。


高校生の頃から「ダメな日」はやってくるようになった。
たぶん、今まであまり見えていなかった人間の嫌な部分が、だんだんとよく見えるようになってきたから。
一度嫌な部分を見てしまうと、自分の感情が上手くコントロールできず、四六時中そのことばかり考えてしまう。

何故こんなことができるのか?
他人の気持ちは考えていないのだろうか?


嫌な部分が見えても、それを共感できる人は少なくて、というよりも否定される恐怖の方が勝ってしまい中々言い出すことは出来なくて、言いたいことがあっても飲み込んでしまうことが多くなり、いつしか感情表現をすることが下手くそになってしまった。

それは大学生になっても、社会人になった今でも続いている。
学生の頃は、学校を休むと母親によく叱られた。
だから「ダメな日」がやってきても、落ち着くまで家の中で休むことが出来ず、不安定な日が続き、黒いスライムは頻繁に私の心のドアをノックする。

社会人になってからは、仕事を休むことがあってもあまり怒られなくなった。
たぶん、私には定期的に休む時間が必要なのだということをようやく理解してくれたのだと思う。たぶん。
私自身もこの事に気付けたのは、社会人になってからだから。

たくさん眠ってある程度心が休まると、今度はどうにかして黒くて重たいスライム的なものをどかすべく、ポジティブな方に心が動くようにする。
遠出をしてみたり、運動してみたり、映画を見たり、カフェに行ってみたり。
普段はスターバックスでラテしか頼まないのに、たまには期間限定のケーキやスコーンを一緒に頼んでみる。
欲しいものが特になくても、ウィンドウショッピングなんかをするのも良い。
とにかく自分を甘やかし、ご機嫌をとるのだ。
ここまで出来てようやく、「明日は仕事行くか…」と思えるようになる。

本当に、日本人って働きすぎじゃなかろうかと勝手ながら思う。
毎日暗いニュースばかりだし、ネットを開けば不安を煽るような情報で溢れていて、未来に希望なんて持てたもんじゃない。
それでも毎日を生きていくために頑張って働くけれど、責任を持てば持つほど自分の首を絞めているような気がしてならない。
いつしか、もう少し気楽に働ける日が来るのだろうか。
きっとまたその内、「ダメな日」はやって来るんだろうけど、めげすに自分を甘やかしながらスライムを迎え入れてやろう。

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