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[介護Tips]嵐の後の「平穏」

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かなり崖っぷちなところまで行った我が家の介護事情でしたが、
距離を置く、なるべく関わらないようにすることでどうなったか?

 衝突することはめっきり減りました。
 当然と云えば当然のことですね。

 唯一残った戦場が、風呂!

 そもそも入浴時間は、午後にしていました。夜は気温も下がるし、何かあっても救急になりますから。

 ともかく、猛烈に荒れてました。

 風呂は好きなんですよ。
 しかし、寒いっ! さわるな冷たい!で、裸になるまでに一騒動。
 で、裸になると、それこそ湯に飛び込もうとする!
 最悪です。

 むろん、それを引き留めて湯をかけてやるわけですが、まあ、罵詈雑言の嵐。濡れると余計に冷える! とか猛烈に主張しつづける。

 なんとか身体を湯に慣らせて湯舟につからせるわけですが、ちょっと目を話すと口の下まで湯に浸かってる!
 ダメだといっても、全然、聞かない。

 で、ともかく状態の急変がこわいので、いったん起ち上がらせようとするんですが、口で言っても聞かない。腕をつかむと、殴られる、とまあそんな感じ。

 いよいよ老人ホームかと思いましたが
 それがどう解消されたか……

 解決策は風呂場にはありませんでした。
 唯一の接点だった散歩が鍵になったのです。

 散歩行くと暑がりになる、そのことに着目した。
 散歩から帰って、そのまま風呂に入らせれば、寒い寒いと云わないのでは無いかと。これがアタリました。

 おまけに、まったく想定していなかった副産物も。

 というのは、驚くほど、従順になったのです!

 思えば、家の中でじっとしていると、エネルギーを持て余している上に、自分が老いぼれ、ボケていることを忘れてプライドが肥大してたわけです。
 それが外を散歩すると、現実を思い知る。歩行器で歩くのがやっと。自動車が近づいてきてもわからない。道行く人から掛けられる声も、「おじいちゃん、頑張って」「えらいね」ですからね。

 その流れで入浴しますから、暴君になりようがない。
 次はこれして、という指示にしたがってくれるようになりました。

 その代わり、完全介助。一人にはしません。湯に浸からせるのは脇の高さまでで、肩にはタオルをかけて湯をかけつづけました。

 石けんは、もう以前から使わせていません。皮膚に脂っ気がなく、あとでかゆくてたまらなくなるから。一時期は薬を塗ってましたが、それも手間! それに薬の常用が身体にいいはずがありませんしね。

 石けん使わなくなったことと、入浴回数と入浴時間を半減させたことで、皮膚のトラブルは収まりました(バスソルトと重曹も使いはじめました)。
 あくまでウチは、たまたまうまくいったという話ですが。

 ということで、唯一残っていた入浴というハードルも解消されました。

 ひとりで入浴できるようになった……ということじゃなく、つきっきりの介助入浴になったということですけど、平和が一番!
 修羅場を経験した今となっては、そう思えます。

(※それまで興奮状態で荒れていた理由が、もうひとつ思い当たりました。入浴の手順がわからなくなって不安だった。ですから、しょっちゅう覗かれて注意されるのは、ものすごいストレスだった。本人は干渉するな!と叫んでましたが、実は逆で、ひとりにしないでくれ! だったんですね)

 ということで、嵐の前の静けさならぬ、嵐の後の小康状態。

 以上、ご報告でした。

 前回は、やりきれない記事で申し訳ありませんでした。


見出し画像は aoi_soryu さんの作品です。
ありがとうございました。

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