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介護における憑依・悪魔の関係
前回の「ケンカ介護」もあれでしたけど、今回はそれ以上か~
もっとも「介護者がシャーマンのようになって介護する」という話ではありません。介護に「悪魔」が「憑く」ケースがあるというお話。
まず、前回の続きから
ケンカを繰り返すと、異様な状態になってきます。心理学とかでは専門用語がありそうですが、無学なもんで、我流で説明します。
たまのケンカなら、適度な刺激・興奮と云うことで功罪半ばするような気がしてたんですが、前回、お話したように認知症が進むと、ケンカしたことを忘れる。二日間で五回ケンカするところまでいきました。こちらが何を注意したかはまったく覚えておらず、いうなれば意味のないケンカ。憎悪だけ記憶され増幅されていく…。
こうなると、いいことなど何もありません。
というか、かなり危険な状態。
で、180度、方針転換。関わらないようにしました。
根本的な解決ではなく、応急措置。
(※毎日、一時間の散歩は続けています。起こすときにもナツメロかけて起こすようにしました)
でないと、医者にも連れて行けないし、ケアマネさんにも来て貰えないわけですよ。人前でケンカするわけにはいきませんから。
おかげで今のところは、小康状態。
もう一人の家族に負担がかかってはいますが、ケンカに比べれば、マシと納得してくれています。
そんな意外性もオチもないような進展(停滞)状況で書く気になったのは、夕貴さんの「憑依」の記事を見かけたからです。
正確な引用ではありませんが、概略を紹介すると
亡くなった人と話したくなり、故人の霊との交信を試みられたんです。コックリさんのようなものですが、本格的なちゃんとした方法。
夕貴さんは占い師なんですが、交霊術というんでしょうか。そちらも少し勉強したことはあったそうで、ですから、その難しさ、危険性はご存じだったんですが、話したいという思いが強くなって、ついやってしまった(そういう心理状態でやること自体が、危険だそうです)。
すると、返事が返ってきた。最初はうまくいったとかに思えた。でも、話しているうちに、どうも様子が違う… 低級霊を呼び出してしまった?? 勉強されてましたから、ハッと気づいて事なきを得たわけですが、中断しなければ最悪、憑依されているところだったと。霊による乗っ取りです。
そんな記事を拝見して、ケンカしている時に似ている!と思ったのです。
ケンカになると要介護者は錯乱しますが、こっちも似たようなことになっている。自分では計算して「ケンカ介護」をやってるつもりなんですが、思い出すと結構ひどかった。
実際、奇妙なご縁ですが、近所にやはり「狂乱型の認知症」の方がおられて、たまに声が聞こえてくるんです。それはすさまじい。聞くに堪えない怒声、泣き言、恨み言…… そんなのを聴いてしまうとゾっとしますよ。どうやら自分も「オレは酔ってないぞ!」状態だったと。
「酔う」というのはたとえですよ。わたしはお酒を飲みませんから。
じゃあ、何に酔ったのか? 霊だった可能性がある。「憑依」です。
ちなみに夕貴さんは、そのあたりのことについても注意を促しておられました。一般的な生活の中で「あの人は憑かれてるんじゃないの」なんてことは、思ってはいけないと。普通に暮らしている限り、低級霊に「憑依」されることなどまずないそうです。ですので、その点は誤解がないように補足しておきます。わたしの云う「憑依」は、たとえとご理解ください。
認知症の「周辺行動」とか、そんな云い方では絶対伝わらないと思うので敢えて「憑依」という言葉を使うことにしました。
話を続けます。「普通に暮らしている限り、低級霊に「憑依」されるなんてことは、まずおこらない」ということですが、重度の認知症は「普通」ではありません。
さきほど、霊を呼び出すのは危険だと云いましたが、それはたとえれば、玄関を開けっ放なしにするようなもの。玄関を開けておけば、会いたい人が来てくれるか? そんなことはまずありません。その辺をウロウロしているのは何かの営業、勧誘とか、あるいは空き巣がやってくる。
同じようなことで、軽率に霊とコンタクトしようとすれば、そのへんをウロウロさまよってる低級霊を呼び込んでしまう可能性が大。何が云いたいかというと、
認知症の中には、霊的な扉が
開き放しになるケースがあるんじゃないでしょうか
「失禁」は排泄の緩み。感情が緩くなると「情動失禁」。いわばそんなふうに「霊感失禁」もあるのだと仮定すれば、ある種の認知症の人は、低級霊に憑依されやいと考えられます。
ただ、認知症は物忘れが酷いので「憑依」も持続しない~
「低級霊」が居座ろうとしても「あんた誰?」となるから居座れない。
怒り狂ってる間だけ「憑依」することになる。狂ってる間ってね、記憶がちゃんと機能するんです。憎しみに関してだけですが、きっちり覚えてる!
認知症の人だけを悪く云うつもりはありません。
ケンカすれば介護者にも「憑依」が起こる
みたいです。わたしのことです。振り返ると、ケンカしてる間、どうも「憑依」されてたっぽい。「迫真の演技」なんて一般人には無理ですからね。要するに、わたしも狂っていた。
もう一度、念を押しますが、わたしのいう「憑依」は素人の印象。それが「憑依現象」なのかどうか、そんなことは詳しい人にしかわかりませんし、その詳しい人の見解だって、今の社会では「非科学的」「根拠の無いこと」ですから。
ですから、ここでいったん「スイッチ」という云い方に変えてみます。
ケンカになれば介護者にもスイッチが入ります。そういわざるを得ないと思います。しかし、介護者のスイッチはすぐにオフれるんです。激しくやりあっていても、電話がかかってくれば普通に喋れますし、来客も全然平気。今の今まで修羅場だったとは、相手は少しも気づかないと思います。
コワイでしょ? それは別のコワさです。
要するに、個室で虐待していた介護職員も外に出れば、まったく普通に見えると思います。だから発覚しにくい。発覚しても「まさか」となる。それどころか「とてもよくしてくれた」という要介護者が、いっぱいいると思いますよ。特定の相手にだけスイッチが入るわけですから。
でも、重度の認知症の人が介護者を破滅させることがあるのは事実です。事件にならなくても、酷いダメージを受けてる人は相当おられるはずです。その意味で「憑依」という表現が効果的だと思うんです。
「怒りっぽい」とか「キレやすい」とか「無理難題を云ってくる」とか、そんなふうな云い方をすれば、一つ一つ対策が出来そうでしょ?
実際、教科書とかマニュアル本には、そんなケーススタディがいっぱい書かれていると思います。専門家に相談しても「それはこうすればいいのよ」と簡単に片づけられそう。でもそれは一般論。中には特殊なケースがある。
子供の非行だってそうじゃないですか? クラスメートや先生を破滅させるようなケースがあるでしょ。その子が極悪なんじゃなくて、ある特定の相手に悪魔化する。このようなことは理性的な言葉では説明しにくい。だから「憑依」というんです。
「憑依」と云われれば、頭がちょっと切り替わりませんか? 常識の範囲じゃないらしい… と心の準備が出来るかと思います。
お祓いとか、憑き物降ろしが必要だとか、そんなことは云いません。
「さわらぬ神に祟りなし」と云いたい。悪魔に取り憑かれたような関係になれば、離れたほうがいい。なるべく関わらないほうがいい。そう思います。
別の云い方をすれば… 「パワースポット」が人気ですが、良い場所があれば、その逆もあるということです。そんな場所には近づかないのが一番。「関係」にも、同じことが云えるのではないかと。
余談ですが、要介護者の中には神さま仏さまのような方もおられます。介護させてもらえるのがあり難い。しかし、その真逆もある。
繰り返しますが、悪魔のような要介護者や介護者がいるのではなくて、関係によって、ひじょうに危険なことになる場合があるということかと。
これを書きながら「でも、こんなこと、経験しないとわからないだろうな
あ」とも思っています。
かくいうわたしも、勤めている間はそんな経験をしませんでした。なので、いい気なもんでした。相手のことを親身に思えば、たいていはうまくいくとか、少なくともトラブルことなどないとタカをくくってました。
もし会議で悩んでいる職員がいても「あの人、悪い人じゃないよ」「こうすれば、いいんだよ~」とか、やってそう。もし悪魔の関係が生じていたのなら、最悪のアドバイスです。
今の介護の教科書には、そんなことも記載されるようになってるんでしょうか? そんなことを講演で語ってくれる人がいるんでしょうか?
ならいいんですが、もし、こんな話をはじめて聞いたということであれば、ぜひ気をつけていただきたいと思います。
「愛」とか「寄り添う」とか「誠心誠意尽くせばハッピーエンドになる」とか…… そういうケースがいくら多くても、その対極には「悪魔化する関係」ある。それに備える知恵は、離れる、関わらないようにする、だと思います。施設であれば、気づき次第、その職員には担当させない、です。
在宅であれば、施設に入ってもらうほうがいいと思います。
「お嫁さん、主婦してるんでしょ? 家で看てあげればいいじゃない」とか「経済的にきつい」とか事情はあっても「悪魔関係」は危険すぎます。
というのが、現時点でのわたしの見解です。
じゃあ、なんでウチは施設に入れないのか?
施設のことを生じっか知ってるんでね、施設に向かないタイプなんです。施設に向かないタイプとは要介護者もしんどい、介護職員もつらいというケースです。
いよいよ歩けなくなれば、困らせたり転倒する危険も少なくなるんで、その段階に入るまでは在宅続けようかと…
以上、現場からでした~
見出し画像は su8su8 さんの作品です。
ありがとうございました。