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昭和作家へのオマージュ[ReliveArt]

[ReliveArt]は、アーティストの活動を追体験する企画
今回は、昭和のバブル期以前の造形を味わうことが出来たかなと
日本人が近代藝術にまだ胸を高鳴らせていた時代……

 Diffusionモデルという方式の生成AIがあるのですが、これは学習した情報をいったんノイズまみれにして、跡形もなくバラバラにして保持するのだそうです。
 たとえていえば、ビール瓶を粉々にして砂浜にばら撒くようなことをする。その上で、AIに「ビール瓶」と打ち込めば、その粉が少しだけ集まる。ほんの少しですから、ビール瓶にはとても見えません。
 しかし、ビール瓶を一万本くらい砕いておけば、あら不思議、「ビール瓶」という言葉で「ビール瓶」が生成されるのです~
 つまり、特定のビール瓶の「複製」じゃなく、1万本のビール瓶の「合成」。いくつかのデータの合成なら複製の範囲かもしれませんが、膨大なデータの合成なら、それは「複製」とはい云えないだろう、というのが、生成AIサイドの云い分だと思います。
(※砂浜と云いましたが、正確には「空間」とその中の「点」ということのようです。膨大な学習データは、宇宙空間の星のようなもので、ほんどの場所は何もない空間。生成されるデータは、その空間の中に近似値を求めるようなものだとか。自分でこう書いてても、よくわかりません。数学の世界)
 
……というのは前置きで、今回、云いたかったのは、無名の作家の仕事を呼び出すことが出来るのか? ということ。
 イーロン・マスクの顔とか、ピカソの画風を呼び出すのは簡単です。膨大なデータがネットに存在するからです。
 しかし、名の知られていない作家、しかもネットが普及する前の作家の作品データとなると、ごく僅か。もちろん、その作家の名前を打ち込んでも、それらしきものは生成されません。
 たとえ検索で、数点の画像が見つかっても、生成AIがそれを生成することはないんです。それをやっちゃえば「複製」です~
 ただ、奇跡が起こる余地はある。
 というのも、画像生成をするのに打ち込む百数十のキーワード(プロンプト)が、広大な砂浜から的確に特定の作家の破片を拾い集めてしまう……、その可能性はあるんです。ゼロではない。

 ここに掲載した作品、特定の作家とまではいきませんでしたが、ニッチな小さな美術館に見えませんかね? 若い頃にめぐった地方の個人美術館が思い出されたりして、ちょっとせつなくなりました。
 それはさておき、わたしもまったく無名人。跡形もなく消えます。でも、ネットにはまがいなりにも数百というデータがあります。広大な砂漠の中の砂粒ですが、もしかしたら未来の誰かが打ち込んだプロンプトで、いかにもトマリエな、文章や画像が生成されるかも……。

もしそのような奇跡が起こったら、
その時、わたしの魂も息を吹き返すんでしょうか~




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