紫と黄色
宿題の提出締め切りは25日だが、「今日中に宿題を終わらせる」と言っていた息子。明日の登校日に宿題を全て提出して残りの休みはのんびりしたいんだとさ。で、2時間ほどリビングのテーブルで休校中の宿題をこなしていた。えらい、えらい。
「はあー無理、限界」
で、ゲームを始めた。まだまだ、宿題は残っている。
私は息子が勉強している間何をしていたかというと『むらさきのスカートの女』(今村夏子/朝日新聞出版)を読んでいた。
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。
紫色は黄色に遠い色だ。
読みはじめてすぐ、この本の語り手でもある「黄色いカーディガンの女」のヤバさに気が付き恐怖感を覚えた。最後にようやくこの語り手の正体がわかるのだが、この語り手のことをもっと知りたいとさえ思ってしまった。
さくっと読める短めの作品。日野まゆこが、「むらさきのスカートの女」と呼ばれているように、読者が語り手である「黄色いカーディガンの女」をヤバいと感じるように、自分がどう見られているのか、ということを少しだけ考えさせられた。
私自身も誰かに憧れて、私だとわかる形でいろいろなSNSをやっていたり、強制参加ではないPTAの行事にひょっこり顔を出しているんだけど、もしかしたら「こういう変な人がいるんだよ」なんて知らないところで言われているのかも。