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高品質のオリーブオイルを知ろう Part1

私は「エキストラバージン・オリーブオイル」と「伝統的バルサミコ(モデナDOP)」などの商品を、百貨店外商部さまの得招会(外商会)で長年販売をさせて頂いています。そのため、この時期は新商品や商品展開などの商談に、週に3〜4日ほど、百貨店の各店舗さまに伺います。

伺うそれぞれの店舗には、グロッサリー売場、ベーカリーさんの店舗内、オーガニック&自然食品のこだわり食材セレクトショップなど、さまざまなお店の棚に、オリーブオイルがところ狭しと並んでいます。

オリーブオイルが並ぶ棚は、品質と美味しさが基準ではない

私は、やはり仕事柄というか仕事病というか、どんなオリーブオイルが取り揃えられているのかと、必ずリサーチをしてしまいます。昔はどこに行っても正直「あぁ...」といった感じでしたが、最近になって「あ!友人インポーターさんのオイルが置いてあるジャマイカ〜!」...なんて嬉しくなったりすることが起きるように少しずつ状況が変わってきました。ただし、他は相変わらず代わり映えしない商品が並んでいて、全然に変わらないなぁ、昔からの政治的な問題は根深いなぁ!と思うことが多いのが実際のところです。

ただ、そのようなマニアックなことは、オリーブオイルの専門家か、本当にオリーブオイルが大好きで仕方のない自分のような方が見て感じれば良いこと。

おいしいオリーブオイルを複数教えてもらえば、それで済む

僕個人の意見としては、オリーブオイルについては、『複数の高品質なオリーブオイル』を一度にじっくりと味わうことが、オリーブオイルの魅力を知る『最大の近道』だと思います。

オリーブオイルのポジショニングマップ(2軸マトリクス)を、縦軸に「品質」、横軸に「ポリフェノール類やさまざまな抗酸化成分の含有量  ※1 」だとすると、自然と横軸が、オリーブオイルの風味の3つのスタイルである「ライト」・「ミディアム」・「ロバスト(ストロング or スパイシー)」が大きな目安になるかとおもいます。 

   ※1トコフェロール&トコトリエノール、ステロール類、フィトケミカル

オリーブオイルの主要風味が、「甘み」・「辛み」・「苦味」と「渋味」であり、その「辛み」・「苦味」・「渋味」の正体が、「ポリフェノール類など」だから、オリーブオイルの『品質』とは別に、そのオリーブオイルの風味の特徴を捉えることができるわけです。

念の為に解説をすると、例えば、縦軸の最上&右寄りだと「最高品質のロバスタ・スパイシータイプ」ということになり、縦軸真下&左寄りだと「品質が悪いライトタイプ」となるわけです。

縦軸を「品質」にできない "もどかしさ" を私は勝手に感じます

上記は、縦軸を「アロマの種類(フルーティ or SPICY)」にしていますが、縦軸を「品質」にすることは、遊離脂肪酸(酸度)・紫外線透過率・DAGs(ジグリセライド)・過酸化物価 etc などを化学分析の証明書によって区分けすることになり、色々な意味で難しいことなのでしょう。消費者としてはやってもらいたいですが。

高品質なオリーブオイルをスタイルごとに選定してもらい味わう

つまり、品質が高いオリーブオイルを、オリーブオイルの専門家に「ライト」・「ミディアム」・「ロバスト(ストロング or スパイシー)」の3種類を選定してもらって、味わって比べてみれば、それだけで、オリーブオイルの産地・品種ごとによる味わいの違いやワインのような多様性、地中海の気候が産む農作物の素晴らしさを、そして生産者さんの長年培った技術とこだわりになどを、一度に身体全体で感じることができるわけです。

オリーブオイルにまとわりついている「言葉を食べない」こと

『オーガニックと品質に対する関係』とか、『DOPマークなどオリーブオイルのボトルについているマークがおいしさに関係しているか』とか、そんなことを気にしたり意味を覚えたりすることは、"オリーブオイルの美味しさと底知れぬ魅力に心底ウットリ" したあとで、じっくりゆっくり取り組めばいいことです。

ご自分の口と身体で感じるエキストラバージン・オリーブオイル

ちなみに、私が開催させていただいている「オリーブオイルのセミナー&ワークショップ」では、品質が高くおいしいオリーブオイル6種類ほど味わっていただきます。そうすると、約2時間後には、お客さま自身がオリーブオイルのタイプが異なっても "高品質なオリーブオイルに共通すること" を自然にご理解くださって、品質の良くない商品について分かるようになってしまいます。それが何年も開催してきたセミナーやワークショップで必ず起きることです。

ということで、大変長くなりましたが、今回の「高品質なオリーブオイルを知ろう:PART1」では、2015年に日本最大のオリーブオイルコンテスト「OLIVE JAPAN」で最優秀賞を受賞したことがあるオリーブオイルをご紹介したいとおもいます。

「egregio:エグレヒオ 」

風味の特徴は、青々しさやグリーン、新鮮なオリーブやハーブのニュアンスのアロマのあとに、心地よい苦みと辛みが印象的なオイル。

オリーブオイルは、ひとつの品種でつくりあげる「単一品種」と呼ばれるオイルと、複数の品種をブレンドしてつくりあげる「ブレンドオイル」がありますが、この「エグレヒオ」は、『オヒブランカ種』と『ピクアル種』をブレンドしたオイル。

さらに、この「エグレヒオ」の白いボトルは、オーガニックをイメージして作られているとのこと。

さらに、500mlボトルでこのお値段。明日以降にご紹介をするオリーブオイルとのコストパフォーマンスを、ぜひ比較してみてください。

実は、この「エグレヒオ」のインポーターさんとは、とても奇妙な再会を果たしたり、書きたいことはまだまだ山ほどあるのですが、今夜はこの辺までで。

 生産者 : オレオエステパ OLEOESTEPA  S.C.A

 生産地 : スペイン アンダルシア州

 輸入元 : 小林圭株式会社 ← WEBサイトご確認ください

 参考価格 : 2,700円(税込)  /  容量 : 500ml

そうだった、肝心なこと忘れていました!!!

この「エグレヒオ」は、Amazonをはじめ、楽天・Yahoo! などの通販で購入することができます。もしくは、DEAN & DELUCAや、北野エースさんの一部の店舗でも扱っているとおもいます。手に入りやすく、間違いのないオリーブオイル。 ある程度、苦みや辛みがある「ミディアムタイプ」が気になった方にはオススメです。

ひとつだけ気をつけて頂きたいこと、それはビンテージ(収穫年)

スペインやイタリア、ギリシャなどの地中海では、秋冬にかけてオリーブの果実を収穫し搾油します。その後、瓶詰め(ボトリング)しますが、そこからスペインの多くの生産者は「24ヶ月」の賞味期間を設定することが多いとおもいます。(ちなみに、一部の生産者とイタリアの生産者は18ヶ月が多いとおもいます)ですから、賞味期限から「2年間」を引くと、ボトリング月になるため、それをもとに『収穫年』を確認してください。

ワインと決定的に異なる点は、新しいものに価値があること

オリーブオイルは、国と産地と多くの品種、土壌とテロワール、生産者のスタイルがあり、ワインととてもよく似ていますが、決定的に1点だけ異なることは『新しいものに価値があること』です。それは「自動酸化」というものが関係しているのですが、そのお話はまだ今度...

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