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読書の記録 『The Justice of Kings』 ファンタジーミステリ

面白いファンタジーミステリないかな~と思って探してたら、Redditで似たような内容のスレッドを見つけました。

そのスレッドの中でおすすめされてた未読作品のあらすじやレビューや値段をAmazonで調べ、なんならGoodreadsの評判も確認して、よしこれにしよう!と購入に至ったのが今回の本です。

著者:Richard Swan
タイトル:The Justice of Kings
長さ:417ページ
初版:2022年
購入価格:521円
読了日:2025年2月7日

Empire of the Wolfシリーズ1巻
ジャンル:Mystery / High Fantasy / Epic Fantasy / Dark Fantasy

表紙がかっこよくて、その時点でだいぶ興味をそそられた。あとは600円未満だったので、試してみるかという気になりました。

ちなみにシリーズ2~3巻の表紙も同じテイストです。剣や錫杖のようなものを手にした男性。背景には動物の頭を持った神々とおぼしき石像。

Empire of the Wolfシリーズの2~3巻

舞台はここ半世紀ほどで周辺諸国を併呑した帝国。そこには、中央で定められた法を行き渡らせるべく、地方を巡回しながら各地で事件の調査に協力したり、法の裁きを与えたりするJudgeが存在する。Judgeは通常、裁判官・判事を意味するのだが、作中では探偵・捜査官の役割も兼任している。

主人公は19歳の女性。もとは浮浪児だったが、とあるJudgeに拾われて教育を受け、彼の部下として同行している。上司には感謝しているものの、定住できなくて地元民に怖がられるこの仕事に熱意を持てず、婚期も逃しかけていて、いろいろ思うところもある。

そんな折、とある街で貴族のご婦人が殺された。庶民が喧嘩で殺されるのは珍しくないが、貴族の他殺体が発見されるのはただごとではない。上司とともに調査に乗り出す主人公たちだったが……。

という経緯を、歳をとった主人公が過去をふり返ってどこかに書き記している構成の小説です。

探偵役を務めるのが帝国の公務員的な立場の人々であるという意味では、The Cemeteries of Amaloシリーズや、先月読んだShadow of the Leviathanシリーズの『The Tainted Cup』と似た設定です。魔法めいた能力が出てくるし、全体的には前者に似てるかなと思った。

The Cemeteries of Amaloシリーズの探偵役は亡骸の記憶を読む能力があるんですよね。一方、この『The Justice of Kings』に出てくる探偵役の能力は亡骸に尋問する(亡骸に死霊を呼び戻してしゃべらせる)ことなので禁忌感が強めです。道理で人々に恐れられるわけだよ!

そして事件を調べていくうちに、帝国内の権力闘争にも繋がるあれやこれやが出てきて、主人公たちは命を狙われる。

そんな中で若さゆえの情緒不安定な主人公の言動がしんどくなることもあって、とはいえ私も人のこと言えた義理じゃないしな~、だからこそ読むのがつらい部分もあるが……などと思いながら読んでました。

ミステリの感想って、あんまり書くとネタバレになっちゃいそうだし、どこまで書けばいいのか迷うねぇ。

主人公が庶民出身の若い女性で、その上司が年上で権威もある男性で、しかも彼女を拾って貴族階級や知識階層としての教育を与えてくれた存在となると、愛人関係や恋愛に発展しそうに思えるじゃないですか。

実際、主人公も「いずれ自分は愛人にされるのでは」と疑ってたらしいんだけど、そうはならなかった。この上司は真面目な人なんですよね。仕事熱心で辛抱強くて、セクハラも一切せず、主人公の意思を尊重しながらも、彼女が良きJudgeになれると信じて教育を与えてくれた。

しかし、帝国内の権力闘争にも繋がるあれやこれやが出てきちゃうわけなので、物語は暴力に次ぐ暴力の展開。身の回りが急速に残虐さを増し、多くの人が容赦なく殺されていく中で、真面目でやさしかった上司が変わらずにいられるわけもなく……。

上司はもともと戦闘職の経験があり、襲ってくる相手は容赦なく殺せる人です。その上に性格まで変わっちゃったら、2巻以降でどうなっちゃうんだろうなぁという感じです。そして主人公もどう変わっていくのか。

実は自分で買ったくせに「殺人とか陰謀の話はちょっとしんどいな」という日が続いて、途中で読むのを休んでたんですよ。

でも最近出た漫画『ワールドトリガー』28巻を読んだら、うまい具合に気分がリセットできて、読書に戻れた次第です。

「少しでも新しいことをやってみよう」と思ったから英語の読書を始めたし、そしたら少しずつ読める本が増えて面白くなったんだよなぁ。ワートリ最新巻を読んで、それを思い出したよ。ワートリの話はもっと厳しくて、正論パンチで殴られる展開だったけど。

※ちなみに「少しでも新しいことをやってみよう」については最近、担々麺と台湾まぜそばに初挑戦した。案外いけた。今後もちびちびと、はじめましての食べ物にチャレンジするぞ〜。

この次は『Nexus』を読んで、そのあとに『Fire from Heaven』を読もうかな。どっちもすでに買ってある本なので、粛々と読み進めるわ。