映画 ミッドナイトスワンの感想・ネタバレ無しのトラウマ考察 / オネエとバレエと虐待…LGBTQとは?
映画 ミッドナイトスワンの結末やネタバレ等、気にせず見れる記事です。ネタバレ少なめ。本作、ミッドナイトスワンとは?草彅剛の演じる凪沙(性自認が女性・ニューハーフ・ショークラブの演者・LGBTQ/トランスジェンダー)が田舎で児童虐待を子供を一時的に保護、そして生活を共にする。と言う、本来なら交わらない二人がハーモニクスを生み出すドラマ。美しい作品です。服部樹咲がバレエの練習をするシーンが忘れられないくらい美しいので是非スクリーンでのご鑑賞をオススメします。一応有料ですが、よかったら課金してください程度です。記事はほぼ無料で読めます。そして劇場での複数回の鑑賞をおすすめします。あと、オネエとオカマとニューハーフとトランスジェンダーは言葉として近い所に存在、生息、共存はしますが、全く違います。勘違いしている人は多いです。真に理解したいと思っても当事者、または近親者がそういうケースでも難しいです。どんなに世界がオープンマインドになっても、ジェンダーについてはお墓に入るまで秘密にすると決めている人も多いです。それがストレートでも。またそういうマインドについては第三者がどうのこうのいう事でもありません。※前置きが長いので本題に入ります。
ミッドナイトスワンとは?
『ミッドナイトスワン』は、2020年9月25日公開の日本映画、地方で虐待されて、渚沙の所までやってきた遠い親戚の一果がバレリーナとしての才能を開花させながら、愛情を育むストーリー。草なぎ剛はトランスジェンダーとして生きる主人公・凪沙役として出演している。テネットの次に日本で見られている映画。邦画ではナンバーワンの作品。
トランスジェンダーを題材にした映画として謳っている「オネエ当事者」からも絶賛
草なぎ剛さんの女装した姿が「新宿でリアルにこういう人見たことある」という印象。更に女装した草なぎ剛さんの美しい所作にも注目。※個人的にはLGBTQとか抜きに草なぎ剛さんの見た目だけでもスクリーンで見る価値は有りだと思いました。
トラウマになる辛いシーンがある映画と言う感想が多いが、物語の一部分をカット、物語から切除しても成立すると言う意見も
・しんどい映画ではなく「特徴的なシーン」がある
・インパクトがあるシーンだが特に問題ない
・何度でも見たくなる映画
色々な意見がありますが、肯定的な感想が多い作品です。
※炎上したと言われている監督のツイートも言うほど炎上はしてない印象を持っている人が多いです。2020年後半に上映されている映画では、鬼滅の刃も気になるけど、ミッドナイトスワンを観たいと言う意見も多く、鬼滅、テネット、ミッドナイトスワンが映画館で映画を観る人々でトレンドになっています
オネエも認めるミッドナイトスワン
本作では性自認が女性の草なぎ剛。昔の用語で言えば:ニューハーフやオナベ、性自認は男性で男性が好きなタイプとは異なるタイプのトランスジェンダー。バブリーナさんの解説がとてもわかり易いです。素晴らしいのでご紹介しました。「相手の人を知ろうとしている努力は尊い」という言葉がかなり好感を持てるレビューだと感じました。※主観
表現として女装しているだけであって、草なぎ剛のニューハーフ役はめっちゃキレイ
草なぎ剛さんの女装は、違和感ゼロでスっと入れるビジュアルです。そしてミッドナイトスワンの予告編は世界最長!「925秒(15分25秒)」なので、忙しくて映画を見にいけないと思ったらまずは予告編だけでも観てください。※多分見に行きたくなる予告編なので、観たら見に行っちゃうと思います。あと用語の問題を多く記載しましたが、物語や生きていく上でそこまで関係ないので、読み飛ばして大丈夫です。この記事の目的のほとんどが「素晴らしい映画なので是非」という部分です。しかしながら言葉が難しいという悩みで感想が書きづらいよね。という気持ちも解らない事もないな。と思いました。
昨今では「ニューハーフは差別用語」という意見もあり、言葉としてはデリケート
例えば「オネエ」や「おかま」は当事者同士が界隈で呼びあうときに使う分には良いと思うけど、当事者でない人がその人に向かって言うのはやはり良くない、と思っている人は少なくありません。当然その限りでもありません。昔のクレヨンしんちゃんの映画の適役。愛し合うオカマズは劇場版クレヨンしんちゃんにはもう出てこないのだろうな、とかそういう所もあったりします。ワンピースのボン・クレーは大丈夫なのか、とか…脱線していますね。「言葉」や「表現」としての幅が狭くなると捉えている人も一定数以上います。
国民的アイドル、元SMAPの草なぎ剛がニューハーフのメイク(性自認は女性)でバレエと携わる映画
厳密には田舎で虐待を受けていた「桜田一果:服部樹咲」と「凪沙(武田健二):草彅剛」の特別な愛情のストーリー。才能を開花させる一果と、一果と過ごして行く内に変化していく凪沙という部分がメインテーマ。
日本のトランスジェンダー、LGBTQの問題について「考えるきっかけ」の映画の側面もありますがエンターテイメント作品
・国内は海外に比べLGBTQへの理解に対し、多くの人がピンと来るものまで行っていない、教育の指針が定まっていない可能性も高い状態(例えば教育の現場の人間全員がピンと来る話が出来ていないのは問題)※答えが出来ていない事も問題
・海外に比べて国内の理解度は地域差もある
・「性」だけではなく「肌の色」や「髪の色」の段階や人種の壁ですら理解度が低い可能性もある
※海外の方が日本人の差別的な感覚については10年くらいの差があるように感じると閉鎖的な考え方を許容出来ないという意見はわりとあっている部分はあるように感じました。もちろん階級社会的な意味ではその限りではありません。
そんな日本国内のLGBTQエンタメ事情の中で難しい題材を取り扱って、何も考えずに見て「楽しい」や「また観たい」と感じさせる作品です。
2020年9月25日(金)公開『ミッドナイトスワン』
世界最長! 公開日9月25日に語呂を合わせて925秒(15分25秒)の予告編が誕生!
映画部門では国内ナンバーワンのシネマブック
公開日 2020年9月25日
キャスト 監督:内田英治
出演:草なぎ剛 服部樹咲 田中俊介 吉村界人 真田怜臣 上野鈴華 佐藤江梨子 平山祐介 根岸季衣 水川あさみ 田口トモロヲ 真飛聖
配給 キノフィルムズ
制作国 日本(2020)
公式サイト https://midnightswan-movie.com/
配給 キノフィルムズ ©2020 Midnight Swan Film Partner
Midnight Swan - ミッドナイトスワンのサウンドトラックは視聴可能です
Midnight Swan - ミッドナイトスワンのサウンドトラック
LGBTQとは?
L:レズビアン
G:ゲイ
B:バイセクシュアル
T:トランスジェンダー
Q:トランスジェンダー全般,Queer(クィア)or Questioning(クエスチョニング)
そのあたりもいまいち浸透してなくて、LGBTQ・LGBTQIA、そしてLGBTと色々あるんだな、くらいのきっかけになれば良いかなと思って作っているんだろう、と感じる作品です。
「オカマ」「オネエ」「ニューハーフ」は差別用語?LGBTでいうとどのカテゴライズになるの?
「オカマ」「オネエ」「ニューハーフ」は差別用語?LGBTでいうとどのカテゴライズになるの?と言う発言自体がアウトです。しかしシンプルな思考や疑問は悪い事ではありません。シンプルが故に、短絡的に発言すると「燃えます」例えば「私は性自認は男性で男性が好きです」というような言葉を聞きますが、いきなりそういう話をするのがOKな人もいればNGな人もいます。
問題提議の時点で難しい所があることを理解するのが大切です。「性自認が女性で女性が好き」というケースはなんて言葉?とか言うとそのままの日本語だったり、違う用語だったりと組み合わせによって言葉が違ったり世代や立場によっては「オカマ」とか「オネエ」とかでカテゴライズして発言する人もいます。立場や世代や年代で全てが間違いというわけでも無い的な考え方もあったりします。基本的には嬉しくない表現になりつつある。けど、堅苦しいのはごめんです。と言う人もいます。と言う曖昧な答えです。
大切にしていることを「遊び目的」や「無神経」に「嘲笑」する事や「否定」する事はNG
趣味であろうと、性であろうと、アイデンティティや誰かが大切にしていることを「嘲笑」する事や「からかう」事は「人格否定」≒「暴力的」、「排他的」になるので望ましくありません。「否定的なニュアンス」がなければOK、「リスペクトを感じる行動」や「生産性を生むための行動」ならOKという人も居ます。実際に映画の中でも同級生に「お前のお父さんオカマ(嘲笑)」的な表現が、悪い例として登場します。あくまでも悪い例として。
パーソナリティのカテゴライズは何になるの?という疑問は悪いことではありません
「気質」「性格」「能力」さらに、いち個人の思考と行動を特徴づける一貫した行動から「●●タイプ」とフレームワークそのもので型にはめて人をカテゴライズしたいと考えるのは自然な思考回路なので、悪いことではありません。しかし、発語する事や当事者へ配慮無く質問するのはマナー違反でしょう。君はゲイなのかい?と意味もなく聞いたり詮索するのは冗談であってもつまらない冗談ですね。「カテゴライズがナンセンス」という答えもあります。多様性というのは答えは人それぞれのパターンの一つです。例えば、自分の兄弟や両親、恋人や親友を一言で●●なタイプで他人に紹介するのが難しいように、アイデンティティの骨幹を成す部分を数パターンでカテゴライズするのが難しいかが解ります。
文化としての「オカマ」と言う表現について、例えば「オカマバー」や「ゲイバー」という言葉も浸透しており、言葉そのものに罪はないという考えもあります
今夜は「オカマバー」行こうかな、的な人もいれば、「ゲイバー」大好きな人もいます。Googleの検索結果が教えてくれる「オカマ」という言葉が「一概にだめな言葉」というわけではなさそうです。友達同士で言える言葉と公で言える言葉ではないという感じなのでしょうか。そこまで考えて作られているかどうかは別として、ミッドナイトスワンの主人公が「ショークラブ」に出演している演者という設定においては「肯定的な意味でのオネエ」というわかりやすい典型例ではないでしょうか。文化であり様式美等もあります。実際に六本木や新宿などの女装を主軸にしたショーレストランではLGBTQの方、女装が好きを極めているストレートな人の共存はあります。
※LGBTQの方へ相応しい服装をするように求める要請等も海外では実際にあったという都市伝説や他のドラマ内での表現もあります。そのあたりの受け止め方も人それぞれです。
歌。特にロックやヒップホップ、映画、ドラマの中での「性差別表現」について
具体的な例を挙げれば白人のラッパーのエミネムが歌詞の中で「オカマ野郎」という言葉を多様します。彼は黒人の文化としてのヒップホップミュージックシーンが強い中で、白人ラッパーで成功した唯一の人物だった。と言う背景があります。その中でのリリックなので、ただの悪口でもないと言うのは補足します。
※該当フレーズはある種の決まり文句だったりします。
また、有名な映画ではトレインスポッティングの登場人物のベグビーはストレートで、LGBTQについては一切認めない表現がありました。
※ベグビーが多様性を持っていたらチーム、トレインスポッティングには居ません。
さて、エミネムに話が戻りますが「ゲイ」をカミングアウトしているエルトン・ジョンと、エミネムはとても中が良いです。特に共演した「STAN」という曲はかっこいいですよ。エミネムはFaggot(オカマ野郎)という言葉よく使って居ますが彼の曲の時代背景やヒップホップでいう所の決り文句的になっているところもある、という説もあります。※当然ですが同棲愛者の団体(ゲイ権利運動団体)からめちゃくちゃ抗議され続けています。
※2001年のグラミー賞授賞式にて、ダイドのパートをエルトン・ジョンがピアノで弾き語り、話題となった作品です。今から20年前ですね。
長いあいだ、市民権が曖昧になっていた同棲愛について、世界中での定番の「ジョーク」や「決り文句」などになっていた部分もあります。志村けんのアレとか。
そういう背景があるので「ある日突然、笑っちゃだめだよ」というのも違うかな、という考えもあります。何が正解と言う話でもありませんが、意図的に誰かを不幸にする表現をする人や媒体はあまり居ないですし、売れないので目にする機会は自ずと減ると言う見解が多いです。
家族や友達にしか話せない話もあります(逆もまた真なり)
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