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【シーズン総まとめ】2024年の徳島インディゴソックスを振り返る【野手編】

前期シーズン、後期シーズンともに制し、リーグ記録となる5期連続優勝を達成した2024年。前期の勝率は.774と他チームを圧倒した。勢いそのままに、後期は勝率.800を記録。前期に更新した勝率記録をすぐさま更新する快挙だった。

ソフトバンク杯も優勝し、3冠を達成。シーズン中は圧倒的な強さを見せたものの、トリドール杯チャンピオンシップで愛媛マンダリンパイレーツに敗れ、グランドチャンピオンシップ進出とはならなかった。

今回のnoteでは、野手陣の奮闘を振り返る。



主要な打撃部門ランキング

レギュラーシーズンでは、前後期合わせて得点390本塁打41。自慢の打撃力を存分に見せつけた。

前期成績
後期成績


本塁打ランキングには1位の寺岡選手をはじめ3選手がランクイン。パワフルなバッティングを存分に見せつけた。柏木選手の後期シーズンの追い上げには目を見張るものがあった。


打点ランキングには本塁打と同じ3選手がランクイン。いずれの選手も得点圏打率3割超と、勝負強さが光った。多くの試合で4番を務めた加藤選手は、クリーンナップとしての仕事を全うした。


盗塁ランキングには2選手がランクイン。インディゴ野手陣はパワーだけでなくスピードも持ち合わせている。岸本大希選手はその走力を守備にも活かし、広い守備範囲でチームを救った。


今シーズンチームの屋台骨として大活躍した寺岡丈翔選手、そして、惜しくも主要な打撃部門でのランクインは叶わなかったものの、チームを支え続けた塩﨑栄多選手、中川聖也選手を紹介する。

寺岡丈翔

【寺岡選手の活躍】

本塁打王、打点王の2冠に輝いたキャプテン。盗塁は1位の高知FD・古賀選手と2個差の2位で、走力も申し分ない。さらに、得点圏打率は.398と去年の.250から大幅に良化。勝負強さが開花した。前期は主に6番に座りランナーを返す役割が多かったが、1番や3番も経験しており、チャンスメイカーとして活躍することもあった。どの打順でもチームに貢献できる選手だ。

今年から内野にも挑戦。公式戦で内野を守る機会は少なかったが、バウンドを難なく合わせ、いつもはセンターから披露する強肩も武器にして内野守備をこなした。


【ここがすごい!】

今シーズンからキャプテンに就任した寺岡選手。チームの先頭に立ちながら、自身も目覚ましい成長を遂げた。他の選手の見本となるような成績を残しており、まさに「背中で引っ張るキャプテン」と言える。プレーのみならず、そのキャプテンシーでチームを前後期優勝に導いた。

前期シーズン中に昨年の打点王である現横浜DeNA・井上絢登選手の記録を抜き去る超ハイペース。その後も順調に打点を伸ばし、65打点で打点王に輝いた。これは球団の最多打点記録を大きく更新する数字であり、チームの躍進に大きく貢献した。

坊っちゃんスタジアムでのバックスクリーン弾も記憶に新しい。本塁打王のタイトルも獲得した寺岡選手だが、そのパワーを象徴する一発だった。



塩﨑栄多

【塩﨑選手の活躍】

シーズン前半は主に5番打者として、前期途中からは1番打者としてチームに貢献し続けた塩﨑選手。出塁率はリーグ2位の.455と非常に高い水準を誇る。長打を放つパワーも兼ね備えており、今シーズンは4本の本塁打を放った。本塁打ランキングと打点ランキングにランクインしたインディゴの3選手はいずれも右打ちの選手であり、左打ちで長打力のある塩﨑選手はチームにとって貴重な戦力だった。

4月17日の香川オリーブガイナーズ戦ではクッションボールをうまく処理してホームでアウトをとるなど、守備もそつなくこなす万能型プレーヤーだ。


【ここがすごい!】

IsoDと呼ばれる打者の選球眼を示す指標があり、0.1を超えれば超一流とされる。塩﨑選手の値は驚異の0.182。インディゴには選球眼のいい選手が多くいるが、寺岡選手と角井選手が0.110、加藤選手が0.115、ムーディー選手が0.177と、塩﨑選手の選球眼の良さが目立っていた。

対ストレート打率は.319。最高球速が150km/hを超える選手も多い四国アイランドリーグで、数々の直球を撃ち抜いてきた。振り負けない力強さと速球を捉えられるコンタクト能力の表れといえるだろう。

そして、三塁打はリーグ2位の5本。外野の頭を超える長打力に加え、三塁に到達するスピードもなければ打てない三塁打。試合数が2倍以上あるNPBでも今年5本以上の三塁打を記録しているのは6人のみで、塩﨑選手の能力の高さが窺える。


中川聖也

【中川選手の活躍】

主に2番や6番として活躍した中川選手。打率は.310と、徳島インディゴソックスのルーキーの中では一番高い数字を残した(規定打席以上)。

サードやファーストの他にセカンド、レフト、ライトも守り、ユーティリティ性を発揮した。本職の内野では、ハンドリングの良さでゴロを捌くだけでなく他の内野手の送球を何度もカバーした。

前期の長打率は.303とパワー不足が否めなかったが、後期は.383まで成長。自らの課題と向き合い、さらなるレベルアップを見せた。


【ここがすごい!】

中川選手の凄さは安定感にある。4試合目で初安打を放つと、翌日の試合から一度も.280を下回ることなくシーズンを完走した。

さらに、対左打率は.343と、左投手を苦にしない左打者である。低めの球を得意としており、相手投手の左右に関係なく高い打率を残している。
初球の打率.429、1ボール時の打率.474、2ボール1ストライク時の打率.412で、積極性もあり、狙いをすまして仕留める能力も高い。

また、中川選手は「三振しない」選手でもある。15%を下回ると優秀、10%を下回ると非常に優秀と言われる三振率は10.3%。類まれなるバットコントロールでチームに貢献した。


印象的だったホームランの数々

今シーズン、前後期合わせたホームラン数がリーグトップだった徳島インディゴソックス。印象的なホームランも数多く生まれた。

開幕2戦目、角井選手の放った2本のホームラン。角井選手は今年得点圏打率.328とチャンスに強く、多いとは言えない出場機会ながらもチームを支えた。


4月26日には、高卒ルーキーの佐伯選手にプロ初ホームランが飛び出した。弱冠18歳、通算9打席目での一発は、今後の飛躍を予感させた。


阪神タイガース(ファーム)との交流戦では、9回裏2アウトから今村選手が逆転サヨナラ3ランを放った。今村選手はその後出場機会を増やし、後期シーズンだけで4本のホームランを放つなどバッティングに磨きをかけている。


ここまで野手陣の奮闘を振り返ってきたが、ここで挙げた全ての選手が目標にしているのがNPB入り10月24日に行われるドラフト会議に向けて、努力を積み重ねてきた。選手の夢が叶う瞬間を、ぜひ共に見届けていただきたい。


徳島インディゴソックスでは、様々なプラットフォームで選手の魅力を発信しています。シーズンが終わり、試合がなく寂しい季節がやってきます……が!
このnoteで興味を持ってくださった方も、ずっと応援してくださっていた方も、YouTubeやXなどで今シーズンを振り返り、一緒にドラフトを迎えましょう!

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文責・岡村美和


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