ゾロはなぜ黒刀を作れないのか、特許で考えてみた
みなさん、週刊少年ジャンプで連載中の『ONE PIECE(ワンピース)』読んでますか?
人気キャラクターの1人に主人公のルフィの初期の仲間であるゾロという両手と口に刀を持った三刀流の剣士がいますよね。
ワンピースの世界において、刀は「位列(いれつ)」と呼ばれるランク付けがされています。
下から順に「ランクなし(雑魚)」「業物」、「良業物」、「大業物」、「最上大業物」で評価が高くなります。
ゾロは、「大業物」を2本持っていますが、未だに「最上大業物」は1本も持っていません。
ワンピースは、既に単行本は100巻を超え、長編の漫画になります。流石に、一番上のランクの刀を一本欲しいですよね。。
ワンピースの連載当初から、ゾロの超えるべき目標として設定されている鷹の目の剣士「ミホーク」と言う、剣士の中で最強のキャラクターがいます。
ミホークは、黒い刀身の刀「黒刀夜」を愛刀として使います。また、その刀は、「最上大業物」に数えられ、作中最強の剣の1つです。
そのミホークは、「全ての刀剣は黒刀に成り得る」と発言しています!
なので、条件さえ分かり、それを満たせば、刀身が白い刀は黒く黒刀になるはずです。
また別のキャラクターの天狗山飛徹は、「黒刀に成れば、刀の位列が上がる」ことも仄めかしています!
何としてもゾロに黒刀を作って、「最上大業物」の刀をゲットして欲しいですね!
ミホークは、黒刀の条件を知ってそうなのに明確に教えてくれないところがずるいですよね。。。
さては、
ミホーク、黒刀の特許を取得して独占しているな!
と、無理やり特許の話に繋げます。
※小さい頃、空想科学読本という、漫画とかの世界を現実に置き換えて説明する本を読みましたが、ああいうのワクワクしたなと。
では、もし、ミホークが黒刀の特許を取得しているとして、どういう特許(請求項)を権利化しているか考えてみましょう!
ワンピースの作中で何となく黒刀の条件っぽいものとされているのは、
※間違っているところもあるかもしれませんが、ワンピースファンの皆様、温かい目で見逃してください。
①覇気を刀にまとわせる
②歴戦を経る
③もともとの刀身が白い
この辺りが重要かなと思います。
それでは、これを最大限広い権利で特許にするとしたら、
【請求項1】
覇気を纏わせて所定の条件を満たした戦闘を経ることで白い刀身の剣を黒い刀身の剣に恒常的に変化させる、刀変化方法。
こんな感じの請求項ですかね。
これは、かなりワンピースの世界の黒刀に寄せた表現になっています。
折角なので、もっと広い権利にしちゃいましょう!
弁理士・知財部員の気持ちで修正すると、
A:刀が白いとか黒いとか色の限定をしている
B:覇気って他の気(生体エネルギー)と何か違うの?
先ずは、1番分かりやすい、刀の色の限定は無くしましょう。これを単に色だけで捉えるのは、三流の仕事なので、色もその剣の特徴の1つに過ぎないことに気付きましょう。何かしら刀のパラメータが変化すれば良いだけの話が本質かなと思います。
「第1の状態の刀を第2の状態の刀に恒常的に変化させる」
くらいが良さそうですね。
次に、「覇気」の限定が鬱陶しく感じてきますね。ジャンプ漫画の中で、刀と覇気に近い生体エネルギーを使うキャラクターを考えると、「ドラゴンボールのトランクス」、「鬼滅の刃の炭次郎」などがいますね!
ドラゴンボールは、シンプルに「気」ですね。鬼滅の刃は、呼吸法で体の力を引き出しますね。
ドラゴンボールでは刀が変化する描写はないですが、
鬼滅の刃は「日輪刀・赫刀」がありますね!
日輪刀は、刀を受け取った鬼殺隊の隊員の素養(呼吸、肉体の鍛錬度合)によって色が変わります!
また、その日輪刀は、体に痣が発生した身体能力が向上した状態で万力の握力で握りしめて刀の温度を上げることで赫刀として更に変化します!
なるほど、何とか鬼滅の刃の日輪刀・赫刀は権利範囲に収まるようにしたいですね。
そうすると、以下のようにすればどうでしょうか?
【請求項1】
特定の生体エネルギーを伝えて所定の条件を満たした戦闘を経ることで第1の状態の剣を第2の状態の剣に恒常的に変化させる、刀変化方法。
上記のように修正すれば、「覇気」ではなく「生体から発せられるエネルギー全般」が対象になり、刀の変化も「色だけではなく刀の変化全般」が対象になり、権利は広く色んな刀を使ったバトル漫画の必殺技に対応できるようになったのではないでしょうか!
ミホークさん、特許ライセンスしてがっぽり稼ぎましょう!
※ちなみに、ミホークが登場した回の方が鬼滅の刃より早いので特許出願日的にもばっちりです。特許は先に考えた人が特許を得る権利があります。
そんなこんなで、ワンピースの黒刀を題材にして、特許を考えるとこういう感じなります。知財のお仕事が、これでまた一つ近くなって頂けたら幸いです!
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