罪と罰 抑止力と厳罰化 ~パルワールドで考える懲罰的損害賠償について~
任天堂と訴訟中のポケットペア(パルワールド)ですが、東京ゲームショウには、平和に参加しています。
訴訟になる前から決まっているでしょうし、出展料、出展のための装飾、コンパニオン、販促物など既に支払いが終わっているタイミングなので、もったいないから出展したのでしょう。
※理論的には、分かりますが、世間的にはあまり印象は良くないでしょう。
特許侵害の世界では、故意(侵害行為を知りながら販売)に侵害したか否かにおいて、損害賠償額を上げる制度が外国(アメリカなど)には存在します。
「3倍賠償」と呼ばれ、通常の3倍が損害賠償として請求できるようになります。
「やられたらやり返す、3倍返し!」
ということです。
※半沢直樹の顔が思い浮かびます。
特許のライセンス料率の平均は、約3~5%だとされているので、
3倍になると、9~15%になりますね。
%でみると、しょぼそうですが、パルワールドは、約700億円の売り上げなので、
これで計算すると、21億円~35億円のライセンス料が、
63億円~105億円に変わる訳です。
こうみると中々インパクトがある数字かなと思います!
10%くらいの金額を超えてくると、ダメージは大きいと思います。
前回の私の記事で、ポケットペアの溝部拓郎さんの言動などの経緯をチェックしたのは、この故意侵害がもし、日本にあったらという目線でみていました。
日本には、現状、特許侵害の故意侵害時の懲罰的な規定は存在しておりませんが、もし、そういうものがあれば、こういう事態にはなっていないのかもしれません。
日本は、割と空気を読んで、無法なことはしない国民性がありましたが、こういう悪用されてしまうと、ルールを明記せざるを得ないのかと思います。
PS5の日本版は、販売未定になっているので、任天堂がパルワールドに対して突きつけた対象特許は日本だけなのでしょうかね。。。
最低限、日本の損害賠償額は上げないでおこうという配慮でしょうか。
それとも、特許の効力として差し止め請求ができるので、ユーザへの配慮なのかもしれません。
→それって、即ち、侵害をある程度黙認していのでは?
新たな紛争・裁判は、新しい法が生まれるチャンスとも言えますので、引き続き、どういう結果に落ち着くのか、
「ポケモン(任天堂)VS パルワールド(ポケットペア 溝部拓郎)」は、引き続き、追って行きましょう。
(執筆:得地)