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ゲームクリエイター、桜井政博さん×特許

人気ゲームのスマブラ、カービィを生み出したゲームクリエイターとして有名な桜井政博さんがいます。

最近、桜井さん自身がゲームの作り方を語るYoutubeの動画「桜井政博のゲームを作るには」が話題になりました!

何と、自費を投じて、短期間に動画を作り、それを定期的に配信に流していたのです!

素晴らしい、心意気ですね!

純粋にゲーム業界の発展を心から望むから、出来ることでしょう。

その精神は、特許法の「産業の発展に寄与」に通ずるものがあります。

ということで、

桜井さんを発明者名で検索するとどうなるか調べてみました!


桜井政博さんを発明者名に入れ、出願人を任天堂にして検索すると、14件がヒットしました。

全くないわけではないですが、それほを多い件数ではないと思いました。

なお、最後の出願(出願日が一番新しいもの)は、このような請求項の内容です。

特許6998286
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、
ゲーム内のコンテンツからなるコンテンツ群から、複数のコンテンツを、ユーザによる選択が可能な対象コンテンツとして設定する対象コンテンツ設定手段と、
複数の前記対象コンテンツの各々について、当該対象コンテンツとして設定された状態が終了するまでの残り時間を管理する残り時間管理手段と、
ユーザの指示に基づいて前記複数の対象コンテンツから少なくとも1つのコンテンツを選択コンテンツとして選択するコンテンツ選択手段と、
前記選択コンテンツを前記ユーザに付与するか否かを判定し、付与すると判定した場合に当該選択コンテンツを当該ユーザに付与する付与手段として前記コンピュータを機能させ、
前記対象コンテンツ設定手段は、
前記対象コンテンツの前記残り時間がなくなったことを条件として、当該対象コンテンツに代えて、前記コンテンツ群からコンテンツを前記対象コンテンツとして新たに設定し、
前記対象コンテンツが選択コンテンツとして選択されたこと、および、前記選択コンテンツが前記ユーザに付与されたことの少なくともいずれかを条件として、その直後または待機時間を経過した後であって、前記残り時間がなくなったことを条件として前記対象コンテンツが設定される場合とは異なるタイミングに、当該選択コンテンツに代えて、前記コンテンツ群からコンテンツを前記対象コンテンツとして新たに設定する、情報処理プログラム。

特許6998286の請求項を抜粋
特許の図面の例


キャラクタを選択する画面の機能になります。
なかなか、マニアックな内容です。

ゲームで面白いと感じる部分と、特許を取れる部分は乖離することが、良くあります。
この特許は、そういう意味で、直接的にユーザ体験に面白いに繋がり辛いですが、こういうキャラクタ選択の制限があることで、ゲーム性を変化させるちょっとしたスパイス系の特許かなと思います。

ちなみに桜井さんの任天堂における最初の出願(出願日が古い)は、

特許5622446
【請求項1】
ゲーム装置のプロセッサを、
プレイヤ操作に応じてゲームを進行し、ゲームの成功判定を行う成功判定手段、
前記成功判定手段によってゲームの成功が判定されたときに、付与するポイントを決定して、当該ポイントに対応するポイントデータを累積的に記憶手段に記憶するポイント記憶手段、
ゲームの開始に先立って、前記ポイントデータが示すポイントのうち、当該ゲームの難易度を上昇させるために使用するポイントを指示するプレイヤ操作を受け付ける難易度上昇受付手段、および
前記難易度上昇受付手段によって前記ゲームの難易度を上昇させるためのプレイヤ操作を受け付けたときに、前記記憶手段に記憶されたポイントデータが示すポイントから当該プレイヤ操作が指示するポイントを減算するとともに、減算したポイントに応じて前記ゲームの難易度を上昇させる難易度上昇手段として機能させる、ゲームプログラム。

特許5622446の請求項を抜粋


特許の図面の例

になり、ゲームのプレイに応じて難易度変更を可能にするポイントが貰え、それを消費することでゲームの難易度が変更できる特許のようです。
これも、直接的にゲームの面白さというよりは、間接的にゲームの難易度を可変にすることで、ゲームを飽きさせず、継続的なプレイを促す機能です。

Youtubeの直接的にユーザに働きかける面白いゲーム作成のテクニックに対して、如何に特許のテクニックは特殊であることが分かります。

特許は特許のためのテクニックを身につけないと、この特許・知財業界では評価されません。

良い発明者・知財部員になれるよう、スキルを磨いて行きましょう!



                        執筆/得地


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