妖怪「遊坊」のやったことのない遊びと寂しさ【その他療育】
我が家には小1の一人娘がいる。
彼女には公然の秘密がある。
ゲームやYoutubeにのめり込む時間を除けば、かなりの割合で妖怪「遊坊」の片鱗を見せるのだ。
「ねぇ、あそぼー」
「何してさ」
「やったことのない楽しい遊び」
「そんなものないよ」
「えー、つまんないー」(拗ねる)
ここまでがワンセットである。
ママもパパもこれまで何百回とやってきたやり取りで日々辟易としている。特に風呂前にゴネる為、この時のママは不機嫌なことが多い。
友達が一緒なら、外でも中でも楽しく遊べるのだが、いかんせん友達を誘うのが下手なのはパパ似だろうか。
***
そんな娘に今年もサンタクロースはやってきた。
レゴフレンズのちょっと値段のいいセットである。
難易度も8歳以上と少し高めだ。
だが、工作好きの娘がここで本気を魅せる。
説明書とにらめっこしながら、半日かけてほぼ一人で組み上げた。途中のおやつ休憩もそこそこに、いつもならテレビに張り付くあの怠惰な娘が、である。
初見のブロックやパズルを与えたときの娘の集中力は、すごい。
しかし、1回、多くても2回組み上げたら「やった遊び」になり、優先順位が下がる。
やったことのない遊びがないときは、興味がゲームやYoutubeに戻る。
ゲームではマインクラフトや野菜を育てるようなゲームを好んでやっている。終わりのないパズルのようなものだ。だから時間制限を設けている。
Youtubeではひたすらショートを観ている。AIの作ったようなよくわからない話も観ていて、気づいたら高評価していることもある。時間管理は比較的緩いが、食事どきや寝る前などなかなか消さずパパが強制執行(スマホアプリで電源OFF)することもしばしばだ。
それも終わるとようやく図鑑やなぞなぞ本に釘付けになる。お話系には興味がないらしい。
しかし、図書館様々だ。とにかく「初見」が大事な中では非常に助かっている。
ボードゲーム、カードゲームはダメだ。親に甘えてルールをねじ曲げて勝ちにくる。何度言っても直らないが、外では決して見せない。これも「遊坊」の一面である。
***
娘と遠出できるようになるタイミングと、コロナ禍、うつ病罹患のタイミングが合ってしまったのは不運だった。
本当はもっといろいろなところに連れて行ってあげたい。
特にホテル宿泊が楽しいようだ。部屋でのかくれんぼ。バイキングの食事。大きいお風呂(熱くてすぐ出たらしい)。
非日常はパパもあまり体験できないまま大人になったので、憧れはあった。娘も同じなのだろう。
某夢の国や某スタジオなんか喜ぶのかな?
最寄りのブロックの国は喜んでいたけど。
これは、復職してからのお楽しみ。
***
「妹か弟がほしかった」
1回だけ、娘がママに漏らした本音だ。
兄弟がいればケンカしながらも楽しく遊べていたのかもしれない。
やっぱりひとりは寂しいのだ。
子どもは我が家には生物学上高いハードルだった。
娘に恵まれただけでも奇跡だ。
実子のいる中で養子を取るような覚悟もない。
そんな娘の寂しさを埋め合わせようと、猫を飼うことを考えている。僕はインコやハムスターなど小動物系がいいのだが、娘が猫派である、
はずなのだが、今では親が猫動画を真剣に観ている有様である。
うつ病で収入のない身では責任あるお世話ができないので復職後に考えようと話しているが、いよいよ来年あたり真剣に考えることになりそうだ。
「遊坊」は念願の遊び相手を目の前にしてどんな顔を見せるのか?
一緒に命の大切さを勉強できるといいな。
そしてパパはアレルギーに怯えるのである。
ねぇ、サイベリアンにしませんか?
***
「遊坊」は今日も遊びをせがんでくる。
そんなことを言ってくれるのは、あと何年だろうか。徐々に口もきいてくれなくなるのだろうか。
「遊坊」が現れなくなると、それはそれで寂しいんだろうな。あっという間に過ぎるこの瞬間を、できるだけ家族で面白おかしく過ごしていけたらと思う。
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by とことこてー
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