『古事記ディサイファード』第一巻005【Level 1】超圧縮版漫才風古事記　これだけ読めば暗号が解ける (1)

【Level 1】超圧縮版漫才風古事記　これだけ読めば暗号が解ける

【ミッション0】謎図への入り口

以下の文を読んで古事記の大凡の流れを把握せよ。■

序文～天地開闢

稗田阿礼｢みなさんどーもこんにちは！
　　ヒエダノアレでーす！｣
太安万侶「臣(しん)安万侶(やすまろ)言(まを)さく！」
稗「なんやねん、いきなり！
　　ちゃんと自己紹介せんかい」
太「だから、しとるやないかい！
　　臣(しん)安万侶(やすまろ)言(まを)さく！」
稗「普通にしゃべらんかい、普通に！」
太「オオノヤスマロでーす！」
稗「ヒエダノアレでーす！」
太「それ根元既に凝りて
　　気象未だあらわれず
　　名もなく技もなし
　　誰かその形を知らむ」
稗「なにまた独りで小難しいことしゃべっとんねん？」
太「古事記の序文やがな」
稗「序文どうでもええやん、そんなんすっ飛ばし！」
太「いやどうでもええことないよ。
　〈誰(たれ)かその形を知らむ〉っつーのが意味深なんやて」
稗「いろんな古事記の本見たけどそんなん見たことないで」
太「見たことないやろ？　
　　ここが肝心やのに何事もなかったかのようにスルーされとんねんて」
稗「普通に考えて聖書の創世記のようにこの世の始まりは宇宙が混沌としていてまだ形を成していなかったっちゅうぐらいの意味とちゃいますのん？」
太「そりゃそうなんやけどな、それだけやないねん」
稗「それ以外に何かあるんかいな」
太「ダブルミーニングやねんて」
稗「どんな意味やねん？」
太「誰かその形が解る者はおるか、っちゅうて現代人に対して謎かけをしとるんやないかい」
稗「えっ？　古事記が現代人に謎かけしとる？」
太「知らんけど……」
稗「知らんのかいっ！」
太「……っちゅうわけで今日は古事記の話でございます！」
稗「はいはい古事記なら僕ら二人に任しとき！」
太「せやけどただの古事記とちゃいまっせ！」
稗「どんな古事記や」
太「これだけ読めば暗号が解けるっちゅう話や」
稗「何？
　　暗号て……？
　　古事記は暗号やったんか！」
太「もうバリバリ暗号なんやで」
稗「そりゃあすごいな！
　　でもほんまにワシにも解けるんかいな」
太「解けるんちゃう？」
稗「ホンマかいな！」
太「知らんけど……」
稗「知らんのかいっ……」
太「求めよ、さらば与えられん。
　　訪ねよ、さらば見いださん。
　　叩けよ、さらば開かれん……
　　痛っ！
　　なんでいきなり叩くねん？」
稗「いま叩けいうたやんか」
太「新約聖書や！
　　マタイ伝第七章七節を引用しとるんやないかい！」
稗「古事記の話とちゃうんかい？」
太「せやからな、古事記の謎は一三〇〇年の時を
　　……またいでん……
　　痛っ！」
稗「しょうもない駄洒落で紙数使うなアホ！
　　どこが圧縮版やねん！」
太「ほな思いきり端折っていきまっせ」
稗「はい、トントンと行きましょ！」
太「まず古事記といえば神様のお話ですから」
稗「はいはい」
太「次々に神々が生まれるところからお話しが始まります」
稗「天地開闢(かいびやく)っちゅうわけやな」
太「まず天神(あまつかみ)が生まれまして」
稗「地神(くにつかみ)も生まれまっせ」
太「天神は天界の神々」
稗「地神は地上の神々でんな」

天の岩戸

太「やがて天界で一大事件が起こりますな」
稗「ほう！　何が起こった？」
太「アマテラスオオミカミが岩戸に隠れちゃいましてん」
稗「そりゃおおごとや！
　　アマテラスいうたら太陽の神様でっせ。
　　隠れはったら世の中真っ暗になりまんがな！」
太「史上初の元祖ヒッキーがなんと太陽神やで」
稗「そりゃえらいこっちゃ！
　　でもなんで引きこもりはったん？」
太「弟のスサノオがとんでもない不良でしてん」
稗「弟がおったん？」
太「こいつがぎょうさん悪さしよってからにアマテラスは嫌気がさしてとうとうイジケてもうたんや」
稗「そりゃ困ったどないしよ？」
太「それで天鈿女命(あめのうずめのみこと)というダンサーが踊ってみんなで大騒ぎしましてん」
稗「なんで騒ぐねん？
　　やけになったんかいな」
太「隠れたアマテラスがみんな何を騒いどんのやろ……って思いますやんか？」
稗「そりゃ騒がしかったら気になりまんがな」
太「ちょっと岩戸を開けて外を覗いてみたアマテラス」
稗「ほう、外を覗いた！」
太「その瞬間、手力男命(たぢからおのみこと)が……」
稗「タヂカラオいうたらスーパーマッチョやないかい」
太「隙間に手を入れて岩戸をこじ開けましてん」
稗「アマテラス誘(おび)き出し作戦大成功や」
太「ほんでまた世界が明るくなってとりあえずめでたしっちゅうわけや」
稗「意外と単純やなアマテラス」
太「太陽神やさかい」
稗「でもまあ明るうなって良かった！」

誓約

太「ちなみにスサノオは不良すぎて天界（高天原）から追い出されよった」
稗「自業自得や」
太「改心したのかどうかしらんけど一応お別れの挨拶にきたで」
稗「でもスサノオに不信感しかないから姉ちゃんめっちゃ警戒するんちゃうか？」
太「なにしにきたんやオマエ！」
稗「いやいやいや……お別れの挨拶しにきただけやん……」
太「ほな誓約(うけひ)せんかい！」
稗「ちょっと待て…… ウケイってなんやねん？」
太「今でいうたら誓約(せいやく)や」
稗「ゆびきりげんまんやな」
太「その誓約いうのがなぜかそれぞれ子供の神様を生むという内容」
稗「なんで子供を作ると誓約になるん？」
太「知らんがな」
稗「ヤッサンでも知らんの？」
太「神様を創るわけやから相当な責任を伴うんとちゃうやろか？」
稗「なるほど」
太「子供を作る言うても人間のやり方とは全然ちゃいまっせ」
稗「ほう、どないしはりますの？」
太「まずアマテラスはスサノオの腰に下げている十拳剣(とつかつるぎ)を貰い受けると三つに折って天の真名井(まない)で振りすすぎよく噛んで霧を吹き出した」
稗「ちょっと待て……剣を噛んだんかい？
　　歯が折れるがな！」
太「歯が折れんで刃が折れた！」
稗「おもろな！」
太「吹き出した霧が
　　ダギリヒメ（多紀理毘売(たぎりびめ)命(のみこと)）、
　　イチキシマヒメ（市(いち)杵(き)島(しま)姫神(ひめのかみ)）、
　　タキツヒメ（湍(たき)津(つ)姫神(ひめのかみ)）
　　の三女神になりましてん」
稗「どないなっとんねん？」
太「次にスサノオがアマテラス大神の五つの玉飾りを貰い受けて、同じように天の真名井で振りすすぎよく噛んで霧を吹き出した」
稗「また噛むんかい！
　　どんだけ歯が丈夫やねん？」
太「超微粉砕機も真っ青や」
稗「例えがおかしいわ！」
太「吹き出した霧が
　　アメノオシホミミ
　　（正勝吾勝勝速日天忍穂耳命（まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと））、
　　アメノホヒ
　　（天之菩卑能命（あめのほひのみこと））、
　　アマツヒコネ
　　（天津日子根命（あまつひこねのみこと））、
　　イクツヒコネ
　　（活津日子根命（いくつひこねのみこと））
 　　クマノクスビ
　　（熊野久須毘命（くまのくすびのみこと））
　　の五男神になったんや」
稗「よう舌噛まんで言えまんな」
太「舌噛んだら子供生まれてまうがな」
稗「いや、生まれへん生まれへん。
　　オマエ神様ちゃうやろ」
太「まあ、子供の名前なんかこの際どうでもええやん」
稗「それはそうと、なんで吹き出した霧が新しい神様になんのかようわからん」
太「早い話が互いに互いの持ち物をかみ砕いて霧状に吹き出したら女神と男神が生まれたっちゅうわけや」
稗「ますますわからん」
太「そこでアマテラスは後から生まれた五柱の男神は私の持ち物から生まれたんやから私の子やいうたんや」
稗「持ち物優先かいっ？」
太「先に生まれた三柱の女神はおまえの持ち物から生まれたんやからおまえの子やと」
稗「なんでそうなるんや？」
太「知らんがな」
稗「知らんのかいっ！
　　誓約したら追放免れますのん？」
太「いや結局やっぱり追放されましてん」
稗「なんやそれ！？」

（つづく）

※　最初から順を追って読まないと内容が理解できないと思います。途中から入られた方は『古事記デイサイファード』第一巻001からお読みいただくことをお薦めいたします。

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