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『古事記ディサイファード』第一巻015【Level 3】京都(3)
以上が筆者の実体験をそのまま記録した小説原稿からの抜粋である。
いろいろなところで繰り返しお断りさせていただいているがこの小説は別なペンネームで一時出版されていて、まだ世間に公表してはいけないと判断し二〇年以上前に自ら絶版にしたものである。
そのまま再出版するつもりは全く無いが、リメイクが進行中である。
夢に出てきた山の正体は上賀茂神社の御神体山である霊山、神山と判明した。
賀茂建角身命の娘、玉依比売命が賀茂別雷神を生んだ。上賀茂神社はその賀茂別雷神を祀っている。
又の名を賀茂別雷神社とも言う。
そしてその母の玉依比売命と祖父の賀茂建角身命は下鴨神社に祀られていて、それで、又の名を賀茂御祖神社とも呼ばれる。
上賀茂神社とそこから三キロメートル程離れた場所に位置する下鴨神社の二社を総称して賀茂神社という。
上賀茂神社と下鴨神社が隔年交代で葵祭というのを五月十五日に行なう。これは日本三大勅祭のひとつで、欽明天皇の御代、つまり西暦五四〇年から五七一年の間に始まったとされている。神前に葵を献じて、全部の社殿に葵を飾り、奉仕員が全て葵を着けるので葵祭という。
そして、その葵祭に先立って、五月十二日の夜、上賀茂神社では御神霊をお迎えする秘事である御阿礼(みあれ)神事が行われる。
これは御生神事とも表記され、上賀茂神社の祭祀中最も古くて、厳重な神事で何人の奉拝も許されない。
下鴨神社でも五月十二日に御蔭祭という神事があって御蔭山にある御蔭神社にまで日本最古の神幸列が御神霊をお迎えに行く。これも明治初年までは同じく御生神事と呼ばれていた。内陣での儀式は秘密。
そして、この御蔭山も別名を御生山(みあれやま)と呼ばれる。
妻が夢を見たのが五月十二日、しかもちょうど御霊をお迎えに行く神幸列が出発して間もない時刻、九時半頃だった……というわけだ。
筆者も妻も賀茂神社のことなど全く知らなかった。ましてやミアレ祭りのことなど知る由もない。
この霊夢事件の一年後に妻と筆者は実際に京都へ取材に行き、その経緯も旧著小説には細かく記録されているのだがここでは割愛させていただく。
旅行前には御生山、上賀茂神社、下鴨神社について徹底的に調べ、直接現地に問い合わせもした。
やはり神山は標高三百一メートル、御蔭山は標高二百メートルの別の山だ。けれども両方ともミアレヤマという共通した別名を持つ。正式には上賀茂神社の御神体の神山は御生所山と表記し、下鴨神社の摂社である御蔭神社のある御蔭山は御生山と表記するらしい。
結局、ミアレヤマというのは〈神のお生まれになった山〉という意味の一般名詞なのだと筆者は結論した。
さてここでまたミッションへ戻ろう。
【ミッション4】夢の霊告
京都に隠された図形があるとすればどのような座標で構成されるだろうか? 図形を構成する可能性があると思われる座標を列挙せよ。
勘でも当てずっぽうでも構わないので京都に図形が現れるとすればどのような座標が考えられるか、思いつく限り列挙してみていただきたい。
ここでは定まった正解というのは無い。
ただ、重要なポイントがいくつかあるのでそれらの一つでも含まれていれば正解とみなすことにしよう。■
【解答4】
ここでは絶対的な正解というものはない。
例えば筆者らが当時訪れた場所は以下の通りであった。この中の一つでも含まれていればミッション4の答えとしては正解ということにしよう。
神山(通称ミアレ山)
貴船神社
貴船神社奥宮
蛍岩
舟形石
六角堂
上賀茂神社
下鴨神社
河合神社(糺ノ森の南の方にある下鴨神社の摂社)
御蔭神社
御蔭神社(上高野、叡山電鉄の八瀬遊園駅の南西。地元でもあまり存在が知られてない)
金閣寺
天智天皇陵
小倉山
寂光院
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摂社、末社と言うのは本社に付属する神社のことである。縁故の深い神様を祀った神社が摂社。それより小さいのが末社。
金閣は足利義満の建てたもので、しかも仏教のお寺でありミアレヤマとは一見無関係に思える。
金閣寺というのは通称で正式には鹿苑寺と言い、元々西園寺公経と言う人の山荘だったのを足利義満が買い取った。白蛇塚という西園寺家が鎮守として祀っていたものや、榊雲という小さな神社があり、春日明神を祭っている。つまりお寺でありながら神社も内包しているのだ。
六角堂は聖徳太子が夢に霊告を受けて建てたもので頂法寺というお寺の一部である。京都の中心と言われ、ヘソ石という不思議な石がある。
他にも注目すべき座標はたくさんあるし、筆者もまだ気づいていない座標を読者の皆さんが見つけられる可能性もある。
【ミッション5】古都に秘められた謎
前項に挙げた地点座標群の中に奈良の大和三山で見られたような関係性があるだろうか? ■
(つづく)
※ 最初から順を追って読まないと内容が理解できないと思います。途中から入られた方は『古事記デイサイファード』第一巻001からお読みいただくことをお薦めいたします。
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