コッツウォルズの旅 ツアー編 2
(見出し画像は、2019年8月イギリス・コッツウォルズのカッスルクーム(Castle Combe)で撮影したものです)
イギリス滞在中、念願だったけれどその交通の不便さから躊躇していたコッツウォルズへの旅。
現地の生活にも慣れ、実現できると踏んだ私はリサーチの末、まずはツアーに参加して、公共交通機関ではアクセスの難しい村々へ赴いた。
今回は “ツアー編 1” に続き、当日の午後以降周った地域を辿っていこうと思う。
ツアーのルート
私の参加したツアーのルートを改めておさらいしておこう。
このツアーは、バース(Bath、地図では左下)を起点に
テットベリー(Tetbury)
サイレンセスター(Cirencester)
バイブリー&アーリントン・ロー(Bibury & Arlington Row)
マームズベリー(Malmesbury)
カッスルクーム(Castle Combe)
レイコック(Lacock)
と、コッツウォルズの小さな村々を一日かけて西回りにぐるりと巡るプランだった。
”コッツウォルズの旅 ツアー編 1” では、テットベリー、サイレンセスター、バイブリー&アーリントン・ローの軌跡を辿ったので、本編ではマームズベリー以降をご紹介しよう。
マームズベリー(Malmesbury)
それまで奇跡的にお天気に恵まれていたものの、マームズベリーに入って一転、曇り空が覗き始めた。
急に雲行きが怪しくなったかと思えば、また晴れ間が戻ったりと安定しない空模様だったこの日の午後。
そんな空のご機嫌はさておき、マームズベリーで一際印象に残っているのがグリーン(芝生)の美しさと鮮やかさ。
“The Old Bell Hotel” で一瞬陽が射した時の美しさは、今も脳裏に焼き付いていて忘れられない光景の一つである。
そしてこのThe Old Bell Hotel、ただならぬ存在感と美しい佇まいが気になってあとで調べてみると、なんと英国最古(1220年創業)の四つ星ホテルだという。
イングランドの素朴さとホスピタリティを兼ね備えた美しいホテル。いつかまたコッツウォルズをゆったりと巡る機会に恵まれたら、泊まってみたいと思わせるすてきな場所だった。
次は、マームズベリー修道院へ。ここでも陽が射したり曇ったりを交互に繰り返す不安定なイングランドのお天気。
そんな曇り空でも目と心を癒してくれるのは、色鮮やかな花々とグリーン。イングランドの人々も、同じ気持ちで植物を丹精込めて育てるに違いない。
カッスルクーム(Castle Combe)
バスで巡るコッツウォルズのツアーも終盤に差し掛かってきた。
次に訪れたのはカッスルクーム。到着してバスから降り立った時、それまで訪れた地域とはまた異なる、人里離れた山間の集落のような趣を感じたことを覚えている。
ここでもまた、コッツウォルズを象徴する蜂蜜色の家々が軒を連ねていた。
晴れ間が覗くと、蜂蜜色の家は暖かく色づき、コッツウォルズならではの美しい情景を明るく照らし出す。
当時の住まいブリストル(Bristol)からほんの1時間程度の場所なのに、それはまるで違う世界に来ているような、穏やかな、けれど非日常を感じさせる佇まいだった。
レイコック(Lacock)
そしてこの日最後の訪問地となったレイコック。
最後は雨に降られてしまったけれど、これまでのバイブリーやカッスルクームと違う雰囲気を味わうことができた。
何ということはない、普通のお宅の軒先が絵になるコッツウォルズ。
小さい村ながら、かわいい民宿やパン屋さん、お土産屋さんが随所にあってつい足を止めてしまう街並み。
蜂蜜色の外壁と蔦と鮮やかな花々。コッツウォルズでは、このコンビネーションが本当に美しい。
バイブリーが農村地帯の合間の集落という雰囲気なら、カッスルクームは山間の素朴な村、そしてレイコックは小ぢんまりした、洗練された情緒漂う集落、といった風情だった。
家の趣や構造は大きく違わない。けれど村の雰囲気はそれぞれに異なり、個性を感じられるものだった。
コッツウォルズは、イングランドの人々の心の故郷と言われる場所。この日訪れた村々は、真髄そのものだろう。
当初は何とか自力で、とツアーを使わずに訪れることを目論んでいたものの、今回訪れた地域は公共交通機関ではアクセスが難しい場所。結果的に良いツアーでイングランドの素朴な日常に触れられ、思い描いていた旅をようやく実現でき、私は充足感に溢れていた。
帰り道、バスの車窓から牧歌的な田園風景をぼんやりと眺めながら、このツアーに参加して良かったと心から満足感を覚えると同時に、この後、個人で交通機関を駆使してさらにコッツウォルズを巡る旅に、私は思いを馳せていた。
ツアー以外で訪れたコッツウォルズの観光地
このツアーの後、私は鉄道と路線バスでチェルトナム(Cheltenham)を拠点に
チッピング・カムデン(Chipping Campden)
ボートン・オン・ザ・ウォーター(Bourton-on-the-water)
ブロードウェイ(Broadway)経由のみ
ストラトフォード・アポン・エイボン(Statford upon Avon)
グロースター(Glouster)
オックスフォード(Oxford)
を訪れることができた。
注: グロースターとオックスフォードはコッツウォルズには含まれない
路線バスで各地を巡る旅もそれは楽しいものだった。この後も、また旅の続きを少しずつ綴っていきたいと思う。
※ 挿入されている写真及び画像はすべて筆者によるものです。
(Cotswolds, 18 August 2019)