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クリエイターのセルフブランディングを考える
1人一台スマホを持つようになって、インターネットの使われ方はそれ以前に比べ大きく変わった。
2005年以前、ネットには美しきオタクしかいなかったように思える。掲示板や限られたサイトでガジェットやPC関連のギークな情報をやりとりしていた。スマホ全盛になりSNS時代に入ると、ネットは生活インフラのようになりマジョリティの場所となった。限られた趣味の合う人だけで関われた前インターネット時代は終わり、実生活と変わらず様々な種類の人間が重なり合う場所となった。結果的にささやかな争いから揚げ足取り、格差や差別やヘイトを生み出すことになり、どうやらインターネットは必ずしも世界を良くするわけではない、ということに皆んなが気づき始めた。
既にインターネットが経済活動の一部として使われているのは事実で、産業次元に関わらずネット無しでビジネスを営むのは、なかなか難しい状況になっている。
そんな中、いかにネットから降りるかを模索しながらも、いつもバランスの取り方を考えてきた。
クリエイターのネット活用については様々な議論があるが、ネットがなかった時代に比べると、自分の生み出したもの、作ったもので食っていける可能性は明らかに高まったのではないだろうか。
何か著名な賞を取っている人もいない人も、権威のある芸術大学で学んだ人もそうでない人も、作品のレベルや経験値に関わらず、作品は並列に並び、データベース的に消費される。SNSプラットフォームの台頭はそのデータベース消費を更に加速させた。
クリエイターでも、クリエイターでなくてもネット上での立ち回りは実生活に影響を与えるほどに重要になっていて(例えば、就職する時にウェブサイトやSNSやポートフォリオの提出を求められることもそう)、ネット上でのプレゼンスをいかに確立するかは、多くの人にとって課題になっているのではないだろうか。
ネット上での活動を行うとなると、実質的な問題として例えば、プロフィールをどう書くか、アイコンを何にするか、ウェブサイトのデザインはどのようにして、何を掲載するのか。などといった、多くの選択が生じる。
僕自身も長年、フォトグラファーとして、ブロガーとして、大きな括りでいち発信者として、そのような問題に悩まされてきた。(ささやかだけれど、大きな問題だ)
そういうのが面倒だから、全て適当にやって、ひたすら消費に走る、でも悪くはない。むしろどのような態度で接してもいいのがインターネット本来の自由さであったはずだ。しかし、いつから、ちゃんとしなければならないような「雰囲気」が作られたのだろう。それはおそらく東日本大震災の2011年あたりからだと思うが、その分析はまた別の機会にしたい。
とにかくネット上にいかにプレゼンスを獲得し、活動していくかはどのような種類のクリエイターであっても重要になってきているということ。
世の中には例えば「SNSのフォロワーを増やす方法」みたいな情報が溢れているわけだけど、増やすかどうかは別にして、楽にストレスなくネット上で活動する=プレゼンスを獲得するために、僕が気をつけているのは以下の6つのポイントだ。
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