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主婦歴7年目のおごり

スーパーに行く前には買うものをメモする。買いたいものが3つを超えると必ずどれかを忘れるから。

たまご、牛乳、ケチャップ、玉ねぎ、豆腐。

メモと書いたが、実際は夫のLINEに送信する。紙のメモで完結してしまうと自分だけの責任になってしまうから、買い忘れたときの共犯者を作るために夫にも共有しておく。ほとんどの場合既読はつかないから確認されていないのだけど、それでも二人の責任にするために、LINEへ送信する。

しかし、いざ買い物に行くと、メモを見ずに買い物を終え帰宅することが多々ある。そして何かを買い忘れる。買い忘れ防止のためのメモなのに、自分の記憶力を過信してしまうのだ。

スーパーを一通り回れば買いたいものを全て思い出せる気がしてしまう。野菜コーナーからスタートして肉・野菜、乳製品など全てを見回る。まあ一通り見たし、多分大丈夫か。ここでメモを見返せばすぐに分かることなのに、なぜ自分を信じ過ぎてしまうのだろう。

普段から自信過剰というわけでは全くない。むしろ自分のことを疑っているから、ヘアアイロンのコンセントを抜いたかどうか声を出して確認するし、鍵を閉めたかどうかが不安になったときはエレベーターを降りた後でも確認しに帰るし。

なのに、スーパーにいるときだけは自信に満ち溢れている。主婦歴7年ということに少しおごっているのかもしれない。自分がスーパーで買い忘れなどするはずがない。冷蔵庫の中身を思い出し、頭の中で照合しながら食材を購入することができる、と。

実際は食材ストックなど覚えているはずもなく、一人で買い物に行ったときは夫に電話をして

「にんじんまだ家にあったけ?ない?買って帰るわ。ありがとう。」

こんなやりとりをするのに。それなのに、わたしは書いたメモを確認しない。毎回見ないわけではないが、今日は全部買えてそう。と思ってしまうのだ。

特に、「お麩」など、普段買わない食材を買う任務があるときは、買い忘れが多く発生する。

お麩はどこに売ってるかな?あった!でもどれがいいんだろう、そんなにたくさんは使わないしな、まあ安いこれにしておこう。考えることが多過ぎるから、お麩を選べた時点で安心感に包まれ満足してしまうのだ。

野菜コーナーの広告の品に惹かれるところから始まり、30%割引の文字があれば肉や魚をカゴにいれ、新商品のお菓子があれば買う予定がなくてもとりあえず見て。それらに惑わされることなく、お目当ての品のみを忘れず購入することの難易度は非常に高い。

だからこそメモが役立つはずなのに。スーパーに入った途端、自分だけは大丈夫だと過信し、メモを見ずに買い物をしてしまう癖を辞めたい。

あぁ、またケチャップを買うの忘れた。


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