見出し画像

秋の憂鬱を解消する方法

秋は日照時間が短くなり、太陽にもらっていた幸福物質が減るためしんどくなりやすい。

ネットに書かれた情報の通り、わたしもこの秋、謎の憂鬱に悩まされた。

理由不明のモヤモヤがあるときは、とりあえず本屋さんに行く。並んでいる本を夢中で見ていると、しんどかった気持ちがどこかへ行き、大体のことが解決するから。この日も朝から行ってみた。

でも、本を開いても開いても心がスッキリするどころか、どんどんどんどん曇っていく。
世の中はこんなにもすごい人たちで溢れているのか。自分はなんてちっぽけな人間なんだ。著者たちの才能に圧倒され、本屋にいることが苦しくなってきた。

「インスタで夢を叶える」という文字が目に入ってきた。インスタで夢を叶えたいわけじゃないしなあ。

本屋を出て、中古の本屋へ行った。

居心地がいい。CDやゲームと共に雑多に並んだ本を見るのが今の気分にあっていた。普通の本屋はきれいすぎて、今日の自分にとっては少し眩し過ぎたようだ。

モヤモヤを晴らしてくれる本があることを祈りながら、ひたすら探す。
でも、小説のコーナーはやっぱり見れない。いつか自分でも書きたいと思っているから、小説を読みたいのに。今の自分にとって小説は「読みたいもの」ではなく「読まなければいけないもの」になってしまっていた。

本は「読まなければいけない」で読むものではない。

ジャンルはなんでもいいから、今自分が純粋に読みたいと思える本を探そう。30分ほどで、6冊も見つかった。なんや、自分、大丈夫やん。まだ読んでいないけど、モヤモヤが晴れる予感がして安心した。

おとなになるってどんなこと?を読んで以来ハマっている吉本ばななさん。お名前から吉本興業を連想し、少し前まで勝手にコミカルな文章を書く方なのかと思っていました。娘は「おにぎりバナナさん」と間違って覚えています。
左:「きれいになりたい気がする」ってとてもポジティブでいいなと思ってタイトル買いしました。ジェーンスーさんの本を読むのは初めて。
右:川上未映子さんは、穂村弘さんとの対談エッセイで知り、もっと読んでみたくなったので。あ、帯の文章ジェーンさんが書いてる。
左:ものがわからない私にとって助けになる本な気がして、ずっと欲しかった一冊をついに購入しました。「考えても答えは出ません」と帯で言い切ってくれてることの安心感。
右:さまぁ〜ずのファンをしているとふかわさんを目にする機会が多く、いつの間にかふかわさんのことも好きになっていました。あ、これも帯ジェーンさんが書いてる。

勉強のために、とかそういう気持ちをとっぱらって選ぶとこんな感じなんだ。少し前まで当たり前のようにできていたのに、文章を書きたいと思い始めてからはそれができなくなっていた。

芥川賞受賞のあの人が三島由紀夫を読んでたから自分も読まなきゃ、大きな賞を受賞する人の文章はどんな文章なんだろう?研究のために読まなきゃ。

そんな読み方じゃ面白いわけがないって、客観的に見ればすぐに分かるのに。自分のことになると視野が圧倒的に狭くなってしまう。

面白そうだから読みたい。それだけでいい。

6冊の中から、まずふかわりょうさんの小説を読み始めた。毎行ふかわさんのネタを見ているようで面白い。あっという間に読み終わった。久しぶりに本を読むことを純粋に楽しめた。

自分なりの面白いを選んで積み重ねていくだけでいいのだ、ということにようやく気がついた。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集