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【長い5分間】病院で助けを求めたらラジオ体操を処方された女の13日目

5分は、とてつもなく長い。

呼吸トレーニングを始めてから、毎日真面目に続けている。歯が痛くてどうにもならなかった1日を除いては、欠かさずに行ってきた。それでも、毎回5分という時間の長さに驚かされる。たかが5分、されど5分。呼吸トレーニングを始めるたびに、どうしてもこの5分が永遠に続くように感じてしまう。

頑張っても時間は短くならない。カウントしているので、回数が減るわけでもない。まるで時計の針が、私をからかうようにゆっくり進む。呼吸を整えることは重要だと頭では理解しているけれど、トレーニングの初めの数秒でいつも「ここで止めてしまおうか?」と心の中で小さな悪魔がささやく。

「吸って、吐くだけ」なのだから、特別楽しいわけでもない。いや、ほんの少しの楽しみはある。4カウントでどれだけ深く吸えるか、8カウントでどこまで限界まで息を吐けるか、そんなことを考えるくらいだ。とはいえ、それが私にとっての唯一の“ゲーム感覚”。残念ながら、ボーナスポイントはなし。誰も「すごいね!」と褒めてくれるわけでもない。自分一人の戦いだ。

それでも続けているのは、少しでも元気になりたいからだ。今の私にとって、呼吸トレーニングは文字通り息継ぎのような存在。少しずつ、息切れが減ってきているのを感じる。毎日の積み重ねが、自分を少しずつ前進させている。その実感があるからこそ、「もう少しだけ頑張ろうか」と思えるのだ。あと5分だけ、いや、たかが5分、されど5分。

そして、明日からはラジオ体操が始まる。まさか、自分がこんなにラジオ体操にドキドキする日が来るとは思わなかった。やるのはスローテンポのラジオ体操だけど、心の中では「いざ、決戦!」くらいの気持ちでいる。先生に処方されたから仕方なく始めるわけだけど、やってみれば何か新しい発見があるかもしれない。いや、そうあってほしい。たとえそれが「やっぱりラジオ体操ってしんどいな」だったとしても。

とはいえ、ラジオ体操が始まったからといって、呼吸トレーニングを止めるわけではない。呼吸は私にとって基礎であり、命の綱のようなものだ。少なくとも、これまで大きな助けになってくれた。5分がどれだけ長く感じても、その5分が私の健康への架け橋になっていると信じている。

「5分は長い」。これは、もうどうしようもない事実だ。でも、その長い5分の積み重ねが、いつか大きな変化を生み出すかもしれない。ラジオ体操と呼吸トレーニング、この2つが私をどれだけ元気にしてくれるのか、楽しみながら続けていこう。少しでも元気になれたら、それでいいじゃないか。

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