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2020/05

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自粛生活 5月編
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#物語

-配色-

男は 白い花を探していた。 一軒目。 白い花は、他の色の花に比べて高かった。 その理由を店主に聞くと、 「何といっても 自信がありますからね。 うちの看板商品ですから」 と答えてくれた。 二軒目。 白い花は、他の色の花に比べて安かった。 その理由を店主に聞くと、 「一番売れますからね。 うちの看板商品ですから」 と返してくれた。 三軒目。 白い花は、他の色の花と同様の値段であった。 その理由を店主に聞くと、 「一応うちの看板商品ですね。 もちろん、他の色の花もおす

-蜂と蝶-

若造は あまり気乗りしない面持ちで パピヨンの街へと向かっていた。 「機械のカラダを 手に入れるなんていうのは、 聞いたことがないぜ」 この頃、若造には 「銀河鉄道999」のストーリーが 頭に浮かんでいた。 不死の身体を手に入れるために、 ある少年が謎の美女と 銀河を旅する物語である。 そうして、 パピヨンの街に着いた。 しかし、 一見したところ とりわけ人々に 変わった様子は見られない。 「なんだ、こんなもんか」 そう思っていた矢先に、 とある少年が 若造に声を

-笛吹き-

男は、 場末の町中を ふらついていた。 途中までは ただあてもない感じが していたのだが、 以前川の近くで 自らを助けてくれた とある女の気配を感じ、 どことなくこの町に 流れ込んだのだ。 男はおもむろに、 自前の笛を取り出した。 ただ一心に 笛を吹く。 むろん、 とりわけの 応答はない。 しかし、 目についた 角にある雛屋の中からは、 わずかな物音が 聞こえる気がしたのである。 男は、 もう少し 笛を吹きたい気持ちに駆られたが、 時機が向いていないように感じられ

-青い靴-

中年男 「さあ、お嬢さん。どの色の扉にするかな」 打ち付けの壁に目をやると、 左から 赤、黄、青色の 3つの扉が用意されている。 中年男 「好きな色の扉を選んでね。 その先に、 あなたの幸福が 待っているかもしれないよ」 赤の扉、黄の扉にも惹かれたが、 なつみが選んだのは 青の扉だった。 ギィィ、、 とゆっくり扉を開けると、、 チュンチュン! 窓の外からは小鳥のさえずりが聞こえる。 「なんだ、夢か、、」 なつみは ゆっくりと ベッドから起き上がった。 なつみ