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男は 白い花を探していた。 一軒目。 白い花は、他の色の花に比べて高かった。 その理由を店主に聞くと、 「何といっても 自信がありますからね。 うちの看板商品ですから」 と答えてくれた。 二軒目。 白い花は、他の色の花に比べて安かった。 その理由を店主に聞くと、 「一番売れますからね。 うちの看板商品ですから」 と返してくれた。 三軒目。 白い花は、他の色の花と同様の値段であった。 その理由を店主に聞くと、 「一応うちの看板商品ですね。 もちろん、他の色の花もおす
若造は あまり気乗りしない面持ちで パピヨンの街へと向かっていた。 「機械のカラダを 手に入れるなんていうのは、 聞いたことがないぜ」 この頃、若造には 「銀河鉄道999」のストーリーが 頭に浮かんでいた。 不死の身体を手に入れるために、 ある少年が謎の美女と 銀河を旅する物語である。 そうして、 パピヨンの街に着いた。 しかし、 一見したところ とりわけ人々に 変わった様子は見られない。 「なんだ、こんなもんか」 そう思っていた矢先に、 とある少年が 若造に声を
男は、 場末の町中を ふらついていた。 途中までは ただあてもない感じが していたのだが、 以前川の近くで 自らを助けてくれた とある女の気配を感じ、 どことなくこの町に 流れ込んだのだ。 男はおもむろに、 自前の笛を取り出した。 ただ一心に 笛を吹く。 むろん、 とりわけの 応答はない。 しかし、 目についた 角にある雛屋の中からは、 わずかな物音が 聞こえる気がしたのである。 男は、 もう少し 笛を吹きたい気持ちに駆られたが、 時機が向いていないように感じられ
中年男 「さあ、お嬢さん。どの色の扉にするかな」 打ち付けの壁に目をやると、 左から 赤、黄、青色の 3つの扉が用意されている。 中年男 「好きな色の扉を選んでね。 その先に、 あなたの幸福が 待っているかもしれないよ」 赤の扉、黄の扉にも惹かれたが、 なつみが選んだのは 青の扉だった。 ギィィ、、 とゆっくり扉を開けると、、 チュンチュン! 窓の外からは小鳥のさえずりが聞こえる。 「なんだ、夢か、、」 なつみは ゆっくりと ベッドから起き上がった。 なつみ