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ピョン平は B国のとある 出版社に勤めていた。 しかし、 経済情勢が悪化し B国は隣国Aに 吸収合併されることになった。 会社の方はなんとか 存続できることになった。 出版社の編集長はこう言った。 「A国は経済活性化が命だ。 お前はもっと経済問題の記事を書け」 もとB国の住人は あまり経済に詳しくないことを、 ピョン平は知っていた。 彼自身もそこまで精通していないのを 認識している。 気乗りはしなかったが、 彼の生活のため もとB国の住人のために 各国の経済状況につ
昨日までに すごい量の雨が降った。 家のすぐ近くの小川は、 明らかに水かさが増していた。 ケイコはその小川の土手で いつものように遊んでいた。 すごい勢いの流れだなあ とケイコはじっと川を見つめていたが、 何か引き寄せられるかのような 錯覚も覚えた。 昼過ぎにはよく晴れて、 近所のマナブと駆けっこをしていた。 ケイコは活発な女の子で、 兄トシアキの影響もあってか 木登り、水泳、虫取り なんでもやった。 当然、マナブとの駆けっこでも いつもケイコの方がはやかった。
夏にクラブでゆかりと知り合った。 ゆかりと一緒にいると ユズルは気持ちが和んだ。 ただちょっと 刺激に欠けるところは お互いにあったかもしれない。 ゆかりは19歳の短大生で、 冬から春にかけて就職活動を控えている。 対してユズルは大学3年生だが、 大学院に進学しようとしていたので 仕事探しはあまり現実的ではなかった。 12月にユズルはふられる。 ゆかりは就職活動に専念したいとのこと。 ゆかりはとても真面目な性格だったから、 ユズルは何も言うことができなかった。 翌
同僚のミカちゃんのことが さとるの頭から離れなくなった。 ミカちゃんは さとるよりも年齢が八つも下だが、 とてもしっかりしていて、 それでいてどこかのんびりなところがある。 現在の職場になってからというもの、 ミカちゃんはさとるの関心の的ではあったが、 彼女には長年付き合っている彼氏がいる。 とてもハンサムな男だ。 さとるは思った。 そりゃあ、かわいい子を 他の男は放っておかないだろうに。 こうも思った。 あの子にきちんとした彼氏がいるからこそ、 こちらとしても 気安
西暦20XX年 4月 ー職業選択所ー コンピューターI 「職業コースをお選びください ①政治コース ②経済コース ③法律コース」 タケル「・・・ どのコースが一番就職しやすいですか」 Ⅰ「あなたの経歴からすると ①か③がオススメです」 タケル「・・・ ちょっと席を外します」 タケル Y大学4年生 22歳 法学部在籍。 大学3年生の時に父親が倒れる。 下には高校3年生の妹、 中学2年生の弟がいて、 もう家に経済的負担はかけられない状況がある。 タケルはふと 空を眺め
小学校に入学してから 2年目の冬を迎えようとしていた。 同級生は平気で 半ズボンを履いていたが、 マモルは寒がりで とても着る気には なれなかった。 ちょうどクラスの 席替えがあって、 マモルの席は後方から2列目になった。 後ろの席はあまり 気が乗らなかったが、 自分のすぐ後ろには ミキがいたので、 退屈はしないかな と内心では思っていた。 ミキは綺麗で 気が強い女の子だった。 多少わがままなところが あるようにも感じられた。 そんなミキから とある日、 交換日記を