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映像化された話題の小説を読んでみた
柚月裕子さん著書「朽ちないサクラ」。
Audibleにて聴きました。
「孤狼の血」を続編含めて読み、「ミカエルの鼓動」なども読み続けて、アウトローな世界から医療の現場まで描く知識の広さに感嘆。
そして最近映画化され話題になった本作。
警察が舞台の作品でありながら、誰が犯人でどうなのかということにとどまらない大きなテーマを感じながら読みました。
自分の倫理観は果たして正しいのか。
深く考えさせられる物語です。
○ざっくりストーリー
ストーカー被害に悩まされる女性と、その家族が警察に相談に訪れるも中々対応してもらえず、女性が殺されてしまう事件が発生。
そして、相談があった間に警察が慰安旅行に行っていた情報が漏れてしまい、警察には批難の声が多数寄せられる。
主人公の広報職員森口泉は、友人で記者の津村千佳が情報をリークしたと憤慨するも、千佳は情報をリークしていないと真っ向から否定。
そして、それを証明するといい、どこから漏れたか調べ始めるが、千佳が何者かに殺される事件が発生。
県警の広報職員である泉は、千佳の死の真相を知ろうと独自で調査を始める。
千佳の死に近づいていくほど、予想だにしなかった真実がどんどん見つかっていく。
○感想
最初は警察の不祥事から始まり、調べていくとその裏で暗躍する大きな力が見えてくるといったストーリー展開でした。
書きすぎるとネタバレになるため書けませんが、自分の力の及ばないほど大きな力と対峙したとき、自分の考えというか正義を貫けるのかと考えさせられました。
世の中には矛盾することや、必要悪という言葉もあり、自分個人としての倫理観と、社会・国や世界の大きな視点で考える倫理観ではどちらが正しいのか。
多くのことを考えさせてくれ、学びが多い作品でした。
○まとめ
読み終わり、タイトルを見返してなるほどなと思いました。
はっきりした終わり方ではないかもしれませんが、大きな問いを投げかけられる作品。
警察系の小説が好きな方にオススメです。
そして続編の「月下のサクラ」へと続きます。
これもこれで、朽ちないサクラとは少し違った楽しさがありました。
Audibleで2作品とも聴けるので、気になった方はぜひどうぞ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
おしまい。