「朽ちないサクラ」続編もAudibleで聴ける!
「月下のサクラ」(柚月裕子 著)をAudibleにて読了しました。
映像化された「朽ちないサクラ」の続編となる今作。前作で広報課職員だった主人公、森口泉が刑事となったところから物語は始まります。
事件を追っていく刑事もの小説。今回個人的にテーマだと感じたのは、自分自身の信念を持てるかどうか。配属された課の先輩からも、泉は刑事に一番大切な信念を持っていると褒められるシーンがあります。
信念を持つことは、自分の言動に一貫性を持てるものの、少しでもそれに反する行動をとってしまったときは、自己嫌悪に陥ってしまう難しい性質なんだと思います。
この小説の主人公、そして登場人物たちを通して自分の軸となる信念の重要さを感じ取れました
〇ざっくりストーリー
刑事となった森口泉は希望する機動分析係の実技試験を受けるも、ミスを犯して不合格になりかける。しかし、係長の黒瀬にずば抜けた記憶力を認められ希望する課への配属が決定する。
周囲からは黒瀬のおかげやなんだと言われて落ちこぼれのような扱いを受けるも、負けないように業務に邁進する泉。
そんななか、警察内部で会計課の約1億円が盗まれる事件が発生。ずさんな管理体制であったこともわかり、市民からバッシングを受け、事件の解決を機動分析係が中心となって動き始める。
そして会計課の前課長が事件前に退職していること、監視カメラに怪しい人物を見受けられなかったことから内部犯の可能性が強まっていく。早期の事件解決に向けて総出で動き出すも、肝心なところを明かさない黒瀬に不満を覚える泉。
しかし、他の同僚たちから黒瀬の過去の経験を聞き、一つ一つの言動に黒瀬なりの思いがあったことがわかる。
事件を解決するために泉は全身全霊で捜査にあたり、捜査を続けていくうちに事件はさらに大きな問題へと発展していく物語。
〇感想
前作同様に主人公の真っすぐな性格がこのシリーズの一つの魅力。今作では記憶力の良さが主人公に加わっていて、それもこの作品の一つのキーポイントになっています。
主人公泉の信念の強さ、なぜ刑事を希望したのか、公安に対しての思いなど、前作「朽ちないサクラ」を読んでから読むとさらに物語の背景が分かり楽しめます。
この作品で、信念を持つことでぶれない自分を作れること、そして信念をいたずらに曲げてしまったときの自己嫌悪に陥らないためにも信念は絶対的に守るものなのだとも思いました。
刑事、シリーズものなどが好きな方におススメです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
おしまい。