幸せになるためには自己肯定感を上げないといけないという話
意外に思うかもしれませんが、私の知る経営者及び投資家の皆さんはあまり幸せそうではありません。
一番上の人だと総資産は100億円以上持っていると思いますし、一番下の層でも2億以上は持っています。
私なんぞより何倍も上です。
それでも彼ら・彼女ら(以下では女性もまとめて「彼ら」といいます)は幸せそうにはしていません。
未だに激務を続けていますし、仕事(士業や会社経営など)を辞める気配すらありません。
若い頃の私はそれがとても不思議でした。
一般的な人間が、一生涯で使うお金なんてたかが2~3億円程度です。
かなり贅沢をしたとしても5億円あれば十分に遊んで暮らせます。
税金(所得税と住民税)を差し引いて考えると、実際に使うお金はもっと少なくて済みます。
彼らの年齢と今持っている資産額を考えると、すでに仕事なんか辞めて遊んで暮らして良い頃です。
正直孫の代まで遊んで暮らせます。
それでも毎日強度のストレスに晒される仕事に身を投じています。
そしてそのストレスを発散するために高級キャバクラ等に行って大金を浪費するわけですが、若い頃の私には全く理解ができないというか、価値観が違うなと思っておりました。
恐ろしい値段の高級車を買ったりしている人も多いですが、ほとんど乗れていないので買った意味が無いのではと思っておりました。
あれから10年ほど経ちまして、私自身もほぼ中年と言って良い年齢になりました。
すると少しずつ彼らの気持ちがわかってきます。
彼らは、自己肯定感が著しく低いのです。
違う言い方をすれば、理想が極めて高いのです。
自分はこんなものではない、こんな成功で満足してはいけない、あいつよりは全然下だ、などと考えています。
ちなみにその比較対象は孫正義さん(日本の長者番付2位)だったり、柳井正さん(同1位)だったりします。
彼らが目標とする人たちは、日本のトップ層であったり、今話題の上場ベンチャーの創業者だったりします。
そういう人たちと比べて、自分の総資産額が小さいことにかなり強い劣等感を持っているのです。
飲み会の場で現にそういう発言をよくします。
その劣等感が仕事をし続ける理由になっているようです。
素晴らしい向上心だなと尊敬している反面、幸せになれる条件が既に揃っている人たちが幸せになっていないのは不思議だなとも思っています。
ちなみに、奥さんたちは幸せそうです。
旦那のお金をいくらでも使えるので、悠々自適な生活をしています。
明らかに無駄としか思えない金の使い方をしている人も多いので、私が旦那の立場だったら耐え難いですが、旦那は仕事に集中しているので気にしていないようです。
いずれにしても、幸せになるためにはお金だけじゃダメなんだなと考えさせられます。
自己肯定感がある程度高くないと、幸せを感じづらい状況に陥ってしまうのです。
彼らの多くは、部下や従業員の前では、自信満々に振る舞います。
常に堂々としていて、自信に満ちた発言をよくしますし、どんな困難な課題であっても自分が何とかするという姿勢を見せてくれます。
しかし、私が見ている範囲では、かなり劣等感を抱えていて、自分を肯定できていません。
お酒が入ると周りに対して「俺はすごいだろ!」というニュアンスの発言を連発してしまうのも、自己肯定感の低さの裏返しであり、他者に対して承認を求めてしまうくらいには苦しんでいるのです。
あれだけの資産を持って、あれだけ立派な高級マンション又は一軒家に住んで、あれだけ高い車や装飾品を手にしているのに、心は不安でいっぱいなのです。
理想が極めて高いからこそここまで来れているのだと思いますが、どこかで自分を認めてあげないと、一生辛いまま働き続けることになる気がします。
仕事が好きで堪らないのであれば良いですが、そうは見えないので、心のバランスを取るのが難しそうです。
自己肯定感は妥協や諦めと表裏一体のところがあるので、彼らにとっては逃げや挫折と同義なのかもしれません。
私の中では、幸せになることが至上命題なので、そのために妥協や諦めが伴う自己肯定をしないといけないなら、何とかして妥協します。
目標は定期的に更新し続けるつもりですが、今までやってきたことや、積み重ねてきたものは、認めてやりたいと思っています。
過去の自分、よう頑張ったと。
そして、これからも死ぬまでは頑張れと。
・・・・いや、やっぱり自己肯定は難しいですね。
この記事を書きながら、あのときもっと上手くやれたなとか、あのときもう一方の選択肢を取っていれば資産は今の倍になっていたなとか、心のどっかで考えてしまう自分がいます。
私も無理そうです。