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サンタルチアの歌声が響くナポリ 青の洞窟

チンクエ・テッレの大遅刻の反省を胸に我々一行は南へ。
イタリア半島を南下すること約4時間、ティレニア海に面した港町ナポリが次の目的地です。

ナポリに着いて乗ったタクシーの運ちゃんはスマートフォン弄りながら運転、「頼むから事故らないでよ」とハラハラしながら見てたのですが、今度は隣のバスと道の譲り合いで揉めて喧嘩を始める始末。

しばらく走って信号で停車すると驚いたことに、さっきまで言い合っていた二人が、まるで親友のように笑顔で話し始めるのです。

イタリアは日本同様、南北に長いです。
北のミラノやフィレンツェから感じるのはドイツにも似た几帳面さ、対する南のナポリの人たちからは陽気さや豪快さといった南国感を感じます。

ただ不思議とこの雰囲気が心地いいのです。香港に長い我々には、この陽気で寛容な空気が妙にフィットしたことを覚えています。

とにかく陽気な運ちゃん

そして、ナポリ滞在の目玉はなんといっても青の洞窟ツアーです。
天候に左右されるツアーなので、数日滞在しても行けなかったという話を聞くにつけ、一発で行けた我々はラッキーだったのですね。

ラッキーと言えば快晴に恵まれたのもそうですが、それと同じくらいラッキーだったのが、日本語ペラペラのベテラン女性ガイドさんを雇えたことでした。彼女の仕切りがとにかく素晴らしいのです。

青の洞窟ツアーでは、数回の船の乗り換えが必要です。
まず、高速ジェット船でカプリ島へ向かい、そこでクルーザーに乗り換えて洞窟の入り口近くまで進みます。
最後に、洞窟に入るための小型の手漕ぎ舟へと乗り換えるのです。この最後の乗り換えが、まさに関門でした。

洞窟の入り口付近は、世界中から集まった観光客で写真のように溢れかえっています。四人乗りの小型舟への乗り換えを待つ人で大渋滞してるのです。

このままでは、日が暮れても順番が回ってこないのではないかと不安になり始めたその時、私たちのガイドさんが本領を発揮したのです。

彼女は、乗船の順番を仕切っている頑固そうなオジさんのところへ行ったと思ったら、たった数分のやり取りで、オジさんをにっこりと笑顔にし、次の瞬間、私たちは「はい、どうぞ!」と手招きされ、あっという間に小型舟への乗り込みを許可。

周りの観光客から羨望と非難のまなざしを受けながら、私たちは舟に乗り込みました。

青の洞窟に入るため、クルーザーから小さな手漕ぎの舟に乗り込みます。我々の船頭さんは立派なヒゲを蓄えたまるでショーン・コネリー!
いやぁ〜 雰囲気を盛り上げてくれます。

我々の船頭さん
手漕ぎ舟に乗り込む前の我々三人

波のタイミングを見計らって洞窟の入口が最大限に大きくなったタイミングでコネリーさんが岩に張ってあるチェーンをぐっと引いて一気に洞窟に入ります。

↑ 私達の前に洞窟に入るシーンを撮影してみました、この小さな穴から舟が入るのです

洞窟に入ると、ショーン・コネリーの歌う「サンタルチア」のメロディが洞窟内に響き渡り、幻想的な青の世界とあいまって、まるで現実離れした別世界に迷い込んだかのような感覚に襲われました。

上の動画は我々の舟が洞窟から出るシーン
後ろの光が洞窟の入口(出口)です。ほんの1〜2メートル径程しかない穴をタイミングを見計らってすり抜けるのはなかなかスリリングな経験です。
もしチャンスが有るなら経験しておくことをオススメします。

さて、青の洞窟ツアーを終え、ホテルに戻り夕食に出ようとホテル周囲をブラブラしていたら、犬の散歩中だった昼間のガイドさんに偶然出会ったので彼女におすすめレストランを教えてもらいました。

右側が「青の洞窟ツアー」のガイドさん

さすが地元の人、しかもガイドさんのオススメしてくれたレストラン、間違いありませんでした。

小さな通りにある雰囲気のあるレストラン

彼女のオススメはこのモッツァレラチーズ

トマトとモッツァレラ
デカい!そして美味い!
デザートまで楽しむおじさん達
シーフードパスタ

ナポリは、フィレンツェやミラノの几帳面さとは真逆の魅力にあふれていました。

街の雰囲気はどこかマカオに似ていて、独特の温かさがありました。スマホを片手に運転するタクシー運転手の豪快さから、青の洞窟の息をのむような美しさ、ショーン・コネリーばりの船頭さんの歌声、そして路地裏の名もないレストランでの美食まで。ナポリは予想外の驚きと魅力に満ちた街だと感じました

ヨーロッパというよりマカオ?
ナポリ全景をパノラマで

初日に食べた海岸沿いのレストランのアンコウもまたいい思い出なので載せておきますね。

夜のナポリ湾
流しのギター
イケメンのウエイターがアンコウを薦めてくれる
この巨大なアンコウ
調理後のアンコウ

いつかまた、あの陽気な街に戻り、新たな出会いを楽しみたい。
そして、あの船頭さんの歌声をもう一度聴きたい。そんな思いを胸に、私たちは次の目的地、永遠の都ローマに向かいます。

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