周りを傷つけているあなたへ
大宮エリー「思いを伝えるということ」文春文庫より
周りを傷つけているひとがいた
周りは傷つき、悩んでいた
周りはそのひとに怯え、
腫れ物に触るようにした
本当のことを言わなくなった
周りを傷つけているひとがいた
私を愛してと
どうして愛さないんだと
どうして他を選ぶんだと
わめき散らすひとがいた
大丈夫だよ
もう大丈夫だよ
暴れなくていい
もう他人を傷つけなくていいよ
だって知ってるもの
あなたが一番傷ついているんだから
あなたが一番あなたを
嫌っているんだから
あなた