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レトロホラーアイドル「ファントムシータ」に溺れたい

興味を持ったきっかけは「Adoちゃんがプロデュースするアイドルグループ」という一点でした。
しかし今となってはプロデューサーの存在を超えて、彼女たち自身の魅力に思いっきりハマっています。俗に言う箱推しというやつです。

知らない人にも届いてほしい!
というわけで、現在観られるMV等の映像から、魅力を挙げていきます。よろしければお付き合いくださいませ。


まず、オーディションの課題曲としてAdoちゃんから発表された歌が「Tot Musica」だったんですよ。

この難曲を歌いこなせる、歌唱力と表現力を求めた。
結果、応募者4000人の関門をくぐり抜けた精鋭の少女たちが、コンセプトとしてレトロホラーを掲げるアイドルグループ「ファントムシータ」となったわけです。

ホラーに苦手意識を持つ人もいるでしょう。
私も怖いもの全般を苦手としていますが、彼女たちはただただ怖いだけではなく、いろんな意味で魅了してくれます。
その切り口の多彩さが、とにかく天晴なのです。



🦋おともだち

楽曲提供はチャラン・ポ・ランタンの小春さん。
スマホの画面を撫でる指と、こっくりさんで硬貨に置く指が重なり、綴られる言葉をきっかけに崩壊する世界。
「幽霊より生きた人間のほうが怖い」とはよく言ったもので、集った十代の無邪気な陰湿さを表現した一曲ですね。

そしてMV。口元や目元は映りますが、顔の全容は一貫して見えない、見せない構成となっています。ゆえに怖さと想像力をかきたてられ、なおかつ映像を観ながらも歌声の表現に集中して浸れる。
冒頭「私たち なかよしだよね」のワンフレーズを筆頭に、歌い方や表現に対するこだわりが随所から伝わるところも好きです。

余談ですが、私はこの歌を初めて聴いた時。
「ペンタゴンの隅で 誰かいつも独り」
のパートを聴いた瞬間「えっこの歌声大好き!!!」とその一度で撃ち抜かれました。
(おかげで灯翠ひすいちゃんの名前を真っ先に覚えましたとも)
過去にアイドルを好きになった事は何度かありますが、声をきっかけに惚れるという経験は今回が初めてです。画期的すぎた。



🦋キミと✕✕✕✕したいだけ

この歌から、五人の表情が見えるようになりました。
『おともだち』では「見せない」という選択ならではの表現だった分だけ、今作では思いっきり「見せる」ことで伝える方へと舵を切っています。

楽曲提供はきくおさん。
可憐な姿で誘き寄せ、これもまた愛情表現とばかりにとことん蔑んで嬲って、終いにはすべて奪って吸い尽くしてしまう。
得た血の分だけ美しく咲くのです。

囚われている場面から、何となく共依存っぽい雰囲気もある。
感情の暗部という意味でも、サビで見せる変貌っぷり含め惚れ惚れします。



🦋魔性少女

楽曲提供はなきそさん。
この「魔性少女」というタイトル、ファントムシータたちを如実に表す大好きな言葉です!

冒頭からサムネイルにも顕著なとおり、明るくも幻想的な世界が繰り広げられます。少女たちの楽園めいた幸せな空間。
しかしちょいちょい挿入されるカットがことごとく不穏で、真っ白な純粋さと相まって怖さをかき立てられる。

そこに現れる闖入者。
けれど彼女たちは魔性少女、黙ってやられるような存在ではないのです。

花園で可憐に戯れる姿も、やがて露わになる正体も。
映像の起承転結まで含めて、作品世界を見事に表現しています。
清濁ひっくるめた全てが魅力的。



🦋花

個人的に一番好きな歌!
楽曲提供はユリイ・カノンさんです。
テーマは「美醜」で、MVの世界観もそれに沿った構成になっています。
(そばかすメイクはモチーフでもある「蛾」の鱗粉みたい)

ショーケースめいた透明な箱に飾られる美しい姿と、人ではない何かの様相を呈しながら小さな箱の中で蠢く姿。
やがて蠢く箱は増殖し、美しい姿は美しくあること自体に囚われ、鮮やかな花に顔を蝕まれます。落差が絶妙。

ちなみに、繰り返し登場する ”mimesis” の意味は以下のとおり。

ミメーシス(〈ギリシャ〉mīmēsis)[名]
1《修辞学》ミメーシス,模倣(◇西欧の芸術創作論の中心をなす概念)
2《動物》模写行動;擬態
3《病気》ヒステリー性擬病;同感病

goo辞書より引用

全部の意味が込められてそうですね。
他の歌と違って『花喰み』だけは関心の対象が自分の内面に向いていると思ってたけど、むしろ自分以外の存在の美に対する恐れが根深い分だけ完全に悪循環。これもまた間違いなく「怖い」歌です。



🦋乙女心中

楽曲提供は楽園市街さん。
和装! 袴!! コラージュ!!!
とまあ心惹かれる要素てんこ盛りな中でも、そこはやっぱりファントムシータ。大正浪漫一辺倒ならず、華やかなホラー要素も入っております。好き。

歌詞が旧仮名遣いだったり、漢字にカタカナ単語の読みをあてていたりと、正直まだ歌詞世界の全容を解釈しきれていない部分がありましてですね…。
タイトルを最初に見た時は「しんじゅう」だとばかり思ってたけど、歌詞を理解すると「しんちゅう」もしっくりくるし。そうやって深堀りできる要素がいくつもあるの、率直に面白いです。
(2番Bメロについては、以前書いたこちらの記事の冒頭でも触れています)

あとやっぱりみんな歌が上手いので、ソロパートのどこを聴いても耳が幸せ。声に突出した個性のある凛花りんかちゃんと灯翠ひすいちゃんの存在も、グループとして強みだと思います。
(※1番Aメロ担当の二人です)



🦋ゾクゾク

楽曲提供はてにをはさんです。
この歌は残念ながらMVが無いので歌のみで語りますが、大正浪漫な『乙女心中』の次に公開したのがこのド直球ストレートな昭和歌謡という采配、絶妙だと思います。
しかし歌詞の韻の踏み方は思いっきり令和なあたり、スマホとこっくりさんが登場した『おともだち』にも通ずるものがありますね。新境地。

いや、正直なところ先行公開されたサビだけ聴いた時にはそこまで刺さらなかったんですが、フルで聴いた上で歌詞も理解すると一変しました。すごく好き。真の美しさは畏敬を伴うものだと思っているので「ゾクゾク」の感覚でもって美を歌いあげるのは納得しかないです。恐怖感としての「ゾクゾク」と混ざって目眩がしますよ。

あと個人的に『おともだち』で惚れてから灯翠ひすいちゃんを推してまして…。この歌も魅力炸裂してますね。1番Bメロといいラスサビといい、ファントムシータにおけるトリックスターだと思ってます。

ちなみに、11月2日1時33分までの期間限定で、この歌のライブパフォーマンスが放送された『バズリズム02』が観れます。
下記リンク先の29:56あたりからどうぞ。

※10月30日追記:MV公開されました!

Adoプロデューサーいわく「全員センター」らしい一曲、映像がつくと更に説得力増しますね。メンバーカラーなソロパートの背景含めて作り込みが素晴らしい。五種五様な美人サマのお通りです。



生歌ライブパフォーマンス

Adoちゃんのライブツアー『モナ・リザの横顔』全公演のオープニングアクトを筆頭に、いくつかのライブイベントやテレビ出演でライブパフォーマンスを披露しています。
メンバーの中にはダンス未経験で加入した子もいるそうで、にもかかわらずその全てを生歌で行っているのは凄いなあと思う次第です。ダンス、結構複雑ですよ。

<DayDay.>テレビ初生歌披露

(※2024年12月31日までの期間限定公開)

『おともだち』はMVの映像にダンスシーンがほぼ映ってないので、こうやってフルのライブパフォーマンスとなると全く印象が変わりますね。五人って「2:2:1」や「4:1」に割れる事も有り得る、バランス崩れたら酷な人数なんだ。

あとMVの「私たち なかよしだよね」の部分は美雨みうちゃんが凛花りんかちゃんに抱きついてなかよしを誓ってるけど。
ライブパフォーマンスだと、美雨みうちゃん(三つ編みの子)は凛花りんかちゃん(赤いリボンの子)を見る時だけ表情を一変させるんです。そういう「曲への入り込み方の凄さ」を観る楽しみもあります。


<お台場冒険王2024>

珍しく動画撮影可能なライブだったようで、実際に行った人たちがYouTubeに動画をたくさんアップしてくれています。
中でもこの方の動画が最前列センターの視点なので、メンバーの表情も見やすくて大変ありがたいです。

上記の動画は『キミバツ』ですが、生歌の時だけ灯翠ひすいちゃんが2番の「死刑死刑死刑」の後に高笑いをするんですよ…!!
この生歌ならではのアレンジが刺さりすぎて、最近では通常のMVや音源に物足りなさを覚えるぐらいです。笑。

ちなみにこの日は8月19日、場所は野外。
いまだに酷暑の記憶も新しいわけで、この衣装で3曲パフォーマンスした事にも賛辞の拍手を送りたいですね。観てるだけで暑いよ。


<NSTまつり2024>アイドルスペシャルライブ

サムネイルの無い動画は、生配信されたライブ映像。
サムネイル有りの動画は後日公開された、定点での4K高画質映像です。

どちらもクリックすると『花喰み』が始まります(私の好みと独断)。『おともだち』と同じく、ライブならではのダンスが見応え抜群です。

9月28日に行われたライブなので、お台場冒険王からひと月と少しです。進化の度合いが著しい。
灯翠ひすいちゃん、曲終わりの高音パートも綺麗!)

この日はおともだち・キミバツ・魔性少女・花喰みの4曲を披露してまして、自己紹介の時間なども含めて25分ぐらいのライブでした。
4K映像の方はYouTubeの概要欄にタイムテーブルもあるので、気になった方はぜひ『花喰み』以外のパフォーマンスも観てみてくださいませ。
終盤の曲中に凛花りんかちゃんのマイクが外れる突発的なトラブルも起きているけど、アドリブ効かせて冷静に対処している様にプロフェッショナル見せつけられます。


ライブ以外も見逃せない

レコーディング映像公開

キミバツ・魔性少女・花喰みに関しては、YouTubeの公式チャンネルにレコーディング映像が公開されています。
そこから『花喰み』をご紹介(私の好みと独断)。

シータたちの生歌が聴き応え抜群なのは勿論。Adoプロデューサーの歌唱指導も、指摘の言葉選びが適切かつ優しいんですよ。職場で新人育成を行う人なら観て損はないってぐらい。

これを吸収していったら、きっともっと上手く多彩になる。
彼女たちのこれからが楽しみです。


オンとオフのギャップ

初のワンマンライブで販売される、オフィシャルグッズの紹介動画です。
私服姿で髪型もいつもと違うみんなの様子が新鮮で、公開されてからしばらくの間は毎日観てました。
わちゃわちゃするあどけなさが微笑ましくて、歌声やライブパフォーマンスとのギャップに驚かされつつ好きが深まってます。灯翠ひすいちゃんが一番好きだけど、こんなん見せられたら箱推しも加速しますよ…。

ちなみに他の動画もひととおり観ております。
百花もかちゃんの誕生日パーティー動画も大好き。みんなでやるババ抜きが楽しくて延々とリピートしてます。

衣装姿もかわいい。和み。


おわりに:初ライブ開催予定!

10月30日に、これまでに紹介した6曲+新曲を含む、7曲収録のミニアルバム『少女の日の思い出』が発売されます。
今までの音源は配信限定なので、今回が初のCDです。

Adoちゃん曰く、アルバムタイトルの元ネタはヘッセの『少年の日の思い出』とのこと。未読なので聞いた話なんですけど、蝶々が出てくる作品らしいじゃないですか。蛾との対比も含めて納得です。

そして、11月1日に日本武道館で、初のワンマンライブ『ハイネ』が開催されることも決まってます。
チケット、今も購入できます。
どんなライブも一度きりなのは確かだけど、その中でも初めてのワンマンライブって本当に一度しか無い機会です。

なんかPRみたいな言い回しに思えるかもしれないけど、本記事は100%趣味で書いております。きっと想像を超えるパフォーマンスで魅了してくれるので、気になったらぜひ行ってみてくださいませ。

これをきっかけに、彼女たちにゾクゾクする人が増えると嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!



🦋11月3日追記:ライブレポ書きました!


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