
本紹介_高校生からの法学入門 (2016年7月30日出版)
本記事では、「高校生からの法学入門(中央大学出版社)」について紹介します。
この本のキャッチフレーズ
見かたが変わる。
あなたが変わる。
いじめ、SNS、18歳選挙権、ブラックバイト・・・
身近なテーマから、「法的な考え方」をやさしく紐解く12章
本の一部を引用して紹介
序章 何のために「法」はあるの?
・あなたの身近にある法(法学)
法(法学)は、人々の権利・自由をしっかり保障し、みなが安心して日々の生活を送れること、人生を大いに楽しむことができることを常に目指しています。逆に言えば、法(法学)はそのような存在でなければならない、ということです。ですから、どうすればより好ましい存在になるか、という重要な問いが生じることにもなります。法学は、そういった問いを大切にし、より良き法の姿を探求する学問だということができるでしょう。
・法とは何か
法はルールです。よからぬ事態が社会で生じないよう、生じた問題を適切に解決できるよう、私たちの行動を合理的な範囲でコントロールする規範です。この性質をとらえて、法は「行為規範」であるとも言われています。
・法はいかなる基本思想に支えらえれるべきか
法は人が作り、人が使うものです。ですので、どのような基本思想にもとづいて作られるか、使われるかということが、法の善し悪しを決める重要なポイントということになります。これはまさに、法の土台となる基本思想の在り方の問題です。法はどのような基本思想によって支えられるべきなのでしょうか。簡単な問題ではありませんが、考えることを避けてはならない問題です。
・この本では、高校生向けに、法律の各分野について自然に理解が進んでいくよう、具体的な話がふんだんに紹介されています。
本書の目次は以下のとおりです。
目次
序章 何のために「法」はあるの?
第1章 「遅刻したらトイレ掃除1週間」は効果的? - 犯罪と刑罰
第2章 「彼と付き合う」を分析する - 契約の拘束力
第3章 他人の悪口を言うことは自由なの? - 表現の自由
第4章 おまえのものはおれのもの、おれのものはおれのもの - 所有権の本質
第5章 自分たちのことは自分たちで決める - 選挙権と国民主権、議会制民主主義
第6章 いじめを軽くみるな! - 刑法的思想の第一歩
第7章 なんでお母さんが株式会社の会議に出るの? - 会社組織の法
第8章 働きがいのある人間らしい仕事とは? - 雇用社会と法
第9章 山本君、ケガしたってよ - 損害の賠償責任
第10章 友達とケンカ
終章 結局、「法」を学ぶことの意味って何?
主に高校生向けに書かれているので、専門書と比較して分かりやすい表現になっています。
本書の目次を見て、興味がありましたら一読をおススメします。
※Amazon や中古書店で古本としても販売されています(2025年1月時点)。
この本を読んだ後の、次のステップ
社会問題やビジネスに紐づく法律の話が取り上げられているので、学びがあると思われます。一度流し読み後に、法解釈について学び、読み直すことで理解が深まります。
ポケット六法
※古いものだと、Amazonの中古で1円なんですね。分厚いので、勉強以外にも色々と使えそうです。
産経ニュース(2024年6月14日)
なぜいじめや差別をしてはいけないのか、なぜ人を傷つけてはいけないのか、なぜ人からものを盗ってはいけないのか、等を法学の観点から、子供たちや若者たちにわかりやすく伝えていけたらカッコいいですね。
社会問題となっている〇〇ハラスメントとは、法(法学)の観点から解釈したら何と説明できるのでしょうか?
仕事や日常において、必要十分な法学を修めていない人と関わることは怖くないですか? 「法学が分からない人」ということは、何が犯罪かということを認知せずに、善し悪しを独善的に判断している人ではないでしょうか。やはり、恐怖を覚え、警戒せざるを得ません。
精神的に自律した大人になり、後進に人としての善し悪しを伝承するためにはまだまだ学ぶことがたくさんあると思われます。
以上。