読んだ本の気になる部分を書き留めていきます。
今回採り上げる本は、『人生後半の戦略書』著.アーサー・C・ブルックスです。
本を手に取った切っ掛け
Amazonを見ていて高評価だったことがこの本を買った切っ掛けでした。
★人生100年時代の後半を生きるための必読書!
こんなコメントに惹かれて手に取りましたが、非常に興味深く読むことができました。
以下、気になるところを気ままに書き留めました。
書き留めたところ① 2種類の知能
加齢とともに、衰えていく部分と、伸ばしていくことが出来る部分があることは、私たちの働き方に変化を求めます。
若い時の価値観のまま、仕事を続けていくことが出来ないという点は、今後、自分が仕事を続けていく上での大きなヒントとなりました。
書き留めたところ② 根の一体化
根を絡ませ合い、次第に結合しながら、群生していることで、巨木が何百年、何千年と直立を保っていることは、非常に示唆に富む部分でした。
大きな木になるためには、地中深くに根を伸ばしていく、というイメージを持っていましたが、
そうではなく、浅いところにある根を絡ませ合い、結合させながら、群生することで、大きな木が成り立っていること、
私たちは、芸術や、言語表現、文字、そしてインターネットによって、自分の思考を他者の思考と絡ませ合い、結合させ、群生することで、大きな存在として、長く続いていくことが出来たこと、非常に示唆深いメッセージだと感じました。
地中の根=目には映らない思考
というメタファーで捉えると、とても興味深いです。
書き留めたところ③ 人生の4つのステージ
最近、聴いている音声コンテンツ(「#53 大人の"アイデンティティ・クライシス"の特徴と処方箋」(安斎勇樹の冒険のヒント))の中でも、似た議論が展開されていて興味深く感じました。
この本の中にも、
『自分を知ることです』
『自分の中へと分け入るのです。心が研ぎ澄まされれば、あなたの持つ秘宝に気づくでしょう』
というアチャーリャの言葉ががあります。
突き詰めていくと、人間の一生涯の捉え方というのは、類型的なものが存在するように感じます。
書き留めたところ④ 宗教の役割
自身の根(思考=精神)に目を向けていくこと。
これが人生のシフトチェンジをする上で、必要不可欠なようです。
以前、採り上げた書籍『宗教の起源-私たちにはなぜ<神>が必要だったのか』にも記載がありましたが、
宗教が、帰属意識の創出、共同体の約束といった人間にとっての『根』としての機能を担っているようです。
読後メモ
最近の個人的な興味として、
SNSを始めとした技術の進展が、
人間の自己認識の在り方を個人から分人へと変化させる一方で、
物質的な関係性による分人が複層的になりすぎると、
自己の中における分人同士の統合が求められ、
それが結果として、精神性の探求に繋がる。
こんな流れを考えています。
家族、会社、趣味、仲間といったコミュニティの他に、
自己の探求に繋がるコミュニティに所属することが、
今後、求められる時代になるかもしれません。